2020年07月07日
令和2年7月7日火曜
昨日は僕が拝見した外国人患者8人のうち、4人が新患という魔訶不思議な日だった。タイ人女性、高血圧で通院中、たしか建設業に従事していたはず。元気そうで安心した。新患のフィリピン人女性52歳、会社の検診で「よくない数値がある」と言われて来院。血圧がやや高く、コレステロール、中性脂肪が高かった。たまたまフィリピン人スタッフが午前中休みを取っていて、僕が日本語と英語で対応したが、どちらも中途半端。もちろん意味は通じ、食事療法、今後のスケジュールも話したが・・・・やはりタガログ語がいいようであった。フィリピン人だから英語が通じる・・・とはいかない人が多数いるというのが僕の印象。新患のタイ人女性51歳、静岡県の某市から来院。明日のバンコク行きの飛行機に乗るので英文の診断書を書いてほしいとのこと。熱もチェックし、15分程度で書けた。どうしてここまで?と思って訊ねてみた。すると、この近くにタイ人の友人が住んでいて、僕のクリニックで書いてくれそうと教えてくれたし、静岡の自宅から羽田まで朝になって行くより、近くのこのあたりの友人宅に泊まって行く方が万が一にも飛行機に乗り遅れることはないだろうと思ったからと教えてくれた。アフリカの某国の女性32歳、最近、体の調子がよくないそうだ。経過を聞いていると、大学病院を含むいろいろな医療機関を受診、中には相当遠方の医療機関もある。症状としてはメニエールに近いという印象。ある医療機関で勧められたというサプリを飲んでも改善する様子がないので、やめてもいいかと尋ねられたので、やめてもいいと答えた。もともとはすごく活発で笑顔が絶えないような女性だったが、留学して来た大学を卒業し、日本の会社に就職してから数カ月、以前とは全くちがった印象を受けた。やはり彼女たちにとってはストレスフルの社会なのだろうか? 午後になって新患のタイ人男性58歳、体がふらふらすると言う。めまいもあるそうだ。血圧が高く、まずは降圧剤を処方。東北タイ、メコン川を挟んで対岸はラオスというナコンパノム県出身だというので、しばらく東北タイの話をした。新患の某アフリカ出身の女性○○歳、県内遠方よりやってきた。生活保護なのに、いつもは受診時に持ってくるはずの「受診してよい」という役所からの許可証もなく、その代わりにその自治体の職員が付き添ってきた。いっしょに診察室に入ってきて、自治体の職員だと説明してくれたが、身分証の提示を求めて確認させてもらった。症状は一週間前からの風邪症状、どうしてここまでやってきたのか不思議に感じた。熱はないと言うが、念のためにわきの下に体温計を入れて体温を測ってもらうと37.7度。そんなはずはないと言うので反対側のわきの下で測ってもらうと37.6度。まちがいなく発熱有り。考えた挙句に新型コロナのPCR検査の予約をすることにしたが・・・連絡先を教えてくれない。携帯電話もなし。なにか訳があるのかと付き添ってきた自治体の職員に聞いたところ、「プライバシィを話さなければいけませんか?」と言われた。通常の診察ならプライバシィを尋ねる理由もない。しかし、役所からの許可証もなく、連絡先の住所、電話番号もわからず、携帯電話を持っていないということなら・・・万が一、PCR検査が陽性ならどのように連絡をしたらよいのか? それ以前に検査を受けるために保健福祉事務所に提出する書類さえかけない。医師は仕事の関係上、患者やその周りの人たちのプライバシィを知ってしまうことがあるし、知らなければ適切な指導ができない場合もある。だからこそ、たとえ親子であっても知りえた情報を相手に話してしまうことはない。今回の役所の対応には不満を持たざるをえない。職員が付き添ってくるほどの特殊な例であるとしたら、その理由を教えてくれなければ、適切な検査さえできない。先方が信頼してくれなければ、こちらも先方を信頼できないということになる。この職員には職場の上司にそのように伝えてくれるように頼んだ。
posted by AMDA IMIC at 08:59
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