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2020年02月27日

令和2年2月26日木曜

スペイン語しか話せない人の検診を行ってくれるかという問い合わせが市内の国際化協会からあった。検診の内容は比較的簡単であったので、可能と答えたところ、午後になってそれらしき人物がやってきた。ペル―人男性26歳、たしかに話せる日本語は「日本語はできません」という一言だけ。英語はできますか?とスペイン語で訊ねてみたが、できないと言われた。順調に検診は終わり、診断書を書いて、即日、手渡しできた。韓国人女性62歳、つい最近、韓国に行き、プチ美容整形を受けて帰って来たらしい。今の韓国の新型コロナウィルスによる肺炎の急増を受けて、もしかして日本に帰れないかも?と思ったそうだ。タイ人女性43歳、胸が苦しい、寝られないと来院。以前にも不眠で受診したことがある。胸の苦しさというので、話を聞いてもいまいち、よくわからない。念のため、心電図をチェックしても全く以上なし。雑談しているうちに「故郷の母親が日本の新型コロナウィルスによる
肺炎の増加を心配して帰ってこいと言っている」と教えてくれた。タイは現在、国民に日本へ行くことについて渡航自粛勧告を出している。こういうことを知っての上の母親の発言だろう。そういえば、東日本大震災の直後も帰国する外国人が少なくなく、そのまま帰ってこない人もいたことを思い出した。故郷の家族の心配に応えるように帰国する、その彼らの背中を押してしまうのは日本における母国語での情報の欠落だろう。東日本大震災のときも今回も、在住外国人や訪日外国人に的確な緊急情報を伝える日本側の努力が完全に欠落していると思う。これでは国際化の名前が泣く。大げさに言えば、人権違反ともいわれかねない。今のこの世の中、インターネットなどで母国等から情報を得ることはできるが、東日本大震災の時で言えば、どこに行けばガソリンがあるとか、地域の電気の回復はいつごろになりそうとか、今回の新型コロナウィルスによる肺炎に関しては具体的な相談をどこにしたらよいのかとか、疑って医療機関を受診する場合はどうしたらよいのかとか、そういう地域密着型の情報については全くというほど配慮されていないのが外国人と言っても過言ではないだろう。恥ずかしい、いや恥ずべきことだと思う。日本が先進国に分類されるそうだが、それは経済的側面からだけの話なのだろう。
posted by AMDA IMIC at 16:52 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)