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2020年11月16日

令和2年11月16日月曜

ベトナム人男性18歳、隣接するA市から初めての来院。どういう経緯で来日したのかは聞かなかった。1年半前に来日、なんとなく腹部の違和感はあったが、1カ月半ぐらい前から毎日、朝食を食べると下腹痛に軟便、下痢があるという。ときどき便に血が混じると話す。血の色を尋ねると鮮血、便の表面に血が付いていて、便の中に血が混ざっているのではないとのこと。一カ月半という長さから考えて感染性腸炎とは思えず、初めは過敏性腸症候群かと思ったが、「便に血が付く」というあたりで潰瘍性大腸炎が鑑別対象と思った。発熱はなく、便に血が付くということが便の表面に鮮血が付着する、すなわち肛門のすぐ近くから出血していると推察した時点で可能性は低いと判断、ほかに症状は?と尋ねると、ときどき肛門に痛みがあると答える。ここで潰瘍性大腸炎は否定してもいいと推察したが、痔核ではなく、痔瘻なら腸結核も鑑別対象だろうと考えた。拝見すると痔瘻はなく、痔核あり。やはり過敏性大腸で下痢のために痔核が悪化したのだろうと診断、トリメブチンにボリカーボフィルを処方した。薬が無駄になってはいけないのでまずは2週間だけ処方、これらを内服してもすぐに症状が消失するわけではないので必ず2週間は内服を続けること、そして食事療法について話した。14日はベトナム人スタッフがやってくる日でベトナム人患者は8人だった。彼もベトナム人のコミュニティから14日にベトナム人スタッフが勤務していることを聞いたうえでやってきた。この日に来てくれてよかった。電話通訳を利用してもなかなかここまでは言いきれない。時間もかかるし、まどろっかしいことだろう。ましてや通訳なしではとてもじゃないが診断できないし、診断どころか通常の診察ができない。時間もかかるし、どうしてよいかわからないとしたら、ついつい「うちに来ないでくれ」と言い出しかねない。患者側も不完全燃焼で不安になったりいらいらとすることだろう。ベトナム人スタッフに感謝。
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2020年11月14日

令和2年11月14日土曜

愚痴をひとつ・・・このところ、忙しい上にあることで忙しい。それが何かというと登録やら更新の作業である。県へ報告の発熱外来のHersysそして海外渡航のための経産省のTeCOTなど。インターネットを使って便利は便利なのだろうし、とくに前者は保健福祉事務所が本来行う作業を医療機関に肩代わりさせているわけだから行政にとっては大きなメリットがあるのだろう。ただ、こういう作業を押し付けられた末端の医療機関はたまったものではない。事務員に任せるわけにもいかず、本来、患者の治療に専念すべき医師がうんうん唸りながらパソコン画面に向かいあうことになる。TeCOTの方は一昨日、掲載内容に変更が発生したため、しかもこの内容を医療機関側で修正がきかないので、TeCOT側にお願いした。昨日、これに関連して先方から確認の電話がかかってきた。すると・・一か所、僕が間違って書いたらしい。指摘されたところ、まったく記憶にないのだが・・・口頭で確認したのだからそこは訂正したうえで、お願いした事項をすべてアップしてくれるのかと思ったら、「一か所、間違っていたので、あらためて修正の全体を昨日のようにメールで送ってください」と言われ、電話はそのまま切れてしまった。しばらく脱力感。呆然としていた。そして唸りながら再度、作成し、送信。これを診療の合間に行うわけだから、混乱するはずだ。なんとかならないものか? 初期ログインパスワードとかIDを入れて・・・とか、8文字の中に記号、数字、半角英文字の小文字を入れてパスワードを作れとか・・・どこかに書き留めておいたら、パスワードにならないだろう。
 外国人の新型コロナクラスターがテレビでも大々的に報道されていた。ワンストップのような対策を講じるそうだが・・・またワンストップかよ、という印象。厚労省が民間会社に委託した平日夜間休日の外国人医療の「ワンストップ窓口」。何を行ってどういう効果があったのか、まったく見えてこない。この二の舞では困る。実りのある事業を考えてほしいものだ。
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2020年11月13日

令和2年11月13日金曜

ペルー人のご夫婦、インフルエンザの予防接種に来院。市内でペル―料理の店を切り盛りしていて、ご主人は一カ月ほど前に階段から転倒して両側の手関節部で骨折、両側に杖をついて現れた。はじめての予防接種だそうで、本気で怖がっていたが、終了後は「あれっ、もう終わったの?」と二人とも元気に帰って行った。骨折したとは聞いていたので、心配していたが、ほっとした。フィリピン人女性58歳、前回は呼気テストを行い、ヘリコバクター・ピロリの除菌療法の効果をみたが、陰性となっていた。日ごろの高血圧の診療も行った。ベトナム人女性59歳、なかなかLDLコレステロールが下がらず、血圧も安定しない。いろいろと話をしていて気がついたのは、やはり好きなものを好きなだけ食べているということ。内服薬を処方していることで、却って食事療法を行う気持ちが全くなくなっている。再度、注意した。フィリピン人女性39歳、高血圧、前回の血液検査の結果を説明した。体格がよく、腹囲もそれなりにあるというのに、なぜかLDLコレステロールも中性脂肪も全くの正常値、これには驚いたが、本人は僕の前でガッツポーズ、得意げに「少しやせたよ」と言うのだが、どう見てもそうはみえない。しかし、本人のやる気を削いではいけないので、「そういえば少しやせたかな」と話しておいた。昨日も僕のほうだけで外国人患者11人、小児科と併せると・・・やはり目立つ。
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2020年11月12日

令和2年11月12日木曜

フィリピン人男性58歳、昨日牡蠣を食べてから腹痛、下痢があるという。これで重症感があるなら入院もありえるかも・・・と思いながら診察室に呼んだら・・・元気そうな男性が入って来た。英語でoysterを食べて具合が悪いのか?と尋ねると、そんなの食べてないとのこと。?????と思いながらフィリピン人スタッフの顔を見ると、彼女も目を白黒させている。するとフィリピン人男性がカキじゃないよ、フルーツのカキと言う。この「カキ」の発音が「牡蠣」、これはまちがえる。「牡蠣」と「柿」のイントネーションを教えてあげて大爆笑。大きな問題ではなさそうで消化を助ける薬を処方して終わったが・・・後から考えたら笑ってばかりいていい問題ではないと気がついた。患者側が気を使って日本語で話してくれるとこのように誤解しかねず・・・・これが本人ではなく家族がやってきて話したとしたら誤診しかねないというわけだ。このようなとき、タガログ語で話してもらえば、このような誤解はおきなかっただろう。フィリピン人スタッフにもきっと日本語で話したのだろう。タガログ語で対応できるために彼女が勤務しているので、フィリピン人の人たちにはタガログ語でまずは彼女に話してほしい。県内の某大学からタイ人の患者を診てもらえないかと電話があった。この大学には医学部があり、大学病院もあるのになぜ?と思ったが受けた。2時間ほどしてから37歳男性が来院。日本語は片言、タイ語で話したくてうずうずしたが、英語が話せるということでまずは英語で対応した。ここでまず不思議に思ったことは・・大学病院の一つの診療科に英語が話せる医師がひとりもいないなんて考えられない。米国をはじめとして留学して帰国している医師もいるはずだし・・・なぜ、僕のクリニックに診察のお願いが来たのかが理解できない。診る気がそもそもないということなのか・・・と疑いたくなる。肛門が痛い、出血するときがあるというので拝見したら、血栓性外痔核だった。これは痛いはずだ。ずいぶん前から痔核の既往があり、場合によっては手術が必要だと話した。薬の話をしようとしたところで、とうとう我慢できなくなり、タイ語で「薬が必要だけど、飲む薬と座薬」と話したところ、「おおおおっ驚いた。先生、どうしてタイ語が話せるの?」と英語で返して来た。改めてわかる範囲でタイ語で説明し、彼のバンコクの家の近くにあるチャト―チャックサンデーマーケットの話で盛り上がった。
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2020年11月10日

令和2年11月10日火曜

土曜に体調が悪い、疲れやすいとやってきたフィリピン人女性の血液検査結果が帰って来た。疲れやすいということで肝機能はどうか?と心配していたが、そちらはok、しかし、末梢血で血色素が6.0しかない。女性の正常値の下限が11.2程度だったから、ほぼ半分のデーターだ。要するに貧血、これでは疲れやすいのもうなづける。駅の階段など駆け上がったら動悸がすることだろう。フィリピン人スタッフに話して、本人に早めにクリニックに来るようにと話をしてもらった。問題は何が貧血の原因か?ということだ。消化器や婦人科の検査も行わねばならないだろう。10日きょう、バンコクに臨時便が飛ぶらしく、朝から帰国のための書類を求めてタイ人が4人来院。タイ人がタイに戻るにはPCR検査は必要とされないが、FIT TO FLY、 要するに飛行機に乗って旅をしてもいいですよという英文書類が必要となる。4人のうち二人はお坊様とその支援者?らしき女性の二人連れ。あのカーキ色のお坊様の装束をクリニックの中で見るのは久しぶり。お坊様はラオス国境のナコンパノム、女性のほうはカンボジア国境のシーサケットの出身と話していた。この二人からは英文書類は医師のサイン以外は印字しなければいけないと言われたと聞いていた。先週、帰国した人はそんなことはなく、手で記入した文書で帰って行ったのだが・・・こういう求められる文書はいつ大使館の指示で変更になるかがわからない。ゆえに患者の求め通りに診察しながらパソコンで記入、それを打ち出してサインするという作業を患者が待っているにもかかわらず4人分作成した。
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2020年11月09日

令和2年11月9日月曜

昨日、書いたフィリピン人女性のこどもさん、PCR検査の結果は陰性だった。良かったのはまちがいないが、受け入れた医療機関側としては良かったとだけ総括するわけにはいかない。発熱患者やその人たちが新型コロナの感染で会った場合に明らかに濃厚接触者と判定されるであろう人たちの受診については、受付の時点から細心の注意を払わなければならないとつくづく思った。とくに発熱している本人が受診する場合は、クリニックの外で待ってもらうなど、気がつくが、発熱者の家族が「とりあえず、相談にやってきた」とか発熱者がお子さんで家族が代わりに受け受け窓口にやってきた場合、失念する可能性がある。万が一のことがおこらぬよう、スタッフにもこの点はしっかりと話しておかねばならないだろう。タイで生まれ育ったベトナム人男性59歳、数カ月前から両手がふるえるという。見ていると肝機能障害や甲状腺機能亢進症に伴うような震えではない。歩行なども「普通」。本態性振戦と考えたが、ベトナム語はおろかタイ語でもうまく説明できない。なんとかわかってもらってアロチノロール5ミリを一日3回まずは2週間内服してもらって経過をみさせてもらうことにした。驚いたのが先月の外国人患者統計。帰国のためのPCR検査と英文診断書を求めてやってきた人が多かったため、延べ受診者が364人、いつもの月より100人程度多い。そして新規の患者が75人、こちらもいつもの比較的多い月の2.4倍に相当する数字だ。昨日、日曜日、クリニックにやってきてハワイ州に入るためのPCR検査および英文診断書作成の医療機関としてのWEB応募用紙に書き込み、ハワイ州政府の機関宛てに送信した。もし認可されたらさらに多くなることだろう。中国渡航のためのPCR検査と英文診断書作成のための中国大使館認定の医療機関にも応募中だが、一昨日、中国大使館よりあらたに入国のためにはPCR検査だけではなく、抗体検査が必要と発表があったと経産省から連絡があった。経産省より細かい確認を取るとので・・・と書いてあった。すでに抗原検査、抗体検査のキットは入手していて、承認されたら即日対応できるが・・・・ややこしくなってきた。韓国入国には専用のフォームに記載することが必要とされるというので、調べてみたら、渡航医学会で作成したPCR検査記入用紙と下半分が全く同じだった。専用フォームを作る意味があるのかどうか・・タイ人がタイに帰国するときにはPCR検査は不要だが、用紙に手書きはだめ、医師のサイン以外、すべて印字することが必要と数日前に電話して来たタイ人が話していた。そしてカンボジア入国に際してもサイン以外は全ての書類を印字しないと入国できない。中国はすべて大使館指定のフォームに記載しなければならない。サンプルを取り寄せてチェックしたところ、渡航医学会で作成している用紙のほうがむしろ詳しく書いてある印象だった。ややこしすぎる。その上、今回の中国行きのように求められる検査の内容が突然、変更になると旅行者だけでなく、作成する医療機関側も混乱しかねない。費用だって抗体検査を加えた分、PCR検査だけのときよりさらに高額になってしまう。このような点もよくよく配慮し、また同じような内容の証明であるならぜひ統一してほしいものだ。
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2020年11月07日

令和2年11月7日土曜

大事件発生。午後になり、フィリピン人女性35歳を診察し終え、診察室の外に出てから受付が騒がしくなった。看護師が戻って来て、「今の患者さん、娘さんが発熱していて隣でPCR検査したんだって」と少し興奮気味に教えてくれた。これにはびっくり。もし、隣の部屋の小児科で診察を受け、PCR検査を受けたという娘さんが新型コロナウィルスに感染していたとしたら、この母親はまちがいなく濃厚接触者だろう。そういう情報がわかっていたら、通常のマスクで診察を行うことなどしなかっただろう。はじめは驚きで、そのうちにこれは今後の対策に生かさねば・・・と思った。日本人の患者やその家族でもおこりえることだが、外国人で言葉やコマュニケ―ションがうまく取れない場合、「発熱していたら、クリニックの外に待機してまずは電話を」ということをいかに徹底させるかということだ。これをタガログ語、タイ語、スペイン語でわかりやすく伝えることは難しいことではあるが、伝えておかないと同じようなことがおきる。母親は「発熱していたらクリニックの外で待機して・・」というのは発熱している娘に対してのことであって、自分は発熱していないから含まれないと考えたのだろう。こういう情報は「受付」を突破されてしまうと、診察室に入って来て医師が問診を聞くまでわからない・・・ということになりかねない。早急に対策を講じなければならないだろう。発熱してPCR検査を行った娘さんの結果はあと1時間程度で判明するはず。陰性でありますように。
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2020年11月06日

令和2年11月6日金曜

ナイジェリア人男性40歳、診察室に入って来るやいなやSTDの検査をしてほしいと言う。STDの中の何の検査をしてほしいのか?と尋ねると、具合が悪いので体中のhealth check up をしてほしいと言い出す。それはそれで保険外診療でできないことはないが、彼のように日本の健康保険に加入していると、保険診療を前提に話していることがあるので、費用面で要注意だ。前記の彼の返答は僕の質問に答えてはいない。こういう思い込みというか、自分の言いたいことだけ言うタイプの外国人に説明、説得をするのはかなり難しい。彼の年齢が私よりかなり若かったこともあり、「まあ、待ちなさい」「なぜSTDの検査が必要と思ったのか、教えてくれ、なにか症状があるの?」「相手が誰でその心配なセックスはいつあったの?」と矢継ぎ早に話し、「こういうことが知りたいのだ」と続けた。ようやく落ち着いたようで・・彼の話では、相手は今、つきあっている彼女、一番最近の性行為は1週間前、でもこの彼女とは半年以上そういう関係が続いている、彼自身には何の症状もない・・ここまで聞きだした。症状もなく、一週間しか経過していないのなら、検査は今の時点では受けても意味がない・・・たとえばHIVなら・・・と話し始めると、HIVなら仕事場の健診で2週間前に受けて陰性だったと言う。健診でHIVの検査を行う事業所など聞いたことがないが、要するにどこかでHIVの検査を受けて陰性だったのだろう。そこでいったい何の検査をしてほしいのか、梅毒なのかクラミジアなのか?と畳みかけて質問してみた。すると、性行為のたびに彼女が痛がるので・・・とまた答えにならぬ返事を言い出した。彼女に痛みがあり、本人には何の症状もない・・・するとSTDを疑うこと自体がおかしいのではないか、もしかして相手の女性が子宮内膜症なのではないかと頭に浮かんだ。紙にEndometoriosisと書いて、「こういう疾患に彼女が罹患していると、性行為で痛がることがあり、STDとはちがうかも」と話し、女性の医師のいる婦人科を紹介した。ここまで来るのに15分ぐらい、途中からこちらを信用する気になってくれたのか、スムースな診察となったが、半端ない人数の患者の診察の最後がこれでは疲れ果てる。
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2020年11月05日

令和2年11月5日木曜

市内北部からカンボジア人男性30歳、来院。カンボジア語は限られた単語歯科わからないが、この年齢ならインドシナ難民2世だろうから日本語でなんとかなるだろうと思ったが・・・僕の思い込みだった。彼もいっしょにやってきた奥様もカンボジア語のほかには英語しか話せない。会社の健診で中性脂肪が高いのと白血球数が多いと指摘を受けて、医療機関を受診するようにと勧められてやってきたとのことだった。採血が終わった後に訊ねてみると、カンボジアから来日、日本の会社で働いているという。「そういえば、大和市の南にある団地のほうはカンボジア人がたくさん住んでいるらしい」と彼が話すので、原始共産主義のポルポト政権下の大虐殺でカンボジアから数百万人の人が難民となって海外へ逃れたときに、日本政府がカンボジア国境に接するタイのサケオ県のカオイダンの難民キャンプに逃れていた人たちの中から約1000人を合法的に受け入れ、その政府系の受け入れ施設2つのうちの一つがこの市内にあったことを話してあげた。そして僕がその施設の嘱託医を務めていた関係で僕のクリニックにカンボジア人患者が多いことも教えてあげると、不思議そうな顔をしていた。そうかもしれない、ポルポトによる革命がおきたのが70年代、もう50年も前、彼は30歳だから、少しカンボジアの世の中が落ち着いたころに生まれたのだろう。そういえば、僕にとっての初めてのカンボジア人患者というのはインドシナ難民の人たちではない。78年に慶応病院のレジデントを務めていたころ、カンボジア人留学生を主治医として診ていたことがあった。彼はカンボジア政府奨学金による留学生で、あごの軟部組織の腫瘍で入院、手術を受けて退院していった。おとなしくていつもにこにことしていて小柄な男性だった。それから1年か2年後に、六本木へ行く道を歩いていたら彼とばったり出会った。どこへ行くのか?と訊ねたら、大使館に呼び出されて行くとのことだった。慶応病院から六本木に向かって歩いていくと、246を通り過ぎてしばらくしたところを左に折れて坂を下がった住宅地の一角に今でもカンボジア大使館がある。あの頃は大使館員もポルポト政権に近い人となり、全ての留学生に「呼び出し」をかけ、ポルポト政権に忠誠を誓うか、どうかを確かめていた。彼はカンボジアに帰ると話していたが、今はどうしていることか、いつも気になっていた。原始共産制を信奉するポルポト政権下では農業だけが人間らしい仕事とされた。医師や看護師、教員、銀行員をはじめ、都会に住む人たちは革命の敵とみなされ、一家で地方に追放されて集団農場のようなところで強制的に肉体労働をさせられた。夜になるとひとりひとり呼び出され、仕事を聞かれ、医師や看護師、教員などは皆殺しにされた。朝、起きると一家族がいなくなっている、人々は何がおこったのかを悟るようになり、呼び出されても身分を隠すようになった。すると離れて「管理」していたこどもたちに「君のお父さんは何をしていた人?」と尋ねる。こどもは何も知らないから話してしまう。するとこどもを含めて一家全員が殺された。そういうところからも逃げ出して生き延びた人たちがいる。僕の患者の中にもいて、いまだに夢を見るという。こういうカンボジアの姿をやってきた男性はもはや知らないのかもしれない。
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2020年11月02日

令和2年11月2日月曜

10月も終わってしまった。本日11月2日からは神奈川県では発熱患者に対して新たな対応制度が始まる。発熱患者を何人診たのか、そのうち実際に新型コロナの陽性者がいたのかどうか、その人数など、医療機関から専用のホームページへアップロードすることになっているが・・・僕のクリニックにはそのアップロードのためのIDパスワードも届いていない。さらにこの制度による補助金の申請のしくみがよくわからず、県からの書類には厚労省の担当に直接尋ねてほしいと電話番号が書いてあるので、スタッフからかけ続けてもらっているが、全国から問い合わせが殺到しているためか、電話が全く通じない。上記のように作業は本来、保健福祉事務所や県が行うべきことだろう。それを末端の医療機関に押し付けられては医療機関としての診療に影響が出る。こんな登録作業のためにスタッフを一人取られてはたまらないし、医師が自ら登録作業を毎日行うというのもばかげている。医師であれば、診療に専念したいし、専念する以外の時間がないのが実情だろう。このようにばかげた制度をつくらざるをえないのも未だに新型コロナウィルス感染症が二類感染症に指定されているからだ。だれかインフルと同じ五類感染症への変更へと英断する「上の人」はいないものか? 10月31日土曜は外国人患者23人、新患はフィリピン人女性54歳、180を超える高血圧、とりあえず2週間分の降圧剤を処方し、次回は採血も行うことにした。そしてタイ人28歳、HIV検査希望、訊ねてみると心配になった接触があってからまだ1カ月程度と言うので、説得して十分に時間が経過してから検査を行うことにして帰ってもらった。
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