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2020年10月10日

令和2年10月10日土曜

皮下埋没型の避妊チューブを上腕から摘出したガーナ人女性28歳、抜糸のために一週間ぶりに埼玉県からやってきた。包帯をはずしてみるともちろん感染はなし、そして創がわからないぐらいに小さい。シグマ針6-0で2針だけ縫合したので、この細い糸を苦労しながら抜糸、測ってみると傷は4ミリぐらいだった。創を見てとても喜んでくれた。エジプトに帰国するという一家4人がやってきた。PCR検査と搭乗のための英文健康診断書が必要なのはご夫婦だけで、4歳ぐらいのお子さんと1歳ぐらいのお子さんの分は何も必要がないという。6歳以下のお子さんは必要ないと言われたよというがこれは本当か? 今まで海外に帰る人、行く人はあかちゃんでも検査を行ってきたのに・・・飛行機会社はエミレーツだとのこと、再度航空会社に確認をしてほしいと頼んだ。万が一にもご夫婦だけ乗れるが、お子さんはだめと言われたら大変なことになる。第一、感染症には年齢制限などない。このご夫婦の鼻咽頭からの検査がまた大変。奥様は鼻腔に検体採取の棒を入れるか入れないかというところでのけぞって拒否をしてしまう。これでは正確なデーターが出るか心配だ。帰り際にスマホで撮影したエミレーツのホームページを見せてくれた。エミレーツの担当者と電話で話をしたのかと思ったけど、そうではなかった。ちらっとした見えなかったが、今でもお子さんが必要なかったのか、一抹の不安が残っている。
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2020年10月09日

令和2年10月9日金曜

ある人材派遣会社のある部署で新型コロナに感染した人が出たとのことで、別の部署で働いている人3人が自費でのPCR検査を受けたいと電話があり・・・しばらくするとそれらしき人がやってきたと連絡があった。帰国者・接触者相談センターに問い合わせたら濃厚接触者には該当しないと言われたとのこと。診察室に入ってもらって驚いた。若い男性は日本人だが、女性のうちの一人はフィリピン人・・クリニックのフィリピン人スタッフとタガログ語で話していたからすぐにわかった。もうひとりは「フィリピン人じゃない、ペル―人ですか?」と尋ねると、「そうです」と返事があった。派遣の世界ではこういう国際化が進んでいるようだ。つい数日前、早朝、駐車場に車を停めてドアをあけて外に出たら、僕を呼ぶ声が聞こえた。目を凝らしてよく見ると、知り合いの男性の日本人患者。仕事を変えて、隣接する東京都の某所のある大型スーパーの食材を作るところで深夜勤務しているとは聞いていたが・・・フィリピン人やペル―人を始め、外国人が多い、とくにフィリピン人女性が多いことに驚いたそうだ。そして、僕のことや僕のクリニックのことを知っているか訊ねたら、ほとんどの人が知っていたと嬉しそうに教えてくれた。今の日本、日本人でも深夜勤で働いている人はたくさんいるが、人口比で見たら外国人のほうがずっと多いのかもしれない。労働条件が厳しい中でも必死に働いている。日本社会もそれにこたえる社会であってほしい。
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2020年10月08日

令和2年10月8日木曜

隣のZ市からやってきたベトナム人女性69歳、受付までやってきてメモを見せたらしい。そのメモをスタッフが持ってきた。見ると日本語で「下腹部、腰が痛い。すごく痛くて熱い。精神病がある」と書いてあった。付き添ってきたのは息子さん、メモを書いたのは息子さんではないと言う。患者の「支援者」の誰かが書いたらしい。診察室では僕が症状について一つ質問すると、その明確な回答が返ってくるわけではなく、延々と自分の症状の話になっていき、要領を得ない。現在、なにか薬を内服していませんか?と問うと、こちらについても要領をえない。薬手帳を確認させてもらうと高血圧や高脂血症で某クリニック、緩和精神不安定剤を別の某クリニックで、いずれも長期に処方してもらっていた。排尿回数が多く、夜は寝られないぐらいと話すので、まずは検尿を行った。すると尿が混濁、亜硝酸塩が出ているので、これは膀胱炎がひどいための症状かと疑い。まずは抗生物質を処方して様子を見ることにした。この話をしているときにベッドサイドの壁に貼ってあるタイのお寺の写真などを見ていた患者が「これ、タイか?」と言い出した。そうですと答えると、「タイに住んでいた」と言い、「えーとスークムビットのソイの1の近くの・・・」と続けながら、なぜかタイ語で話し始めた。驚いてタイ語で応じると、顔がぱっと明るくなり、話を続けるのだが、やはり要領を得ない。タイ、とくに東北タイにはベトナム人が多く住んでいる。フランスとの独立戦争や南北ベトナム戦争のときに戦火を逃れてメコン川を上流に逃げて東北タイにたどり着いた人たちがいる。その子孫なのかと思ったがちがうとのこと、またこの年齢で日本に住んでいるベトナム人と言えば、インドシナ難民として日本に定住を希望して受け入れられた8000人がいるが、そのうちの一人でもないという。タイには日本人のご主人の仕事で5年住んでいたのだそうだ。彼女を診察していて、話を続けて、感じたことは大きな精神疾患があるというより、性格的なものが大きいのではないかということだ。この日の診療を振り返ると、今後の診療が大変だろうと予測してしまう。上記の二つのクリニックでも手を焼いたのだろう、抗生物質が効きますように祈りたい。
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2020年10月06日

令和2年10月6日火曜

帰国するパキスタン人男性47歳に同国人の男性が付き添ってきた。何度も見た顔だ。英文診断書の本人に関する記載事項をパスポートから転記し、PCR検査を終えて「ではあした」と言った直後に、私に近づいてきて微笑みながら「少し安くなる?」と日本語でささやいた。当然ながら「ならない」と答えた。こういう交渉に応じることはないが、一人に応じると後々、ややこしいことになる。「やっぱりね」と言い、それ以上は言葉がなかった。先月の初めに初診で近隣のS市からやってきたスリランカ人女性、家系に糖尿病の人がいて体がだるく怖いということで血液検査を行った。血糖値は異状ないが、中性脂肪が470、直後にフィリピン人スタッフから同国人のご主人に中性脂肪の数値を告げて早く来院するよう、話してもらったのだが・・・・一カ月以上すぎてからやってきた。しかもやってきたのはご主人だけ。食事療法について説明し、希望するので内服薬も処方、およそ2か月後に再検したいので水以外は飲食せずに朝来てくれるように頼んだ。フィリピン人男性53歳、痛風発作の既往あり。一昨日からまた痛くなってきたとのこと。お酒も飲み、コロナ騒ぎで運動せずに食べてばかりで体重増加、血圧もかなり上昇していた。まずコルヒチンを処方して念のために採血、高血圧等については処方は望まず。がんばって運動してやせると言うので、2か月間執行猶予とすることでフィリピン人の奥様の前で「指切りげんまん」をして診察室から出て行ってもらった。
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2020年10月05日

令和2年10月5日月曜

相変わらず海外へ帰国する人の波が止まらない。中には親族に不幸があり、一時帰国する人も。無事にたどり着けるように祈らずにはいられない。先週の中頃から毎日ベトナム人の新患がひとり・・・いったいどうしたっていうのだろう。3日の土曜日も診療開始早々に近隣のA市から同じベトナム人のご主人に付き添われた52歳の女性が来院。胃が痛い、げっぷが出ると訴える。ベッドで触診するとたしかに心窩部に痛みがある。まずは胃疾患を考え、できるだけ早く内視鏡検査が必要で、もしそれまで時間がかかるなら応急治療として内服薬を処方するということを伝えなければならない。クリニックに月一回土曜日に来てくれているベトナム人のスタッフに電話で通訳を依頼しようと携帯電話を手にしようとしたら・・患者が「○○さんに電話する」とたどたどしい日本語で言う。その○○さんこそ、僕が電話しようとしたクリニックのベトナム人スタッフだ。ちょっとびっくり。電話をして彼女と話したが、どうもこの患者のことは知らないようす。「お助け人」としてどこからか伝え聞いたのだろう。一通り、経過や内視鏡がいずれ必要ということを話してもらい、電話を患者に渡した。そして再度僕に代わると、ベトナム人スタッフが言うには「もしかして胃の内視鏡検査をするかと思い、朝から何も食べていない」とのこと。予定の内視鏡検査が2件あり、さらに通常診療に健診、海外に行くまたは帰る人達のためにPCR検査と英文診断書を書かねばならず、「余計なことはしたくない」いや「余計なことはできない」状態だったが、「緊急」ということで診療の合間に内視鏡検査を行うことにした。時間は不確定だが、それまで待ちますという返事をもらった。そして内視鏡検査を施行、胃角部に大きな胃潰瘍あり、併せて行ったピロリ菌検査も陽性。終了してから画像を見てもらいながら僕が大きな声で説明、それを携帯電話の向こうで聞いたベトナム人スタッフが同時に通訳してくれ、さらにピロリ菌の除菌療法のこと、その後のことなど話してくれて、患者とご主人はにこにこして帰って行った。やはりこういうケース、通訳または電話通訳がいてくれないと適切な医療が行えず、また患者側の不安も消えないと強く思った。
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2020年10月03日

令和2年10月3日土曜

4日と6日にカトマンズに特別便が飛ぶらしく、横浜市の川崎市寄りから家族3人、北隣のS市から夫婦お二人、帰国のためのPCR検査と英文診断書を求めてやってきた。手慣れているものの、3人、2人とまとめて検体採取とパスポートを見ながらの書類作成には時間がかかる。一昨日、やってきたアフリカの某国の方の書類を作成するにあたってはもはや驚きだった。彼らが持ってきた、たぶん大使館でもらってきた入国のためのガイドにはPCR検査のほかに新型コロナウィルスの抗体検査を行って結果を記載するようにと書いてあった。
たまたま、Ig MもIg G、両方のための検査キットを置いてあったからよかったものの・・・せっかくPCR検査と英文診断書の作成で税込み27430円と安く設定しておいたのに、両検体検査を含めてさらに1万円ぐらいかかってしまった。どうして抗体検査が必要なのか、聞いても無駄だろうが、ぜひ大使館に聞いてみたい。避妊のために上腕の皮下に「皮下埋め込み型インプラント」が入っている県内在住の20台の北欧女性がやってきた。この方からは数日前に電話で問い合わせがあり、自費診療になってしまうので費用についてもきっちりとお話ししたうえで予約を受けていた。彼女がやってきた直後、アフリカ某国の女性が予約なく、同様に皮下埋め込み型の避妊用インプラントを抜いてほしいとやってきて驚いた。友人でもなく、もちろん誘い合わせてきたわけでもないとのこと。都内でも埼玉寄りから来たとのことだったので、むげに断るわけにもいかず、費用についても話したが、それでよいと話すので、続けて小手術を行うこととした。北欧女性の抜去術は挿入されていたのが一本だったので、皮膚切開4ミリで施行、6-0シグマ針で2針縫合、約5分で終了、続いてアフリカ女性の手術は太めのものが扇形に2本挿入されていたので皮膚切開5ミリ程度、同じく6-0シグマ針で2針縫合した。こちらも約5分で終了。皮膚切開をできるだけ小さく済まそうと心がけているが、うまくいったと思う。アフリカ女性が話をしてくれた。彼女の国では女性が10台のころからこどもを産むので、人口調節のために無料で皮下埋め込み型の避妊用インプラントを病院で入れてくれるとのことだった。確かに人口調節には極めて有効な手段だろうが、アフリカではコンドームでさえ高価で使わないという国があると聞いている。そういう国では人口調節はできてもエイズの予防という観点からは困った結果になっているのではないかと想像した。この点を彼女に訊ねてみたら、国には信頼すべき統計というものがないのでわからない、たぶん国の厚労省に該当するようなところでもエイズの正確な患者数はわからないだろうということだった。
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2020年10月02日

令和2年10月2日金曜

ベトナム人男性23歳、腹痛、吐き気で来院、日本語がおぼつかない。年齢と日本語能力から僕のクリニックにたくさんやってくるインドシナ難民として定住を許可されたベトナム人ではなく、技能実習生や研修生として最近やってきたベトナム人と思ったが・・・言葉がうまく通じないので、35年前、難民事業本部が作成したベトナム語医療用語集という本をひっぱりだして来ての診察となった。腹痛は胃のあたり、吐きはしなかったという。便は下痢ではないとのこと。消化管疾患、それも胃腸炎に近いのではないかと推察し、まずは様子をみようと処方した。その直後、同じくベトナム人男性47歳、いつも拝見しているベトナム人老夫婦の息子さんが来院。彼のほうが数段、日本語力は上。同じように中腹部痛に嘔吐、同じように便の性状は下痢ではないと言う。急性虫垂炎を否定するために採血をしてみたが白血球数は正常、CRPも正常、やはりウィルス性の感染症かと思った。ベトナム人が多いある職場でウィルス性の胃腸炎が発生したのかと思い、彼に直前にベトナム人の若い男性がやってきたが、知り合いか?と尋ねたところ、「ああ、やっぱりベトナム人か、診たことない顔だよ」と言われた。こういうときが難しい。もしも、若者がベトナムからやってきた研修生や技能実習生なら現在のベトナム政府の許可のもとにやってきた人たちの一人であり、かたや、後からやってきたベトナム人男性は共産主義である現政権を嫌って国を捨てて難民となった人たちのひとりだ。通訳を頼むなど二人を引き合わせると二人がどのように反応するかわからないし、とくに若者が帰国した後に政権からとがめられるようなことになってもいけないし。いや、日本にいる間も仲間からどのように言われるかもしれないし。そう、考えて、まだ院内にいるかもしれない若者にもう少し説明をするために彼を引き合わせるのはやめた。
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2020年10月01日

令和2年10月1日木曜

月末なのに、なぜか外国人患者が少なかった29日、ネパール人女性23歳、10月2日の臨時便で帰国するからとPCR検査と英文診断書を求めて来院。若さも一因かもしれないが、どうしてこんなに上手なの?というぐらい日常会話は上手。カトマンズから「山のほうに向かって6時間」の距離の故郷に帰るそうだが・・・聞いているだけで文化やインフラのギャップが目に見えるようだ。ガーナに帰国するという男性、あわててやってきてパスポートを忘れてきたそうだ。実は予約もなく、「飛び込み」でやってきた。予約なしだから受けないということはないが、準備の都合もあり、できれば予約してから来てほしい・・と本人に話しても、こういうことは二度とないだろうから全く意味がない。ところで・・・僕のクリニックで診断した新型コロナの感染者は7人、うち日本人は2人だけ。感染を疑いPCR検査を行う時点で保健福祉事務所には報告書をファックスで提出する。報告書の病名は「疑似症」を○で囲んでおく。PCR検査の結果が判明して陽性であると、その時点で僕自身が患者指定の連絡先、主に携帯電話に電話して陽性であることを告げ、保健福祉事務所から連絡が入るまで、本人も家族も自宅で待機するように話す。そして保健福祉事務所に電話、先に疑似症として報告書を提出した○○さんは陽性でしたと話す。それを受けて保健福祉事務所が報告書に記載されている携帯電話に連絡、本人は入院となるのか、自宅待機となるのか、家族は濃厚接触者と認定され、行政検査としてPCR検査を受けることになるのか、濃厚接触とならないのか、仕事場や学校に行ってもいいのか、だめなのかを告げることになる。このような指導が外国人の陽性者や家族に対して適切に行われているか、はなはだ疑問だ。僕のクリニックのケースではお子さんは濃厚接触だからだめと話されたというのに、通学してしまっていた。ここでも通訳の問題が大きくなりそうだ。このあたり、厚労省はどう考えているのだろうか。たしか、新型コロナに限定した電話通訳を設置したと聞いたことがあるようなないような・・・
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2020年09月29日

令和2年9月29日火曜

ラオス人男性56歳、4月3日に一カ月分、睡眠導入剤と降圧剤を処方して以来の受診。あまりに時間が経過しているので、なにか別件での受診かと思ったが、にこにこしながらの最初の一言が「血圧の薬、もうなくなっちゃった」であった。タイ語なので翻訳するとこんなニュアンスか? 血圧を測定すると150/100、この「にこにこ」には勝てず、診察後、また一カ月分を処方、」寝る薬も欲しいか?と尋ねると、ぜひ欲しいとのことでこちらも一か月分処方した。ナイジェリア人男性50歳、特定健診の結果を説明、心電図でWPW症候群と診断、循環器の専門病院に紹介状を書いた。英語がわかる先生にあたるよう祈るばかり。ネパール人女性34歳、一週間ほど前に皮下埋め込み型の避妊用チューブを摘出してほしいと県内40分ほど離れた市から電話があった。これは「病気」というわけではないので自費診療にせざるを得ない。僕のクリニックの自費診療は保険点数10割だが、それでも1万7千円前後になってしまう。それでもいいから・・・ということでもしかしたらキャンセルもありえるかと思っていたら時間通りに女性とパートナーらしい男性が現れた。確認すると左の上腕の内側に、本人が言うには2本挿入されているとのこと、体格が良すぎて、外から触診しても、あることはわかるが本数まではわからない。中枢側から押すことができれば合成樹脂の性質で少し曲がるように張り、摘出しやすいのだが、「体格が良すぎて」中枢側の端が触診で確認できない。いやな予感。患者が「ものすごく」待っている、としてもあわてた手術は禁物だからだ。末端側を確認、その直上付近に印をつけ局所麻酔、7ミリほどメスで切開、小ペアンで皮下脂肪をかき分けながら探ると、まずは一本を確認できたので抜去、さらに探ると本人が言うようにたしかにもう一本も確認できたので、捕まえて抜去。6シグマ針で2針縫って終わり。小さな傷なので後での疼痛もひどくはないだろうと判断、本人に話して鎮痛剤、抗生剤は処方しなかった。自費診療で処方したら、さらに経済的負担が重くなるだろうと思ったので。出血もなかったので次回は一週間後に抜糸の時とした。
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2020年09月28日

令和2年9月28日月曜

菅新内閣では河野太郎氏が行政改革大臣に就任、さっそく縦割り行政の弊害に挑んでいるが・・・全国規模ではなくても、狭い地域で取り上げても、行政にとって何が一番大事といえば、その判断基準は市民のためになるかどうかではないだろうか。僕が大和市医師会長に就任したのが9年前。それから近隣の医師会長に各市の健康事業の相互乗り入れを提案、実現のために奔走してきた。最初に相互乗り入れの必要性を感じたのは外国人の人たちを診療していてのことである。通常の診察には僕のクリニックにやってきても、特定健診や予防接種は当該市との契約がないことから僕のクリニックで受けることができず、言葉が通じない、通ったことがない当該市内の医療機関で不安を抱えて受けるしか方法がなかった。予防接種は日ごろから診ている かかりつけ医で行うのが理想だ。患者のアレルギーなどの情報も知っているからだ。特定健診等については日本語が得意ではない人は問診を埋めることさえできない。そこで会長に就任早々から相互乗り入れを提案したのだが、外国人医療を持ち出すと、僕自身のクリニックの経営のためと思われかねないとの心配はしていた。その後、気がついたのはとくに予防接種の相互乗り入れはお子さんがいつも受診している市外のかかりつけ医で行うことができ、さらに仕事場が市外にある場合、仕事場の近くでも受けられるなど、母親、とくに働く母親にとっても極めて大切なことであるということだ。今や、日本は少子高齢化で労働人口は減るばかり、女性のさらなる社会参加は社会の要請でもあり、それを可能にする一助であるといえばわかりやすい。僕のクリニックでは大和市と接している綾瀬市民は同市の定期予防接種、インフルエンザ予防接種、国保特定健診、長寿健診を受けることができる。座間市民は定期予防接種、乳幼児の8カ月児検診、1歳6カ月児検診を受けることができる。また10月1日から海老名市民は子宮頸がんワクチンを除く定期予防接種を受けることができる。ここまで来るのに9年の月日が流れた。しかし、どうして市によってこのように対応が異なるのか、これも不思議だが・・・市役所の言い分は公式には言わないまでも、市民の税金で行うものは市内の医療機関にお金を落としたいという理由が一番だということだ。非公式には何度も耳にした。こういう発想は実にお役人らしい。ゆえに相互乗り入れは市民の利便性を第一に考えた結果ではなく、市内の医療機関で行えないきれない事業についてだけは市外の医療機関にお願いするというスタンスなのだ。かかりつけ医が市外にいようと言葉の通じる医療機関が市内にあろうとなかろうと、そういうことなのである。医師会長となって5期目、通算10年の任期を来年の5月に迎えることになる。医師会のトップダウンの体質をフルに活用してがんばって行政の壁に穴をあけてきたと珍しく僕自身で自分を評価したい。県内でも、いやたぶん、日本国内でもまれにみるこの県央地域4市の相互乗り入れ、そのばらばらな内容を任期が切れる前にもう少し前進させたい。各市の担当部署にとっては相互乗り入れは同市の事業の説明、支払いの問題などややこしく煩雑になることは十分に理解している。それでも市民のためにがんばってほしい。いつか、僕が医師として引退する前に日本全国、同一予防接種が同一問診票で行われる、そういう姿を見てみたい。
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