国籍別にはフィリピン人6人、韓国人、米国人、ベトナム人各1人。
米国人男性37歳、基地関係者で日本の公的保険がなく、自費診療。内痔核で長くあり、手術の適応か否かの診断を求められた。最近もずっと症状があるというので、直腸肛門診と肛門鏡での診察を行った。程度的にはそんなにひどくなく、絶対的な手術適応はないと説明し、クリームを処方した。
フィリピン人女性45歳、心窩部の痛みがあり、心配とやってきたのが前日。翌日午後から大型連休が始まり、内視鏡検査もずっと後になる可能性があるので、無理やり翌日午前に検査を追加で入れた。胃がん検診の受診票を当日持参したので驚いた。症状があるので急いで検査を行おうと考えたのだが、こういうケース、順序よく胃がん検診での内視鏡検査を予約し、待っていてくださる方々から見ると、おかしなことと思われるだろう。有症状なら胃がん検診で行うのはおかしい、その通りなのだ。お金のこともあり、説明はしたものの、胃がん検診の受診票を使って行った。かなりの前庭部のびらん性出血があった。心配事があったのかと訊ねると、そうだとの返事。少なくとも大きな問題ではないと話した。
このところ、トランプ大統領の米国ファーストという考えと発言で世界が混乱しているが、歴史的に見ても世界的に景気が落ちこむこういう狂気の時代には必ず外国人排斥運動がおこる。ヒットラーのドイツもそうだった。今の日本、ユーチューブを見ても国粋主義に走るのは一部のアジテーターだけでなく、与党だけでなく、野党の政治家の中にもいるようだ。彼らの発言には外国人を過度に貶める見苦しい内容が多くはないか?ただし、中には現在の日本の外国人に対する制度の欠陥を突くものもあり、経済的に苦しむ一般大衆の共感は得やすい。このような国粋主義的な感情はいったん火が付くと留まるところを知らない。そして医療の分野については彼らが話している内容が明らかにまちがっている。こういう時でも自分が外国人医療にまい進してきた確固たる信念は変えてはいけないと思う。ただ・・・一方で外国人による迷惑行為も目に余るばかりだ。2日の夜にJAL707便でバンコクに飛んだが、機内で通路を挟んだ向こうに上半身に入れ墨のある東アジア人と思われる男性が大きな音でビデオを見、音楽を聴き、CAが再三、英語で注意しても聞き入れず、とうとうタイ人CAがipadに中国語で警告を書き込んで見せて、ようやくふてくされるように静かになった。
GHQが基本を作った戦後日本の政治体制や制度は大きく揺らいでいる。当時では想像できないような事象が起きているのだから、当たり前といえば当たり前かもしれない。いつまでも80年前の制度が通じる世界ではないだろう。わが国の外国人への制度も一分野の枝葉の検討ではなく、木全体、幹から検討しなおすことが必要だろう。
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