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2024年10月29日

2024年10月29日火曜

 雨が降って、患者数は少なかった28日月曜日。慢性疾患である高血圧にて通院中の患者が「いい加減」な内服の仕方で具合が悪くなってやってきた。
 タイ人女性65歳、彼女は日本語能力が低いと言うより、タイ語で話しても理解力が低い。めまいと頭痛がすると来院。血圧を測定すると170/100。高血圧の治療で最後に訪れたのが8月末で、その時に一か月分しか処方していないので、とうに内服し終えているはず。訊ねてみると、この2週間は降圧剤を内服していないとの返事。無駄か・・・と思いながらも、毎日定期的に内服しないとこうなるよと説明して処方した。
 67歳、フィリピン人女性。同じく高血圧にて通院中なのに、しばらく来なかった。土曜日に血圧が上昇し、薬も飲み終わっていて、救急車で市内の病院に運ばれ、点滴だけ受けたとのこと。聞いてがっかりした。呼ばなくてもよい救急車を呼び、地域の救急医療を混乱させてしまった。本来、説明通りに降圧剤を内服していれば、こんなことにはならなかったのに・・・高血圧にて初診の場合、降圧剤の内服の仕方や通院の意義、とくに薬を続けることの意義や、食事療法などについて必ず、話をしている。そして、どうしても降圧剤を辞めたいなら塩分控えめの食事にして、運動療法などで体重を減らすように癤類しているのに、こういうことがおこる。しかも・・・すでにかなりの体重超過であるため、運動療法ができない。膝に痛みを抱えているからだ。運動をすれば、さらに膝の痛みが増し、車椅子生活になりかねない。でも食事療法はできないと言う。するとできない尽くしとなり、介護への道を一直線ということになる。いつも、怒っているわけではないよ、あなたの体を心配しているからうるさく話すのだと伝えてはいるが、ちゃんと理解してくれているのかどうか・・・
 フィリピン人女性38歳、彼女も同様。降圧剤を飲み終えてすでに二週間、血圧は160/110、伝えると怖がるのだが、怖がるような状況を作っているのは彼女自身だ。しかも、このところ、見るからに体重が増加している。訊ねると4kg増えたと自己申告。BMIは28を超えてしまった。
 残念なことに故国のあまり裕福ではない人たちは、ある意味、その日をどのように生きるか、戦っている。遠い将来まで見つけて。体をケアするという発想が極めて乏しいとしか言いようがない。慢性疾患については、とくに薬をやめてしまったら、どういうことがおこるのかをしっかりと説明、通院の意義を理解してもらうしか方法がない。
posted by AMDA IMIC at 09:07 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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