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2024年09月20日

2024年9月20日金曜

 モンゴル人男性、市内で実習生として働いているそうだが、実習先の会社の方が付き添って来た。英語は理解できず、日本語も仕事に関することや日常会話はなんとかこなすのだが、医学的な用語は理解できないようすだった。訴えは頭痛と腹痛。頭痛はこの1か月ぐらい前からで、とくに夜寝る頃になると強くなるという。こめかみを抑えて「トゥトゥトゥ」としぐさをするので、血管拍動性に近いということなのだろう。そのときに吐き気があるとも話していた。このような痛みに腹痛といえば、片頭痛か?と疑うのだが、腹痛は一か月前はあったが、今はないとのこと。指さすところは心窩部。ここで脳神経内科専門医の院長にバトンタッチ。近くの公立病院にMRIを依頼したようだった。会社の人が言うには、病院に行こうと話したら、僕のクリニック以外は行かないと話したそうだ。新型コロナの頃からモンゴル人の若い男女を拝見してきたのを思い出した。きっと同じところの実習生だったのだろう。
 ペルー人男性33歳、恋人のフィリピン人が付き添って来た。今回は発熱、咳と痰。発症後丸一日を経過しているのだが、新型コロナ簡易抗原検査は陰性、朝一番にインフルエンザ陽性の患者がいたので、インフルエンザも検査したが、陰性だった。診察室で診察しながら、カルテを見ると、4月にピロリ菌陽性で除菌療法を行ったのに以後、来院せず。また、同時期に会社の検診で肝機能が悪いと指摘されて、こちらで再検。A型肝炎抗体が陽性だった。
s-GPTが100近かったのでウルソ、グリチロンを処方したのにそれっきりになっている。
フィリピン人の彼女にフィリピン人スタッフを通じて話した。彼の病気をしっかり治さないとあなたが苦労するよと。見守り役を頼んだ。今回の症状がおさまったら、呼気テストと採血を行うことを本人に約束してもらった。
 カンボジア人男性86歳、発熱で10日ほど前に来院。新型コロナもインフルエンザも陰性。まだ痰があるとやって来た。前回は院長が診察。今回は僕を見つけて近寄って来たので握手した。彼の奥さんは潮州語を話す中国系カンボジア人で持病があり、難民として来日後、長年、僕が拝見してきた。たしか、彼はその後、呼び寄せ事業で来日したはず。当時の難民や難民関係の呼び寄せ事業に際しては、母国カンボジアの戸籍がポルポト政権の原始共産制によりすべて消失していた。したがって生年月日や誕生日が確認できない人が多く、本人の申告を鵜呑みにせざるをえないケースが多かった。中には日本に受け入れられるために年齢を詐称した人もいる。彼もたぶん、年齢が実年齢と乖離しているような気が当初からしていた。しかし、来日後に正確な実年齢に変更することはできず、入国時の申告通りにすべての書類が進んでいく。今、彼は書類上は86歳。実際は僕と同じ75歳前後だろう、どう見ても80代には見えない。一番、困っているのは彼自身かもしれない。
 フィリピン人男性57歳、北隣S市内の某病院に通院中で、この病院が9月いっぱいで外来診療をやめるということで、主治医からの手紙を持参していた。びっくりした。
posted by AMDA IMIC at 09:50 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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