タイ人女性56歳、夜の仕事なので、朝の9時に来てくれるか心配だったが、約束通りの時間に来てくれた。なんだか、それだけで感謝したくなってしまう。当たり前のことなのに。
フィリピン人女性54歳、院長の高血圧の診察が終わって、待合室に行ってから忘れたことがあると・・・長年、胆石を持っているのだが、最近になってときどき右の季肋部に痛みがあるので、手術を受けたい、近くの公立病院に紹介状を書いてほしいとのことだった。こういうことは診察時に忘れずに話してほしい。奥の診察室で話を聞いて、受付の電子カルテで紹介状を書き上げた。
午後から小児科でBCGを受けた一歳児、両親の顔つきからどこの国かな?と思い、訊ねてみた。南西アジアにしては肌が白く、顔つきがどことなく、西欧風。すると・・・両親ともにアフガニスタンとのことだった。たしかアフガニスタンは多民族国家のはず、部族について訊ねると、パシュトンとのことだった。たしか、アフガニスタンの北部がパシュトンの本拠地で、タリバンと対峙していた勢力のはずだ。彼らが帰国したら、おそらく投獄されるだろう。4歳のおじょうちゃんも連れていたので、タリバンが女子の教育を許さないので心配だねと話すと、だから国に帰れない、娘の教育と安全が一番だと語っていた。心が痛くなる。自分では如何ともしがたい運命にあやつられる人を久しぶりに見た。
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