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2024年08月31日

2024年8月31日土曜

 30日金曜日、嵐のような雨の中、そこそこの患者数。皆さん、「こんな雨だから、待ち時間が少ないと思って来た」とおっしゃる。返す言葉が見つからない。
 米国人男性39歳、2週間前頃から咳や痰があるとのこと、発熱はなし。一週間前にお子さんが受診する家の近くの小児科で診てもらっていて、咳止めや去痰剤が処方されていた。内服しても症状が続くなら内科を受診するように言われたとのことだった。診察の結果は喘息。処方を行った。
 フィリピン人女性61歳、高血圧あり。動悸がする、胸が痛いとのことで近くの循環器の総合病院に紹介状を書いたのだが・・・日本人のご主人が10年ぶりぐらいか、付いて来た。同病院で精査を行い、とくに虚血性心疾患の疑いはないとのこと。このところ、血圧が下がってきていたので、降圧剤を少し弱い組み合わせにした。そのことはフィリピン人スタッフ立ち合いの元に通訳してもらいながら、進めたのだが・・・以前から本人の思い込みが強く、こうと思うと理解ができなくなってしまうのだ。本人の希望があり、降圧剤を元に戻した。
 今月初めに受診した若いベトナム人女性について、横浜の某区役所から生活保護の受診券が送られてきた。事務に連絡があり、話があったという。これっておかしいだろう。
なぜ、おかしいかというと二点。彼女は訳アリということで、彼女に関係している団体がベトナム人の通訳を依頼して、その通訳とやってきた人だ。通訳が言うには、彼女に関しては一切しゃべるな、団体についてもしゃべるなと言われて来たのだと話していた。ただ、パスポートがなく、ベトナム大使館に再発行をお願いしていて、再発行されたらすぐに帰国するのだとは話していた。そして彼女自身は全く日本語が話せず、実習生や研修生ではないことは明らかだ。このように事実を総合すると、一番目におかしいのは外国人に対する現状の生活保護加入の法的取り扱いの中で、彼女が生活保護に加入できたという点だ。しかもすぐに帰国するのにだ。外国人を支援する人たちの中には医療費の未納などがあるが、「無理やり」生活保護を取得してお金をひっぱってこようという人たちがいるのは事実だ。病院に勤務するソーシャルワーカーの中にも、勤務する医療機関が外国人の未納金を抱えそうになると、生活保護取得を画策して行政と交渉する人たちがいる。生活保護となれば、顔が見えるだれの財布も痛くなく、お金が降りて来てやれやれよかったと思うかもしれないが、それはまちがった考え方だ。日本人や資格のある外国人が税金として支払った中から出ていくことを忘れてはならない。
二番目におかしいことはこの患者については「自費診療でいいです」という条件で診療を
引き受けたということだ。僕のクリニックの自費診療は保険診療の10割だから、結果的にはいただく医療費は同じだが、これが自費診療が保険診療の15割とか20割の医療機関であれば、医療機関としての収入は保険点数の5割減、または10割減となってしまう。たとえば、「後で保険診療に変えてもいいですか?」という一言があったのなら理解はできるが、それがないのに、突然、生活保護でやれというのは横暴に近いと思う。先にも書いたが、僕のクリニックでは結果的にどちらでも金額の損得はないし、彼女の場合、たった一回の初診料だけなのだが、一言、この某区役所の担当に話して筋は通しておきたい。
posted by AMDA IMIC at 12:42 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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