まずは60歳の女性、たぶん40代の初めから高血圧等で当クリニックに通院しているが、それもいい加減。彼女に関しては英語が通じない、タガログ語で話してもらっても内容が理解できない、こちらが話していても、話をさえぎって自分の話をしたがったり、フィリピン人スタッフに話しかけたりで聞こうとする姿勢が見られないこと。日本人のご主人とお子さん二人はとっくに愛想をつかして出て行ってしまっている。身の上についてはかわいそうにと思わないことはないのだが、自業自得とも思えてしまう。
二か月前に血圧が下がり気味というので、測定すると、たしかに110を切るような血圧だった。当時、処方していたのはイルベサルタン100mgとアムロジピン5mgの合剤一種類だけ。この二つの薬についてはアレルギーもないし、安全性についても問題ないと判断したが、合剤としてはイルベサルタン100mgアムロジピン10mgとイルベサルタン100mgアムロジピン5mgの組み合わせしかない。そこでイルベサルタン100mgとアムロジピン2.5mgを別々に処方、どうして降圧剤が二種類になったのかもフィリピン人スタッフ同席で説明しておいた。
そして先週の木曜日、血圧が上昇して160近くの時もあるので、元の薬に戻してほしいとやってきた。その前の週にイルベサルタン100mgとアムロジピン2.5mgを処方したばかりなので、イルベサルタン100mgアムロジピン5mgを処方すると保険で査定されてしまうし、第一、医療費の無駄につながる。そこで次回の処方まではこの二つに加えて、アムロジピン2.5mgを一日一錠追加するので内服してほしいとフィリピン人スタッフの口も借りながら説明した。なのに、昨日、まだ血圧が下がらないとやってきた。処方してまだ数日なので、十分効果が出ないのかとも思ったが、いやな予感がして、「今、内服している薬は持っているか?」と訊ねた。ありますと言ってバッグから取り出した薬はアムロジピン2.5mgの山だった。そのアムロジピンはどのように内服しているのか?と訊ねると、毎日一錠、内服しているという。なぜ、イルベサルタンは内服していないのか?と訊ねると、そんな薬はもらっていないと言い張る。しかし、電子カルテには処方の履歴があり、調剤薬局に問い合わせても渡したとのこと。本人が紛失したか、そんなところなのだろう。
アムロジピン2.5mg1錠でそれぐらいの血圧なら、2錠内服すればイルベサルタンは不要かもしれないと判断し、明日からアムロジピン2.5mgを2錠内服するようにと指示した。
待合室に出てもらい、次の患者の診察を終えたころ、受付から、「さっきのフィリピン人の〇〇さんが、今日は何も薬をもらっていないのにお金を取るのか?」と受付でごねていたと聞いて、疲れが倍増した。
そして夕方、本人からフィリピン人スタッフに電話があり、屑籠の中からイルベサルタンが出てきたので、飲んでもいいか?と訊ねているとのことだった。ここでイルベサルタンを内服されるとますますややこしいことになると思い、飲まないように伝えてもらった。
今回は合剤の説明にあたっては白い紙に構成するイルベサルタン100mg、アムロジピン5mgと分けて書いて、説明しながら目の前でハサミで切って合剤をやめたところを再現し、さらにアムロジピン5mgと書いた紙のほうを半分に切って2.5mg、2.5mgという紙片を作って説明したが・・・僕がそういう説明をしているのに見ていないし、勝手にフィリピン人スタッフに話しかけて、別の話を始めようとする。久しぶりに大きな超えを出してしまった。決して怒っているわけではなく、指示に従ってほしいのだ。外国人とくに発展途上国からやってきた人の中にはたまにこんな人がいる。書き疲れたので、もう一人の話はパス。
【(カテゴリーなし)の最新記事】