このようなケースは過去にも多数あって、調べると本国に帰国してしまったとか、転居して連絡がつかないとか、明らかな悪意を感じる。さらにやばいのは国保に加入していた時だ。
国保を発行したはずの市町村の担当窓口に電話して、本人が現在、国保に加入しているかどうかを確認しようとしても、市町村の側がプライバシーの侵害になるからと教えてくれないのだ。こちらが医療機関であることを名乗っても、電話をした理由を詳しく説明しても絶対に応じてくれない。これっておかしくありませんか?と常に僕は思っている。医療機関は殴られっぱなしで、防御する手段を何一つ与えられないし、むしろ、知ろうとすると拒否され、結果として不利益を被っているからだ。
日本人のいびつな公平感、教わった事だけに頑なにこだわる姿勢は僕からみたら滑稽に映る。この点についてぜひ、市町村の担当者と時間無制限で話し合いをしてみたい、公開討論会でもいい。
このケースは患者であるフィリピン人が、それなら新たな保険証ができてからでいいと言い残して帰ったことで決着がついた。読んでくださっている皆さんはどのように僕の考えを受け止めてくださるだろうか。
これって常々思っていることだが、日本人の国連感にも表れている。国連の内情は各国の利害関係でがんじがらめ、戦後設立されて80年近く経過しているというのに、いまだに第二次大戦戦勝国で現在の常任理事国には安全保障会議での拒否権が認められていて、世界各地の紛争への有効な対応はほとんどできない状態だ。各国は自分の国の利益のために国連にたくさんの職員を送り込み、プロパガンダに専念している。なのに、日本人は国連至上主義を信奉し、国連は日本政府、日本という国の上の組織であって、公明正大に世界のために尽くしている機関と考えているからだ。
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