ペルー人男性61歳、大和市前立腺がん検診でPSA高値。マニュアルに従って専門医を受診するように説明して必要書類をしたためた。
ネパール人男性46歳、いつもの高血圧の診察。
スリランカ人女性32歳、発熱と咽頭痛で来院。聞けば妊娠3か月だという。まだ胎盤の形成が完全ではなく、胎児に与える影響から薬剤が使いにくい時期だ。新型コロナ簡易抗原キットで検査したところ、陽性。以前に咳どめや去痰剤程度なら内服しても影響ないよとアドバイスしてもらった記憶があるが、本人は解熱剤のロキソプロフェンが欲しいとのこと。院長が説得してくれて発熱時は冷やすなど、処方は一切行わなかった。
インドネシア人男性33歳、手に湿疹ができているという。見ると、たしかに楕円形の触ると少しざらざらした病変があった。乾癬の初期なのかとも疑ったが、とりあえず湿疹用の外用薬を処方し、2週間後診せてもらって必要に応じて皮膚科を紹介するということになった。
中国人男性64歳、脂質異常症で長く通院中。診察のあと、しばし歓談。
アメリカ人男性46歳、日本の公的保険には加入していない。在留資格を訊ねると、短期滞在で来日し、2か月後に日本でこのまま生活するのか。米軍関係の仕事で他国に行くことになるのかわからないとのことだった。要するに90日未満の短期滞在ゆえに住民基本台帳に登録することができず、したがって日本の公的保険には加入できないということだ。米国で医師からもらっていたという薬を見せてくれたが、レボチロキシンだった。甲状腺機能低下を健診で指摘され、内服中で、続けて内服したいという希望だった。機能低下の原因についてなにか話を聞いているか?と問うと、聞いていないという返事、触診でやや甲状腺が主張していて、慢性甲状腺炎と推察した。2か月分を処方し、次回は甲状腺関係のホルモンを採血してチェックするということで理解してもらった。帰りに彼の民間保険会社に向けて、支払い調書を作成した。
フィリピン人男性74歳、米軍基地内に住む娘さんが付き添って来た。体調が悪い、めまいがするようだ、ふらつく、胃液が逆流するという。フィリピンではプロトンポンプを内服していたが、日本では発売されていない薬だった。院長が神経内科の専門医として診察しても、とくに疾患があるようなようすはないとのこと。さらに逆流性食道炎については気が向いた時だけ内服しているというので、逆流性食道炎がなぜ発生するのかを説明し、毎日就寝前に内服するようにと話した。そのあとも娘さんからいろいろと話があった。のどを食事が通りにくいなど・・・歯は全部抜歯されていて、では入れ歯なのかと訊ねると、歯槽が炎症をおこしていて入れ歯を作ることさえできないのだとわかった。こうなると硬いものを食べることができず、しだいに栄養不良となる。これらについても説明した。フィリピンの今の高齢者には若い時から総入れ歯という人が少なくない。それは歯が悪いと経済的観点からすぐに抜歯してしまうからだ。一本抜歯すると隣の歯がぐらぐらするようになり、次々と抜歯することになる。日本の歯科医はなかなか抜歯しないと東南アジアからの人たちには評判がよろしくない。少しだけ治療してまた来させようとしていると話すのを何度か、聞いたことがあるが、これでは必死にむし歯を抜かずに治療しようと奮闘している日本の歯科医が気の毒になる。
【(カテゴリーなし)の最新記事】