• もっと見る

2024年07月25日

2024年7月25日木曜

 フィリピン人男性40歳、なんだか体がだるいと来院したのが先週、以前に尿酸値が高かったことがある。血液検査の結果を聞きにやってきたが・・・40歳なのにも血糖値、γ-GTPの上昇、尿酸値の上昇、中性脂肪の上昇とまるで生活習慣病のオンパレード。今後の治療をしっかりとやらねば、さらに医療費が高くなることになる。
 フィリピン人女性38歳、朝から頻尿で血尿が出ているとやってきた。目でみても真っ赤、検尿の結果も踏まえて膀胱炎と診断。抗生剤を処方して、水分の補給と尿意を催した時、がまんしないようにと話して帰りかけたが・・・別件があり、勤務先で行った健康診断の結果を見せてくれた。すると・・・糖尿病である。体格からも疑わしいし、父親が糖尿病とのことだった。糖尿病を診ている小児科にまわってもらったところ、看護師から連絡があった。過去に糖尿病で通院していたことがあるが、勝手に来なくなってしまい、今、訊ねたら、どこの医療機関にも通院していなかったとのことだった。かなり厳しく今後の治療について話したようだった。
 フィリピン人男性57歳、今回、非常にやせてきて、採血で甲状腺機能亢進症と判明した方。同時に貧血もあり、念のために上部消化管内視鏡検査を行ったが・・・貧血をひきおこすような疾患は幸い、何もなかった。チアマゾール5mgを一日6錠から開始して、血中の甲状腺関係のホルモンをチェックしながら暫時、減量していくつもり。最終的には一日一回5mgでコントロールが目標。
 そうそう、外国人観光客等短期滞在者を対象としたいろいろな試みが開始されているし、6年ぐらい前にも厚労省にも委員会があり、僕もメンバーだった。その場で在住外国人の医療についても発言すると、委員会の目的や趣旨と異なるとある意味、それ以上の討論ができなかった。在住外国人についてはではどこで・・?と訊ねると、それはまた別のところで・・・というような返事だったが、いまだに在住外国人に関する医療を議論する委員会もないし、プロジェクトも助成金も補助金も何もない。短期滞在者の医療について議論して改善を図れば、それはすなわち在住外国人の医療の改善のためにもなると頭の片隅、いや中央において委員会などで発言してきたが・・・人口の約3%を超える外国人が住むようになった日本、もはや外国人はごくごく少数派の珍しい人たちではない。人数が増えれば、複雑な事態が発生し、ヘイトが湧きおこる。外国人も我が国のルールを理解し、守ってもらわねば、共生に差加勢した人からでさえ、ヘイトの声が聞こえてきかねない。そのためにも在住外国人の医療について考えて指針をまとめて行かねばならない時期になっていると僕は思う。
posted by AMDA IMIC at 09:11 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック