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2024年05月25日

2024年5月25日土曜

きょう、クリニックにやってくるとき、朝のテレビニュースを車の中で見た。その中に「政府が外国人の保険加入の実態を調査する」という見出しがあった。昨日もブログに書いたように日本の公的保険に加入する資格のある外国人は日本人同様に加入するのが義務である。ところが、罰則がない義務であるので加入しなくても現行、とがめられるということはない。ただし、無保険の患者を受け入れた医療機関の側は医療費未納の憂き目を見ることがある。これは医療機関の側から見れば、やはりおかしなことと言わざるを得ない。
日本の公的保険に入っていない外国人は大きく三つのグループに分けられる。一つ目は合法的に日本に滞在していても加入資格がないから加入できない人だ。3か月未満しか、合法的に日本に滞在できない外国人は住民基本台帳に掲載されない。ゆえに住民とは認められず、国保に加入ができないというわけだ。また、就労も認められないので社保に加入できるということもない。
日本に3か月以上滞在する在留資格を持っていても、医療滞在ビザの人は例外的に加入できない。医療滞在ビザの人は来日するときに、医療費を自費で支払うことを前提に母国の日本大使館でビザの交付を受けているからだ。過去に医療滞在ビザで来日した外国人を3か月以上、日本に在留できるという点から誤解し、住民基本台帳に掲載してしまい、国保に加入を許し、結果として自費で医療を受けるのではなく、国保で医療を受けることを許し、本人は帰国、後で気がついて医療費の返還を求めたが、なしのつぶてという例が全国で数例あった。関係している末端のお役人まで医療滞在ビザについて十分に理解をしておかないとなんとも間抜けな結果になる。日本国民のお金が無駄に見知らぬ外国人の医療費として使われたのだから。
さらに大使館勤務とか米軍基地に勤務する米軍関係者は何年、日本に住んでいても日本の公的保険に加入することはできない。それは外交特権などと日本の法律が及ばない存在がゆえに、住民基本台帳に記載されないからだ。要するに日本の住民ではないのである。
二つ目のグループは日本の公的保険に加入する資格がありながら、法を無視して自らの意思で加入を拒否している人たちである。典型的な例は日本に働きに来たので、無駄なお金は払わずに母国の家族に少しでもたくさんのお金を送りたいと考えている人たちだ。アジアや南米からの出稼ぎ労働者に圧倒的に多い。労働者ということは年齢的に就労できる年代の人が多く、自らは健康と自負している人たちが多い。ただし、給与があまり多いとは言えない中、ひとたび、健康を損ねると保険診療を受けたいと願う。それでも保険未加入の期間があまりにも長いと、保険診療の前提となる未加入分の掛け金の支払いができないということになる。こういう人たちは医療機関で未納金を積み上げる可能性が高い。
欧米など発展途上国ではないところからやってきた外国人にも自らの意思で日本の公的保険に加入しない人たちがいる。加入しない理由は母国で民間保険会社の保険に加入し、毎年、掛け金を支払っているからだ。彼らが医療機関で未納金を積み上げる可能性は低いが、落とし穴がひとつある。それは彼らが支払う掛け金により、保険でカバーできる費用に上限があることだ。ここが高額医療費助成制度がある日本の公的保険とは決定的に異なる。
 三番目のグループは日本の公的保険に加入できる資格がないにもかかわらず、長期に日本に滞在している人たちだ。密入国やいわゆる不法滞在の人たちだ。
以上のように考えて行けば、医療機関における医療費の未納を防ぐためにはどうしたらよいのかがおよそ見えてくる。政府には今回の調査を単なる調査に終わらせては欲しくはない。
 なお、日本の公的保険に加入していない人たちが「苦し紛れ」に他人の公的保険を使おうとするケースがある。もちろん違法行為だ。これを防ぐにはどのようにしたらよいのか、覚えておく必要がある。公的保険には写真がないので本人かどうかがわからない。おまけに外国人の場合、希望すれば住民基本台帳には通称名と本名と両方で掲載してもらうことができ、希望すればその通称名で公的保険の保険証を作成することができる。
このような場合、パスポートや在留カードで写真を確認しようとしてもできない。理由はパスポートや在留カードは本名でしか発行されないからだ。唯一確認できる写真付き証明書はマイナンバーカードである。マイナンバーカードが通称名で発行されていても、表の空欄に本名も併記されるからだ。
最近は在留カードについては法務省入国管理局作成の在留カードアプリを携帯にダウンロードしておいて使用すれば一分もかからずに本物か偽造かを知ることができる。残念なことに本人確認で現在は一番確実であるはずのマイナンバーカードについても偽造が確認されている。マイナンバーカードの監督官庁には在留カードアプリのような真偽をはっきりできるようなアプリを早く開発して欲しい。
posted by AMDA IMIC at 10:52 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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