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2024年05月17日

2024年5月17日金曜

 小児科を受診する外国人がこのところ、多いと思っていたら・・・外国人医療における小児科の重要性は今後、一層、高まるだろう。その理由は以前は厳しく制限されていた実習生や研修生の家族を招いての日本での就労が、法の改正により、実質的な移民となりつつあるからである。インドネシアからの実習生で看護師試験に合格しながら、1人で働くのは寂しいと帰国してしまった人が複数いるそうだ。そもそも実習後に看護師試験を受けて合格して、その後は継続的に働くということを目標として来日したはずで、この時点で家族と離れて日本で働くことを覚悟してやってきたはずなのに。たぶん、来日後の実習の過程で、家族と離れてはやってはいけないと感じたのだろう。彼女たちの行動は極端だとしても、考えは同じような環境にいる外国人には理解され、支持されているのかもしれない。
 以前に比較して家族での日本定住に寛容になりつつある中、外国人医療で注目をされるべきは小児科だろう。外国人の出産率は日本人のそれよりはるかに高く、すなわち外国語で対応できる医療機関のニーズが高まるからだ。とくに予防接種だ。発展途上国からやってきた母親たちは几帳面なほど、キチンとこどもに予防接種を受けさせる。僕のクリニックを見ていても、自分の疾患についてはかなりいい加減な通院をしている外国人の親御さんが、自分のこどもの予防接種には忘れずにやってくる。疾患の恐ろしさを知っているからだろう。
日本で生まれた場合は、日本人同様に予防接種の接種予定を組み立てていけばよいが、そうは簡単には判断できないのが、現地で一部、予防接種を受けてきた場合だ。どこの会社の何という接種をいつ受けたのか、こういう記録がしっかりしていないと受け入れた日本の小児科医も困ってしまうだろう。外国人を受け入れる小児科医の苦労が目に見えるようだ。さらに予防接種は居住する自治体と委託契約を結んだ医療機関でなければ接種ができず、すなわち地理的にかなり狭い範囲に外国人を受け入れる小児科が存在する必要がある。場合によっては広域での予防接種相互乗り入れが必要かもしれない。
 今日書いたことはさわりだが、このような点について日医にも小児科学会にもまずは気がついてほしいと思う次第だ。
 人の誕生から介護に至るまで、日本語のわからない人たちがどのように過ごせるのか、真剣に考えなくてはいけない時代なのだ。
posted by AMDA IMIC at 15:39 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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