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2023年07月29日

令和5年7月29日土曜

 特定健診で午前9時に予約していたフィリピン人女性56歳、来ない来ないと思っていたら・・・午前10時になってやってきた。こういうケースは本当に困る。大きな医療機関ならすでに次々と予約の人が検査に入っており、キャンセル扱いになることが多いだろう。「普通に」お咎めなく、検査を受け入れてしまうと、この女性の頭の中でも、また彼女から話を聞いたフィリピン人たちは僕のクリニックでは遅れても問題ないのだと誤解しつづけ、同じようなケースが出てくるだろう。というか、今でも内視鏡や他の検査など・・・予約時間に遅れてくる人は少なくない。ここできつく注意すると、「しかられた」と誤解しかねないし、フィリピン人スタッフに嫌味のひとつでも飛んできそう。注意をするときには必ず、理由をあげて注意するのだが、なかなか効力がない。こんなところも外国人医療のむずかしさかもしれない。
 米軍基地内のアジア系アメリカ人女性45歳、月曜日に行った血液検査で前回よりγ-GTPがかなり上昇して300台となっていた。日本の公的保険を持っていないというのでためらったが、近くの公立病院でCTスキャンを行ってもらうことにした。この公立病院では自費診療は保険点数の1.5倍と市の条例で定められている。およその金額を教えてほしいというので、高めに話をしたら、「受けたい」との返事なので電話で予約を取った。彼女の場合、米国の民間会社の保険に加入していて、診察のたびに会社宛ての診察支払い証明書を英語で書いてさしあげる。彼女は僕のクリニックで現金で支払い、この証明書を彼女が加入している民間保険の会社に送ると、彼女の銀行口座にお金がバックされるシステムなのだが・・・心配のひとつはこの公立病院で英文の診察支払い証明書がすんなり書いてもらえるかということ、もうひとつの心配はこの英文診察支払い証明書の費用は一般的に民間保険ではカバーされておらず、したがってこの証明書の費用を請求する場合には英文書類なのでかなりの金額になるはずで、ゆえによくよく事前に話し合っておかないとトラブルになることがあるということである。
 フィリピン人女性61歳、フィリピンに3か月帰国していたと久しぶりにやってきた。帰国中に膀胱炎のような症状が出たので病院を受診、4時間ぐらい病院の中にいたと話す。尿の検査を受けて薬をもらって・・・15000ペソ、およそ3万円かかったとのこと。これがほんとなら現地ではよほど裕福でなければ、「いい」病院には行かないだろうと容易に想像できる。
 待合室にアフリカ系や南西アジアや東南アジアのこどもたちが親と来ていた。小児科で予防接種。彼らにとってのこのクリニックがどういう存在なのか、わかる気がする。
posted by AMDA IMIC at 09:03 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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