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2023年07月28日

令和5年7月28日金曜

一昨日の火曜日に肺炎と診断した40度の発熱のフィリピン人男性、奥さんが心配になり、入院を希望していたのだが、木曜まで経過を見ようということにして、抗生剤の点滴など行っていたが・・・木曜の朝になっても現れず、心配になり、フィリピン人スタッフから連絡を入れてもらった。すると・・・熱は水曜の夜から下がっていまは体調もよくなり、風呂に二回入ったとのこと。これには驚いた。体を温めると当然、感染症にはよくはないのだが・・・・どうやら結果オーライであったようだが、肺炎で風呂に入るとはまさか想像もできず。ここまで注意をしておかねばならないのかと愕然とした。このような基礎的な健康に関する「常識」が我々とはちがう人たちはとくに発展途上国出身者に多く、気をつけねばならない。
 ベトナム人男性21歳、二日前からの発熱と呼吸器症状で来院。実習受け入れ先の日本人女性と日本の企業とベトナムの送り出し機関を結ぶ日本の受け入れ団体に勤務しているという中年のベトナム人が付いてきた。新型コロナとインフルエンザの抗原検査をしようとクリニックの外に行くと、この男性が近づいて来て、ちょっと圧力を感じるような態度で血液検査も尿の検査もしてほしいと言う。何のための尿検査?と思ったが、まずは上記の二つの検査をさせてくれ、ともに陰性なら中に入ってもらって次の検査を考えると話して、ふたつの抗原検査を行ったところ、陰性だった。診察室に入ってもらって検査結果の説明をした直後に、さきほどの男性が再び、ではどういうことか?と大声で訊ねるので、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまった。まずはこちらの説明をよく聞いてほしい、質問はそれからにしてほしいと話した。すると僕の「気迫」に驚いたのか、一歩下がって行った。電話でベトナム人スタッフを呼び出し、これから血液検査を行うこと、内容は白血球数とCRPで、ともに正常範囲ならウィルス性疾患、上限を超えていれば細菌感染を疑うことを話してもらった。スマホの電話機能をマイクにしておくと僕にも彼らにも聞こえる。採血の結果は白血球数6500、CRP0.1でともに正常範囲だった。再び、ベトナム人スタッフに電話し、マイク機能で彼女から伝えてもらった。新型コロナやインフルエンザではない呼吸器系のウィルス疾患なので、単純に夏風邪と脱水ではないかと続けて伝えてもらった。脱水については点滴の希望があるかないかを訊ねてもらうと、ぜひ点滴してほしいということなのでウィーンD500ccを入れた。そして呼吸器系症状に対しては内服薬を処方した。さきほどのベトナム人男性は以後、黙っていたが、このやりとりを見ていれば、まちがっても日本の医療機関ではベトナム人を軽視するとかまともに扱われなかったとは言うまい。ベトナム人実習生自身と受け入れ先の日本人女性が証人だから。
posted by AMDA IMIC at 07:51 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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