大きな病院で時間時間で動き回るところなら、40分も遅れてやってきたらキャンセル扱いされるかもしれないが、僕のクリニックはそのような大きな組織ではない。まず、米国人女性から検査を行うことにした。しばらくして前処置を終えた看護師が僕のところにやってきた。胃の動きを止めるためにスコポラミンを注射したが、この注射だけでめそめそと泣き始めたので、検査は大変ですよ、きっとと言う。内視鏡室に行ってから、再度、彼女に内視鏡検査を受けるこつについて話した。無理やり押し込むなんてことはしないからと約束。マウスピースから口腔内に挿入、つばを飲んでと英語で話して喉が動くのに合わせて内視鏡を軽く押すとあっというまに食道に入ってしまった。食道、胃、十二指腸と観察し、ピロリ菌検査のために生検するころには僕の目を見てピースをしてくれてほっとした。ピロリ菌は陰性、十二指腸球部の前壁に潰瘍瘢痕があった。後で診察室で内視鏡検査のフィルムをお見せしながら、説明。前回、処方の薬で症状も消失していて、念のために一か月分、処方してこれで終わりとした。母親がとても喜んでくれてほっとした。
続けてベトナム人男性の検査を行った。ベトナム人スタッフに言葉を助けてもらいながら、こちらも簡単に挿入できた。ピロリ菌はすでに2年前に除菌済み、十二指腸潰瘍はなかったが、前庭部と幽門部直前のタコいぼ状胃炎が目立ち、いくつか出血していた。たぶん、この病変が症状を形作っているのだろうと内服薬を処方した。
順調に診療も終わりに近づいた頃、ブラジル人女性来院。息子さんが付き添って来た。彼女も大和市胃がん検診で内視鏡検査希望。生まれて初めての内視鏡検査だそうで、ピロリ菌検査の意味も説明した。予定は1か月後、何事もなく、終わりますように。
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