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2023年06月03日

令和5年6月3日土曜

季節外れの台風の影響で豪雨。こんな日に決まっておこることがある。日本人の患者は少ないのに、外国人の患者数には影響なし。昨日も17人いらっしゃった。理由は簡単で、外国人患者の中に建設現場とか天候が悪ければ、当日の仕事がなくなる人が少なくないからだ。とくに発展途上国からやってきた人たちに多く、決して技能実習生なんて人たちではない。このような現象を見ていると、彼らの雇用ひいては収入が非常に不安定なものだとわかる。
ぺルー人男性52歳、上記の典型。雨が降って仕事がなくなったからと来院。降圧剤はすでに3日前に内服しきっていると言う。血圧を測定すると160/78、なんだかやりきれない。
フィリピン人男性66歳、高血圧で降圧剤を内服している。診察していると、彼の呼吸音がはあはあと聞こえる。肺がんで化学療法を受けている。かなりつらそうで心配になる。前回やってきたときには「日本にいてよかった、フィリピンにいたら医療費が払えないから、病院には行かないよ、家で神様来るのを待っているだけ」と言われた。こういう言葉は耳について離れない。
フィリピン人男性54歳、かなり前に痛風発作で来院したことがある。高尿酸血症もあるのによくなると来なくなってしまった。「まただよ、ドク」と差し出された左の手関節あたりが腫れあがっている。コルヒチンを一週間処方、来週は採血とコルヒチンを症状に合わせて減量するつもり。説明して必ず来るようにと話した。
アメリカ人男性30歳、軽度の発熱と咳と咽頭痛。職場に何人か新型コロナの罹患者がいるそうで・・・案の定、抗原検査の結果は陽性だった。6月に入っても相変わらず、新型コロナの感染者は増えている印象だ。
米軍基地から発熱したお子さんと両親に連れられてやって来た。小児科で診てインフルエンザと新型コロナの抗原検査を行い、陰性だった。外で待つということが当初は理解できずに怪訝な表情をしていたらしいが、スタッフが英語で説明したら納得してくれた。
いつものようにAMDA国際医療情報センターから電話相談の日誌が送られて来る。すべて、目を通すのだが、中国人から「大きな病院を紹介して欲しい」という相談があって難儀したらしい。日本では一次医療、二次医療、三次医療担当の医療機関が地域の中でそれぞれ決まっている。この日本の医療システムを日本人同様に使ってくれるといいのだが・・・中国ではいい医師は政府系の大きな病院にいるらしく、開業医というシステムがないため、日本にやってきても小さな医療機関やそこに勤務する医師については信用しがたいらしい。在留中国人についてはある程度の理解はしているはずだが、観光でやってくる中国人は理解していない。上記のような日本の医療事情を日本にやってくる前に中国人観光客に周知する方法はないものか?これだけでもトラブルは減ると思うし、彼らの体にとってもいいことのはずなのだが。
posted by AMDA IMIC at 08:16 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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