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2023年06月02日

令和5年6月2日金曜

アフリカ某国出身の34歳男性、数日前から軽度の発熱のみあり。呼吸器症状、消化器症状はともにない。新型コロナとインフルエンザの抗原検査はともに陰性だったので、クリニックの中に入ってもらって採血して白血球数とCRPをチェックしたところ・・・白血球数は7800と正常範囲なのだが、CRPは7.9とかなり高い。胸部レントゲン写真を撮影しても異状なし。細菌感染を疑うのだが、こういうとき、いつも自分が普段診ていなくて知識のない出身国あるいは地域特有の病気を目の前にしているのではないかという一抹の不安に駆られる。抗生剤を処方してまずは様子を見ることにした。一抹の不安と書いたが、要するに用心深いと言ってもいいかもしれない。疑う気持ちがなくなると、輸入感染症など見逃す可能性が高くなる。
タイ人男性63歳、高血圧の治療で千葉県からやってくるのでいつも2か月処方している。
いつもは3種類の処方をしているのだが・・・薬を一個ずつポケットから取り出して、アムロジピンを指さし、この薬を飲むと眠くなって危ないのでやめてほしいと言う。アムロジピンは冬季に血圧が上昇し、付け加えた三番目の薬だ。眠くなるという副作用はあまり聞いたことがないと思いながら血圧を測定すると108/50だった。クリニックで血圧を測定すると、自宅安静時より高い値が出る人が圧倒的に多いので、彼の場合、血圧が下がりすぎて眠くなるのではないかと推察、アムロジピンは中止した。やはり長期処方はよくないと改めて思った。下手をすると2か月分の薬がすべて無駄になってしまうこともあるし、副作用が出現した時に気がつかずに深刻化してしまうこともありうる。彼がトラックで事故をおこすなんてことがあったら、僕も無責任な医者としてニュースに出るかもしれない。
 フィリピン人女性31歳、ごく軽度の咳と咽頭痛でやってきた。インフルエンザと新型コロナの抗原検査を行ったところ・・・インフルエンザは陰性だが、新型コロナは陽性。
本人は単なる風邪と思っていたらしく、かなり驚いていた。
 昼休みに某放送局の海外向けラジオ番組収録のため、担当の方とオンラインで話をした。内容は日本における外国人医療の話なのだが・・・その前に外国人医療についてある程度は調べただろうということは想像がつくのだが、僕があることを話すと、それに対する問題点の把握が鋭い。この方の専門ではないはずなのにと感心した。
posted by AMDA IMIC at 09:05 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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