フィリピン人女性54歳、急性腸炎の症状だが、下血もしているという。いやがるのを説得して直腸肛門診をさせてもらうと、がんのようなしこりはなし。下血というのもゴム手に付着したのは真っ赤な鮮血ではなく、血液と便が混じったような色であった。どうやら出血はたいした量ではないが、大腸内視鏡で見なければ見えないような部位と判断した。急性の症状なので、とりあえず急性出血性腸炎と診断、ビオスリーだけを処方した。そのうえで、下血が続く場合は必ず連絡をくれるように話しておいた。その時には大腸内視鏡検査が必要となるだろう。
ベルー人男性29歳、会社の健診でs-GPTが156、A型からC型まで肝炎検査も陰性。念のために近くの公立病院の消化器科に紹介。超音波、CTと撮影したものの、はっきりとした原因はわからないが、どうやら大きな疾患ではないらしいので・・・と逆紹介されて帰って来たという経緯がある。先週の血液検査ではs-GPTは256と上昇しており、ウルソとグリチロンの感庇護剤による内服治療を開始した。
フィリピン人女性43歳、南米出身のご主人に前胸部を三日にわたって殴られ来院。怖くて今は家を出て、友人宅にいるという。こういうケースは一方的に話を信じてよいものかどうか、いつも悩む。できるだけ、感情を入れずに診察するようにしている。米軍基地の近くの夜の店でカウンターの中で働いているだけなのに、ご主人が嫉妬して殴ったのだと主張する。さらに話を聞いていて納得した。彼女は自分の太りすぎに気がついて、ダイエットを始めている。たしかに「かなり」太っている。南米出身のご主人は太っている女性が好きだそうで、ダイエットをしている彼女を見て、自分より客の中のだれかを好きになり、気に入られようとダイエットをしていると誤解したらしい。幸い、レントゲン撮影をするような必要もないし、外見上、皮下出血があるとかそんなこともなかった。最後にこれから警察に行くので、診断書が欲しいと言うので、臨床所見だけを書いて渡した。
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