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2023年05月20日

令和5年5月20日土曜

雨が降って外国人患者も少なかった昨日、今日が怖い。
フィリピン人男性69歳、先日受けた特定健診の結果を聞きにやってきた・・というより電話して早めに来てもらった。Hbは9.4、血小板数は9.4万。近くの公立病院の血液内科を受診中なので、そちらは不問とし、次回、外来受診時に今日の結果を持参するようにと話した。尿酸値が7.9とかなり高い。アルコール類は飲まないが、内臓系やフィリピン風のアドボが好きだというので、食事療法について話し、念のためにフェブクソスタット20mgを一日一回内服するようにと処方した。大きな問題はここからでPSAが21.50であった。正常範囲内が4.0以下なので相当に高い値だ。朝早くやってきたので、血液内科と同じ、近くの公立病院の泌尿器科あてに紹介状を書き、受付終了の11時に間に合うよう、すぐに行ってもらった。彼もときどき、「病気になったけど、日本にいてよかった」と言う。保険があるからだと。20年前ごろにAMDAフィリピンの仲間とマニラの貧しい人たちが住むところで医療ボランティアをしたことを思い出した。薬も持っていき、診察して症状に合わせて薬をあげる。その薬は教会やライオンズクラブなど裕福な人たちからの寄付で買ったものなのだが・・・かなりの高血圧でも数日分の薬を処方して終わりだ。中に足の巻き爪で膿が出ていた若い女性がいた。抗生物質を数日あげても意味がないだろうと思い、外科的処置のために病院に行くようにと話したところ・・病院に行くお金がないからここに来た、数日分でも抗生物質が欲しいと言われた。あまり意味のない処方をせざるをえない無力感。こういう状況を僕よりもっとよく知っているフィリピン人の人たちから見ると、「ああ、日本にいてよかった」となるわけだ。
フィリピン人女性39歳、高血圧で今月初めから受診、先週行った血液検査も肝機能、腎機能、脂質代謝と異常がなかった。結果として、現在の処方を続けることにした。初診時180/100だった血圧も124/60となっていた。帰り際に強烈な一言を聞いた。ドク、私、昔は70キロあったよと・・今は40キロだよと。妊娠している最中にどんどん体重が増えたそうで、母親も脳卒中で亡くなっており、産後、これではいけないとダイエットしたのだそうだ。昔の写真を見せてもらったが、たしかにタガログ語でいえばバボイの彼女が映っていた。今はレストランに勤務しているが、昼ごはんはレストランの賄は食べないで、お弁当を持っていくか自宅に戻って食べているそうだ。すばらしい。
posted by AMDA IMIC at 08:24 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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