続けてタイ人女性46歳、一か月近く胸部正中から心窩部にかけて痛みや逆流するような不快感があるという。彼女も朝食は食べていないと言うので、そのまま内視鏡検査を行った。タイ人仲間でひとりついて来たので、検査をいっしょに診てもらった。本人の希望によりサイレース注の麻酔科に施行。こちらも大きな問題はなかった。アネキセートで目を覚ましてもらい、異常がなかった旨を伝えて、念のために心電図も取ってみたが、まったく異常なし。内視鏡の所見を見てもらいながら話しているうちに、「仕事のことが気になって心配が募り、寝られない」と言い出した。彼女は長年、タイレストランを経営しているのだが、新型コロナで客足が遠ざかった時期も長く続き、このままだめになるのでは・・・と寝られぬ日々がいまだに続いているのだという。心身症と不眠症が大きな原因と考え、まずはアルプラゾラムとゾルピデムを処方して様子を見ることにした。
フィリピン人女性36歳、彼女も心療内科的な症状が強く、アルプラゾラムを処方したのが2週間前。胸が苦しいという。胸部レントゲン撮影を行ったが、まったくの異常なし。呼吸音も問題がない。所見について話しているうちに、カバンの中からお薬手帳を取り出してきて見せてくれた。すると・・・横浜市内の某医療機関で心療内科が使うような薬が二種類と睡眠導入剤が一種類、処方されていた。驚いて、アルプラゾラムは内服しないようにと話した。この手の薬がバッティングしているのは怖い。症状からは自律神経失調症を考えるべきと思ったが、僕の診断だけを書類にして前記の医療機関に持っていってもらうことにして情報提供書を書いた。
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