理事長 Dr.小林米幸の独り言

フィリピン人男性37歳、高脂血症と高尿酸血症で受診中。前回の血液検査でHDLコレステロールが32とかなり低い。HDLコレステロールが低下していると虚血性心疾患に罹患しやすいことを話し、内服薬でHDLコレステロールを下げるものはないので、もう少し運動をするようにと説明した。同じくフィリピン人男性34歳、高血圧と高脂血症で通院中。HDLコレステロールが37と正常下限の4.0を下回っている。タバコも吸うそうだ。高血圧があって喫煙し、HDLコレステロールが低いとなると、もっとも虚血性心疾患になりやすいグループであることを説明し、禁煙と運動を勧めた。
　フィリピン人女性44歳、めまいがすると頭が痛くなると言う。しばらく彼女の話を聞いていたが、要点がよくわからない。彼女の話を遮り、こちらから質問をすることにした。頭痛とは頭が重いのか、それとも拍動性に痛いのか?と訊ねても、自分の言いたいことを話し始めてしまう。質問等は後で聞くから、僕の質問に先に答えてくれるよう、再度促した。わかったことは・・めまいがしてしばらくすると頭痛がひどくなること、寝ると頭痛はよくなること、そして肝心かなめのこととして、頭痛は拍動性であることがわかった。以上から連想するのは片頭痛だ。片頭痛とはどういう病気かを説明し、スマトリプタンを処方するについての内服法とくに内服のタイミングについて話した。
　ベルー人女性54歳、めまいがあると来院。血圧は正常。めまいについて訊ねると、めまいはもうないという。話が二転三転してよくわからない。わかったことは心配でCTスキャンを撮ってほしいと思っているということだった。近くの公立病院にCTを依頼しようにも土曜日は病院の休診日でできないことを説明し、平日に出直してくれるように頼んだ。
　インド人男性45歳、高血圧と高脂血症、高尿酸血症で来院。マスクでは隠せないほどの髭。聞けば彼の宗教では父親が亡くなると、1年間は髭を剃ってはいけないという宗教上の縛りがあるとのこと。段々とヒンズー教の聖者のような顔つきになってきた彼をしばらく見ていた。