ベルーに帰国し、二度と日本には戻らないというベルー人男性がやってきた。あと10日ほどで帰国するそうだ。仕事が見つからないのだと話してくれた。最後の診察を終えて抱擁して別れた。ドミニカ人女性、下肢静脈瘤で手術を受けたいがどうしたらいいだろうと相談に来た。昔は僕もよくストリッピングと呼ばれる手術を行ったが、今は不全交通枝を注射でつぶす凝固療法がメインのようだ。見ると大伏在静脈と小伏在静脈の両方にかなりの静脈瘤がある。市内の循環器専門病院に電話して訊ねると、毎週火曜に専門医がいるということなので、情報提供書を書いた。
円安が一段と進んでいる。これでは日本にやってきて日本円を稼ぐ意味はさらに薄れてしまったろう。インドネシアやベトナムからの技能実習生も期待通りに来ないという状況になると、彼らを事実上の労働力としてあてにしていた中小企業は軒並み、労働力不足に陥り、日本の国内生産力は大きく後退するだろう。それは日本の国力が低下すること以外の何物でもない。技能実習生の受け入れで甘い汁を吸っていた監理団体等が経営危機に陥るとしても、かわいそうとは思わないだろう。日本にやってくるのは円安を追い風とした観光客だけになってしまいかねない。このような円安であっても外国人に行きたい、住みたい、働きたいと思われるような日本でなければならない。治安がよいことは大きな因子で、とくに欧米系の女性で最近、日本に帰化する人さえ出ているのはこれが理由だ。それ以外の因子といえば、日本語が理解できない人を受け入れる社会づくり、日本語が理解できない人が差別を受けない制度作りだはないだろうか。
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