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2022年10月06日

令和4年10月6日木曜

外国人のコロナ感染もかなり減少してきたと思ったら・・・インド人男性11歳、PCR検査で陽性だった。母親が陽性だったらしく、家庭内感染だろう。それにしても有症状でも、見るからにつらそうな方は見かけなくなってきた。オミクロン変異株以後の新たな変異株が世界で報告されていない現状では、新型コロナによる2年半の大騒動もようやく終息するのではないかと期待を抱かせるようになってきた。そういう意味ではそろそろパンデミックに対する日本の対応がよかったのかどうか、何か問題点として残ったのか、忘れないうちに点検をしておくべきだろう。
 一番、印象に残っているのは政府や厚労省や傘下の委員会、審議会の対応だ。何が印象的かというと平常時とパンデミックが発生した緊急時の対応にあまりちがいを感じなかったといえばよいだろうか? パンデミックの中では刻々と感染状況が変化していく。その時々の状況を見て、それに対応するすばやい決断と行動が求められるはずだ。
たとえばシオノギが開発した新型コロナ感染の軽症の人が内服して重症化を阻止する薬の承認についてだ。それ以前には重症化した人が使用する薬はあったが、感染者数としては圧倒的に多い軽症者が使う経口薬はなかった。いわばインフルエンザのときのタミフルのような薬だ。これが多くの医療機関で普通に処方できるようになれば、新型コロナはもはや怖い病気ではなくなる。このような認識は広く関係者が抱いていた。そのように期待していたのに、薬の認可を審議する厚労省は通常の審議会とは別に、特別にこの薬の認可を審議する会を立ち上げたというのに・・・製薬会社は2回申請し、この審議会ではそのたびに認可を認めなかった。たしか、理由はまだ症例数が足りないとか、そんな理由だったと思う。人類の存亡がかかったときなら、有効性がかなり見通せる薬なら平常時のような時間をかけずに市場に出して、パンデミックを抑えようというのがこの特別な審議会の趣旨ではなかったのか。それなのに平常時の審議会とまるで同じ考えで結論を出してしまったというわけだ。「このままでは死ぬかもしれない、目の前にある薬を飲めば効果がない確率もあるが、助かる可能性もある」・・・ということなら、だれでもこの薬に手が伸びるのではないだろうか。いや、伸ばすだろう。
 外科医で手術に明け暮れていたころ、手術中に患者の状態、病気の広がり、予期せぬ別の病気を発見したりして予定手術の方法を変えざるをえないときがままあった。手術を行う術者は船の船長と同じで、助手として加わっている外科医と相談をしながら、最終的には自分の責任でどのような術式に変更するのかの判断を的確にかつタイムリーに下さなければならない。
 僕の主観では今回のパンデミックではこの外科医に求められる緊急事態に対する対応に類似した対応が政府・厚労省そして関連の各種審議会において全く見られなかったと思う。残念なことに、このような体質は今回限りとか、政府・厚労省の委員会レベルだけではない。すでに30年近く前の話だが、新たに地方自治体が全額財政支援して創った国際関係の団体の理事に推されて就任したことがあった。その理事という役職を私は一期2年で自らの意思でやめた。やめた理由はこの団体では役所と同じで1年間の事業計画が決まっており、なにか緊急性のある問題が発生した時に理事会で提言をしてもまったく吸い上げてもらえなかったからだ。要するに平常時にしか対応できない組織であったということだ。そんな団体の運営と私の考えが一致している、あるいは私が賛成していると考えられるのがいやで、理事を辞めた。このように日本は上から末端まで、行政の息がかかった組織はすべからく平常時を想定した組織である。
 どうしてこのような組織が日本に蔓延しているかと分析してみると日本社会の民主的考えに根差していると思う。みなの意見に耳を傾け、十分に討論し・・というような。ある意味、戦後教育の成果でもあろう。独裁的政権を持つ国では国としての方針や意見は一晩で決まる。独裁的政権を率いる人物が英知にすぐれた人なら、それはそれでパンデミックに対する対策も結果オーライとなるかもしれない。しかし、日本はそういう国ではないし、ないことは私たちにとって幸いでもあると思う。幸いでもあると思うのだが、それだけではパンデミックには対応できないということを今回のコロナ騒動は教えてくれているのではないか。10月となり、めっきり新型コロナの感染者数は減少した。このまま、減少を続けて、自然消滅のようになり、「やれ、よかった」という結論では将来のパンデミックに向けて、国家として何も得るものがなかったということになりかねない。
posted by AMDAcenter at 09:18 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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