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2022年01月22日

令和4年1月22日土曜

午後になり、ベトナム人女性27歳、皮下埋没型避妊チューブを摘出するため、群馬県からやってきた。なかなか日本語も上手で、近々帰国すると話していた。触診すると左の上腕に扇形に2本のチューブがあることがわかった。2本のチューブの端が扇の中心とは微妙にずれており、一つの切開創で、なおかつ切開創を小さくして摘出できるか、なんとかしようと局所麻酔で5ミリ程度の切開を加えてみた。この切開創をまずは一本のチューブのほうに少し引っ張り、摘出。つぎに残った一本のほうに引っ張り、脂肪組織と癒着していたチューブを摘出。皮膚は5-0シグマ針で縫って寄せておいてアロンアルファを使用、直後に糸を抜去。皮膚がきちんと寄せてあることを確認して終了した。これなら抜糸のために近くの医療機関を訪れる必要もないだろう。どうして群馬から僕のクリニックまで来たのかと訊ねたら、近くに住む同じベトナムの女性が僕のクリニックで同じ手術を受けたことを聞いたからと教えてくれた。この10分程度で小手術のために群馬から神奈川までやってこなければならないなんて「普通」じゃない。
 今日の朝、yahoo のニュースを起き抜けに見た。すると専門家有志という人たちが厚労省に新型コロナについての要望だったか提言だったか忘れたが、なにかそういうものを厚労省に提出したとあった。その内容は@新型コロナのオミクロン株は臨床症状が明らかに軽いことから、別の疾患と考えるべきである➁若い人などは罹患しても軽症なのだから、こういう人まで医療機関に押しかけたら医療機関がひっ迫するので自宅療養でよい、こんなことであったろうと思う。昨日、陽性と判明した人に経過を聞こうと電話連絡したところ、濃厚接触者については症状がない限り、自宅にいるだけで医療機関を受診しなくてよいと言われたと聞いて驚いた。その後、情報を収集したところ、厚労省が14日にそのような指示を出したということがわかった。この二つの動き、ともにおかしすぎる。厚労省の方針はむしろ、新型コロナの受診増で国保、社保の財政基盤が揺るぎかねないことが一番なのではないだろうか。仮にそうであっても、もし新型コロナが非常に危険な病気であれば、このような方針転換はしないだろう。背景には現在のオミクロンを中心とする新型コロナはすでに「危うい病気ではない」という暗黙の認識があるのではないだろうか。先の「専門家有志」と名乗る人たちの要望の内容もオミクロン株が昨年のデルタ株に比較して「別の疾患」と思えるほど軽いと考えているのだと思う。僕もそう思う。今月になり、すでに60人以上の陽性者を見つけているが、中には無症状の人もいる。そうなら最初にすべきは2類感染症から5類感染症への変更だろう。保健福祉事務所が機能マヒに陥っているのも、救急隊がひっ迫しているのも、膨大な濃厚接触者で病院や会社など社会が混乱しているのもコロナが2類感染症に据え置かれているためだ。2類感染症から5類感染症への変更することなく、表面の一部だけ、変更しようとすることは感染症法の法律の壁によって矛盾とされてしまう。さらに政府の肝いりで、各地に無料のPCR検査所を作って、症状のない人の検査をやりまくってきたことと今回の厚労省の指示すなわち濃厚接触者は症状がない限りは自宅で待機するという方針は明らかに正反対の方針だ。政府はまず、新型コロナの感染症分類を変更すること、そしてこのような方針の大転換については具体的に国民に説明をすることだ。そうでなければ国民は理解できない。現場の医療機関は政府の事実上の方針転換の混乱を一心に受けてしまう。
posted by AMDAcenter at 09:14 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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