入国のためのPCR検査とその搭乗までの時間は新型コロナの各国の国内感染状況により刻々と変化していく。それもある日突然にだ。基本的には海外渡航する人たちに必ず情報を確認するようにと話したうえで引き受けるのだが、ある程度のことはこちらでも知っておかねばならない。先日もフィリピンに帰国する女性が、横浜市内の医療機関で受けた検査と英文の書類で空港で搭乗できなかったと怒ってやってきた。書類は英文では書かれていたが、肝心の検査がPCR検査ではなく、抗原検査であった。書類のフォームにも問題はあったが、検査が抗原検査では搭乗できるはずもない。
僕が今、現在、知っている情報は次の通りだ。検査法としては抗原検査で入国できる国がないわけではないが、その場合でもキットを使っての簡易抗原検査では入れない。PCR検査にもいくつかの方法があるが、まちがいなく搭乗できるのはReal time PCR法だけだ。また検体採取にも鼻咽頭からの採取と唾液での採取がある。唾液でもよしと認めている国もあるが、鼻咽頭からの採取でだめという国はない。すなわち「鼻咽頭からのReal time PCR」
を行っておけば検査法としては搭乗できないということはない。さらに検査を行う時間だが、およその国は搭乗時間72時間以内である。今現在の例外は知っている限りは米国が搭乗日の前日、ドイツ、インドネシア、韓国、ベトナム、ナイジェリア、ロシアが搭乗の48時間以内、台湾は搭乗の2日以内となっている。さらにシンガポール、カンボジアは医師と搭乗者のサイン以外はすべてプリントアウトしなければだめ、カンボジアは医師のサインは黒以外の色で行うこととなっている。タイ入国にはFIT TO FLY の書類は必要ないが、入国後の隔離ホテルの情報が必要、ベトナム入国についても入国後の隔離ホテルの情報を記載しなければならないが、2回の予防接種を受けたという証明書を持っているベトナム人はホテルでの隔離がなく、自宅住所の記載でよいとされている。また、インドネシアへの渡航する際の書類にはQRコードを付けなければならないとされている。オミクロンの発生とともに厳しくなっているのだが、ここに来てオミクロンの病原性の弱さが確認されて、逆の方針を採り始める国も出てきた。予防接種を2回受けている人についてはイギリスは搭乗前のPCR検査を廃止、タイは2月から入国後の隔離はなしとすると決まったというタイのニュースを昨日読んだ。
読めば読むほどややこしく感じられるだろう。ゆえに渡航の書類と検査はぜひ「作成に慣れた」医療機関で受けてもらいたい。別の医療機関で検査を受けて、英文書類を作成してもらい、空港で搭乗できずに僕のところで怒りをぶちまけた人が4人、お金も時間も無駄になってしまう。
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