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2021年12月27日

令和3年12月27日月曜

きょうは外国人医療と関係がないことをひとつ。健康保険を使う時の支払いの基になる診療報酬点数は原則として2年に一回、4月1日より改正となる。ところが今回、岸田総理の肝いりで新型コロナに関するPCR検査と抗原検査の点数が1月1日から大幅にダウンとなる。そのようにした理由について総理はたくさんの人に検査を受けてもらいやすくするようにと語っているそうだ。たしかに一部、テレビで大々的にPCR検査の宣伝を行っているコロナ太りのような医療機関もあるが、最前線で文字通り、体をはって戦っている「通常の医療機関」にとっては冷や水を浴びせるような決定だった。というのもPCR検査を外部の検査会社に委託する医療機関がほとんどなはずで、その検査会社が設定した価格がそもそも極めて値段が高いのだ。だから診療報酬点数を大幅に下げるというなら、同時に検査会社に価格の値下げも指示しなければおかしなことになる。具体的にはPCR検査については1月1日から現行1800点が1350点になり、4月1日からは700点になる。1点が10円換算していただくと価格がわかる。1350点になると医療機関がリスクを抱えながら検査を行ったことについての利益はなくなり、700点になると逆に検査を行えば行うほど、1検体6000円に近い赤字となる。当然のことだが、検査会社の価格の交渉をし、検査会社がそれに応じて価格を下げてくれないと外部委託のPCR検査の数は大幅に減少するだろう。またスマートジーンなどの簡単なPCR検査の機械を購入して自院でPCR検査を行っている医療機関では検査のための試液を購入する価格が変わらないとすれば、ほぼペイしないことになり、こちらも検査数を減らしていかざるをえなくなるだろう。
 抗原検査についていえば一般的に医療機関が自院で行う抗原検査は簡易抗原検査と呼ばれるものであるが、このキットを卸の問屋から購入した時の価格が僕のクリニックでは一人分4850円であるが・・・・1月1日より保険点数600点が300点になる。4850円で購入したものを3000円で「売る」ことになる。完全な逆ザヤだ。現にさまざまな医療機関からの情報では1月1日からは即日で結果が出る抗原検査は自院では行わず、結果が翌日になる外部委託のPCR検査に切り替えようという動きがある。外部委託のPCR検査はその価格について検査会社と交渉できるが、簡易抗原検査のキットについては卸の問屋との価格の交渉がむずかしいからだ。また、卸の問屋もそれ相応の価格でキットを作っている会社から買っているからだ。僕のクリニックではこれから箱を開封していないキットはすべて卸の問屋に引き取ってもらうことにした。
 価格を安くしていく方向についてはまちがってはいないと思うが、この点数改正が発表されたのが12月の第一週。あまりにも唐突な決定は現場を混乱させ、結果的に新型コロナとの戦いにいい影響があるのかどうかがわからない。為政者はこのあたりをしっかりと考えてことを運んでほしい。
posted by AMDAcenter at 09:03 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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