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2021年06月21日

令和3年6月21日月曜

19日土曜の診察にやってきた外国人の中で、59歳以下で高血圧や喘息などの新型コロナの予防接種において年齢を飛び越えて高齢者の次に接種ができるという基礎疾患を持っている人は西隣のZ市在住のドミニカ人女性、大和市在住のフィリピン人男性、県の西部のH市在住のネパール人男性、大和市在住のフィリピン人女性、南隣のF市在住のペル―人女性など・・・・尋ねても皆一様に基礎疾患がある人は優先的に次の順番ということを知らなかった。おまけに次の順番と言っても誰がどのような病気で通院しているなどということは接種券を発行する各市役所にはわかりようがない。すなわち、自己申告が唯一の方法だということになる。こういうことを各市町村は外国人を含む住民にどのように伝えているのだろう? 大和市では6月1日からホームページに日本語で掲載されていたそうで、僕が紙ベースのお知らせを入手したのが6月9日の夕方、当日は夕方から会議で出かけたため、職員が見て締め切りが6月11日となっていると教えてくれた。市の新型コロナに関するアプリに登録している人にも届いたそうだが・・全体的に見ればまるでお笑いだ。たぶん、大和市だけではなく、ほとんどの市町村でこのような状態なのだろう。これって共に住む、いわゆる共生社会を目指していると公式にアナウンスしている地方自治体の行うことだろうか? 何かを行うときはそれが日本語のできない人ならアプローチできるだろうか? 目が見えない人ならどうだろうか? 体力のない高齢者ならだいじょうぶか? 小さなこどもならどうだろう?という思考法が地方自治体やその中での担当者に欠落しているとこういうことになる。残念ながらこれが今の日本の姿だろう。大げさに言えば外国人を含むいわゆるマイナーな人たちから基本的人権が保障されていないと非難されても違いますとは言えないだろう。彼らには大和市の基礎疾患がある人用の申込書を配り、あなたの市でも同じような仕組みになっているはずだから、役所に問い合わせるように、そして接種券が届いたらすぐに僕のクリニックに連絡をくれるようにと話しておいた。34年近く長年、外国人医療に携わって来て感じることは担当者が変わると再び、外国人に配慮がなくなってしまう、すなわち元に戻ってしまったり、もどかしい。組織として方針の徹底がされていない。開業してからの31年で外国人医療に関する講演会、講義などを数えると130回になる。僕の活動が僕の目には見えなくてもいいから、小さくてもいいから実を結んでいてほしい。
 19日土曜日は午後1時の診察終了からワクチン接種72人、およそ1時間と少しで終了し、診察室のパソコンからV-sysで厚労省に報告してほっとしていたら、突然、フィリピン人のスタッフに付き添われて県西部のI市に住む80歳を超えたフィリピン人女性が入ってきた。手には箱を持っていて・・・「ドク、お誕生日、おめでとう」と一言。自分で作ったというケーキだった。抱きしめて手にキス、「ドクのおかげで私は元気」と言われた。嬉しさに泣きそうになった。
posted by AMDA IMIC at 09:42 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)
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