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2021年11月29日

令和3年11月29日月曜

フィリピン人男性52歳来院。英語がそこそこしかわからないようなのでフィリピン人スタッフの同席、通訳のもとに診察を進めた。血圧を測定すると170/100と高い。最後の来院日をカルテで見ると10月2日となっている。その時にテルミサルタン80mgとハイドロクロールサイアザイド12.5mgの合剤を一か月分処方している。今日の朝は薬を飲んだ?と訊ねると「飲んだ」と答える。指示通り、毎日飲んでいるならとっくに薬はなくなっているはずだ。ところが・・「薬はたくさんあるし、効果がない」と言い始めた。そんなばかなと思ってカルテをよく見ると、最後の診察は10月2日でも2021年ではなく、2020年だった。それからフィリピンに帰国してまたやってきたのだという。薬はテルミサルタンをフィリピンからたくさん持ってきたと言う。ここでようやく話がわかった。フィリピンに帰国して再度、日本に来るにあたり、できるだけ医療機関を受診しなくても済むようにテルミサルタンをたくさん購入してきたということなのだろう。それを内服しても効果がない、血圧が高いのでやってきたということだ。最後の診察まで1年ほど通院歴があり、その間、テルミサルタン80mgとハイドロクロールサイアザイド12.5mgの合剤で血圧は130/80程度のコントロールできていたことを確認、再度、前回と同じようにこの合剤を処方しようとすると、テルミサルタンでは効果がないと言い始めた。そこでフィリピンから持ってきたテルミサルタンを今日、持っているなら見せてほしいと言うと「ない」との返事。あれば説明は簡単なのだが・・・・テルミサルタンには20mg,40mg,80mg があり、一番強い80mgとさらにもう一種類の降圧剤であるハイドクロールサイアザイド12.5mgの合剤を昨年まで使っていて、当時は血圧がよくコントロールされていたので、今回もこの処方で大丈夫と話した。冒頭に書いたように言葉の行き違いがないように、すべてはフィリピン人スタッフの同席、通訳のもとで話している。フィリピンから持ってきたテルミサルタンを持ってきてくれなかったので、何mgのものかもわからないけど、それでもそれよりは降圧効果が強いはずと続けた。そして処方を書いたがなんだか不満そうな顔つきをしているとは思った。それから数人の診察を済ませたとき、フィリピン人スタッフが困り果てた顔で診察室にやってきた。どうしてもテルミサルタンの合剤では納得がいかないらしく、別の「強い」薬にしいほしいと話しているという。テルミサルタン単独ではなく、別の降圧剤との合剤だと説明しても聞き入れないという。ここでこの合剤を使うことをあきらめた。昨年通院していたころ、境界型の糖尿病もあり、食事療法を行っていたこともあり、ペーターブロッカーは腎機能を考えると使うべきではないだろう。考えた挙句、イルベサルタン100mgとアムロジピン10mgの合剤にカプトリルR17.5mgを朝夕食後に加えることにした。なんとも言えない敗北感・・というか、ここまで通訳を入れても理解してもらえないかというだれに文句を言っていいのかわからない、やり場のないイライラ感だけが残った。外国人医療のむずかしさの典型だ。日本人にもこのような人がいないわけではないが、外国人に圧倒的に多い気がする。学問的に理論的に説明しても理解されないし受け入れられない。保険診療の範疇ではできないようなことを求められることもある。僕のクリニックにはフィリピン人スタッフはじめ、いくつかの言語のスタッフがいるし、英語は3人が対応できている。それでも診察中にこのようなことがあると診療がストップしてしまうし、ましてや受付でなにかトラブルがあるとクリニックの機能が麻痺してしまう。だからこそ、厚労省が外国人受け入れのためのワンストップを作るというなら、日本側である医療機関だけではなく、外国人の側の医療・医事、あるいはこれから受診しようとしている内容等についての質問を受け付けてくれる、そういう機能をワンストップに持たせてくれないと、防波堤を作ってくれないと医療機関から見て、本当のワンストップにはならない。いやな思いをした医療機関は外国人受け入れにネガティブになっていくだろう。それではいけないし、厚労省の思惑とは反対の方向にことは進んでしまう。それでは結果的に予算の無駄遣い、単なるバラマキになりかねない。ここを深刻に真剣に考えてほしい。
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2021年11月27日

令和3年11月27日土曜

フィリピン人女性43歳、どきどきする、体が重いと訴えて来院。フィリピン人のご主人が付いてきた。診察に入る前にフィリピン人スタッフが話を聞いてくれていて、職場でいじめにあっていると教えてくれた。このような情報は大切だが、一方的な情報でもあることを理解しておかないと、妙な感情注入をしてしまうことになりかねない。診察室に入ってきた彼女はうつむいて、話もせず・・・というより日本語がよくわからない風であった。血圧測定するも正常、採血をするとHbは10.2、たしかに貧血だが、この数字で動悸がするかどうかは不明だ。軽いうつ状態にあるのではないかと思った。いま、小学校の英語の先生として働いているが、次の4月からは再契約はしないと言われたことがどうやらその原因らしいとわかった。再契約はしないという理由についてだが・・・・何度か彼女のところに税金の支払いの用紙が届いたのだが、彼女は日本語が読めず、何が書いてあるのかわからずに捨てていたという。役所からの知らせで、すでに税金が未納状態になっていることを知り、ご主人の給与からまとめてすでに支払い済みなのだそうだが、どうやらそれが理由と思い込んでいるようだった。実際、先方との話し合いでこのtaxの話をされたというのだが、真実はわからない。今年の5月まで5期10年、郡市医師会長を務めてきたので、この「先方」にも知り合いが多いのだが、もちろん「介入」はしない。ただし、納得ができないなら、日本語が普通に話せる、理解できる人物に同行してもらい、もう一度話を聞かせてほしいと先方に接触してはどうかとは言った。鉄剤とアルプラゾラムを処方した。昼休みに食事に行こうと外に出たら、調剤薬局から帰るこのご夫婦とばったり出会った。そのときの本人の症状が笑顔で、僕の前のあの顔つき、態度は何だったのか、安堵とともに拍子抜けした。
 昨晩、タイ政府は12月16日の入国から、「指定の国からの入国で」「ワクチンパスポートを所持し」「搭乗72時間以内のPCR検査が陰性」である人について、現在、タイ入国時に行っているPCR検査をやめて、抗原検査にすると発表した。したがって現在はPCR検査の結果が陰性と判明するまで指定のホテルに一泊隔離されなければならないとしているのだが、それを「隔離は必要なし」ということになる。このタイの新システムは米国が11月から行っている方法とまったく同じだ。僕はタイ政府が遠くない時期に入国時のPCR検査をやめて抗原検査に変更するだろうと、このブログでも書いてきたが、やはりその通りとなった。いよいよ日本だけが、WITH コロナの国際的往来から取り残される可能性が出てきた。
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2021年11月26日

令和3年11月26日金曜

隣のZ市に住むフィリピン人女性52歳、海外渡航のためのPCR検査と英文診断書を求めて来院。フィリピンに一時帰国するそうだ。ずいぶん長い間、帰れなかったからと言う。最近のフィリピンの新型コロナ感染状況の情報についてよくわからないが、彼女の話ではかなり改善されたと話していた。この1年5か月、海外渡航のための検査と診断書を書いているが、フィリピンに帰国するフィリピン人がやってきたのは初めてだ。彼女が一時帰国を決断するぐらい、フィリピン入国のハードルが下がってきたということだろう。その後、偶然にもフィリピンで仕事をしている日本人男性が同じくPCR検査と英文診断書を求めて来院。フィリピンでの新型コロナ感染の深刻な広がりを受けて日本に避難してきていたが、いよいよフィリピンに戻る決心をしたとのことだった。午前中にはインドネシアで仕事をしている日本人男性がやってきた。インドネシアでの感染状況が改善したのを受けて戻るためと話していた。インドネシアでは在留邦人で新型コロナに罹患して亡くなった方がずいぶんいたと聞いたと話を向けると、彼の知り合いで3人亡くなったそうで、そのうちの一人は同じマンションに住んでいる40代の男性だったと教えてくれた。彼自身、新型コロナに罹患して軽い肺炎状態となり、現地の病院を受診したが、途中から医師も看護師も感染の恐怖から病院内で見かけなくなり、診療状況や薬や食事のケアの悪さからこのまま、病院にいると亡くなると思い・・・・仲間に電話して消毒したバンで迎えに来てもらい、日系の医療機関の世話になりながら、自宅でなんとかやりすごしたと話してくれた。命がけでの海外赴任、昨年から多くの海外赴任の方のPCR検査と英文診断書を書いた。会社の命令とはいえ、赴任すること自体が命を落とすかもしれないという極めて大きなリスクを承知で出かけることだったはずだ。彼らの健康を祈らずにいられない。
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2021年11月25日

令和3年11月25日木曜

一昨日の昼、フィリピン人スタッフから電話あり。何かと思ったら、熱傷で包帯交換中の女性が祭日にもかかわらず、クリニックにやってきてしまっているという。23日が祭日であるし、24日は水曜、いつもの休診日なので、今度は木曜日になるよと22日月曜日に来院したときに話した記憶がある。フィリピン人スタッフも話した記憶があるというのに、なぜ、このような行動になるのか、よくわからない。経産省Tecotからメールが来ていた。日本に帰国した方でワクチンパスポートを持っている人については自主隔離が3日と短縮になり、ただし、3日目以後にPCR検査か抗原検査で陰性と判定され、それを監督官庁に報告した場合、一定の制限のもとに事前に申請していた行動計画に沿った活動ができるということになるのだが・・・・帰国者のこの3日目以後のPCR検査または抗原検査を行うかどうか、それをTecotに記載するかどうかという案内だった。PCR検査はReal time PCRかLamp法に限られ、抗原検査は定量検査に限るということだった。金額も提示してほしいということだったので、抗原定量検査について僕のクリニックが契約している検査会社の担当者に電話してみた。すると唾液による抗原定量検査は精度として問題があると最近、言われていて抗原定量検査は引き受けていないとのことだった。すると実質的にはReal time PCRかLamp法によるPCR検査のみとなってしまう。出国だけでなく、入国についてもこんなに費用がかかるのでは、個人では支払いにくいだろう。ましてや家族で・・・というのは困難だ。先日、一家6人でパラグアイに行く家族のPCR検査と英文書類を書いた。これだけで16万89千円程度の負担。費用をいただくのも少し気の毒のような気がしてしまった。
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2021年11月22日

令和3年11月22日月曜

20日の土曜日、毎月来てくれるベトナム人スタッフのほかにAMDA国際医療情報センターから研修にやってきたベトナム人女性がひとり、さらにタイ語のスタッフと常駐しているフィリピン人スタッフなど、たくさんの外国語対応がいてくれたせいではないだろうけど・・・一日の外国人患者数が35人だった。これはずいぶん前の一日33人の記録を抜いて一日の外国人患者数としてはトップの数字だ。33人の記録も実は土曜日だった。土曜の診療時間は4時間なので、小児科と僕で一時間平均8人の外国人患者を診察したことになる。ベトナム人の患者も8人、AMDA国際医療情報センターからやってきた彼女に感想を聞いてみたいし、よき研修となったと願いたい。
 土曜のブログでなにか言い足りないと思っていたが、気がついた。どこかの国では横行しているようだが、医療機関でも医師でもないのにPCR検査の陰性証明書を書くなんて論外。こういうケースではある意味、渡航者もグル、PCR検査を行ったかどうかもあやしい。半年以上前に名前を名乗らない人から僕のクリニックに電話があり、海外渡航用の英文証明書の内容を確認したいのでファックスで送ってほしいという依頼があったが、お断りした。上記のように悪用されかねないからだ。論外は置いておいて、気になるのはPCR検査はどこかで2000円で行って、結果を持ってきたらそれを医療機関で3000円で書くという話だ。まず、ほかで検査をおこなった結果を基に陰性証明を書いてはいけないはずなので、法的にアウト。さらにこれに医師や医療機関がからんでいるとしたら医のモラルも問われるだろう。しかし、一度、証明書として文書となると立派に通用してしまう。出入国の際に証明書を発行した医師、医療機関に問い合わせして確認するなどということは、仮に連絡先が記載してあろうと実質的には不可能だ。ある意味、ざるに近く、ここを通り過ぎる陽性者もきっといるに違いない。念のために僕のクリニックで発行しているすべての書類にクリニックのQRコードを付けている。これで僕のクリニックでまちがいなく発行したということだけはわかると思うから。
 入国に際しての条件は感染者が一向に減らない世界各地でも緩和されつつある。それは欧米では感染者数よりも、重症化するのかしないのか、どれぐらいの人が亡くなるのかという「危険因子」で新型コロナを判断しているからだ。WITH コロナという考え方だ。もはやインフルエンザと同じようなものと判断している節がある。これに対して我が国はこれだけ感染者数が減っても、いまだに何人発生したかが大々的に報道されている。昨日現在の重症者数は72人、これでも感染者がゼロになるまで「戒厳令を続けて」戦うのだろうか。こういう姿勢のちがいは出入国管理にも表れている。搭乗72時間以内のPCR検査が陰性という証明書とワクチンパスポートを持っていることを前提としてのことだが、11月8日から米国では入国時の抗原検査が陰性なら、その後の行動に自主隔離などの規制をかけられることはない。タイでも11月から入国時のPCR検査が陰性と判明するまで一泊は隔離ホテルにいて、陰性とわかれば、どこに行って何をしようが勝手ということになる。しかしながらわが国では同じく11月から規制緩和して入国時のPCR検査が陰性と判明しても自主隔離3日であり、なおかつ仕事の監督官庁に事前に入国後のスケジュールを申請し、許可をもらわねばならないし、それに数週間かかるという。そもそもが米国やタイが観光であろうとビジネスであろうと区別なく門戸を開きつつあるのに対し、我が国ではいまだにビジネス客に限定しているために「監督官庁」が出てくるのだろう。さらに入国後、何日目か忘れたが、PCR検査を受けてその結果を監督官庁に報告しなければならない。これでは事実上、「自主隔離が3日に短縮した」と簡略化をアピールしても、以前と何も変わらないという企業の声も理解できる。土曜も書いたが、新型コロナの管理が世界一うまくいっている我が国だからこそ、我が国が率先してWITH コロナの社会ルールを作っていかねばならない責務があるのではないかと強く思う。
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2021年11月20日

令和3年11月20日土曜

いつも通院してきてくれるアジアの某国の60代の女性、インフルエンザの予防接種にやってきた。接種が終わると、「せんせい、、、」と話しかけてきた。11月の某日に一時帰国すると教えてくれた。そのうえで、「ここでPCR検査と英語の書類を書いてもらえますか」と訊ねてきた。すでにインターネットで検索したらこのあたりは僕のところしかないと知っていたという。検査は72時間以内という制限があり、日程を見ると、当日の早朝渡ししかない。長く通院してきてくれていることもあり、僕自身、いつも朝の7時にはクリニックに来て診療前の仕事を始めているので、出発当日の朝の7時半にお渡しすることにした。「東京に行かなくちゃだめかと思っていたけど、よかった。ありがとう」を何回も言われた。その後の彼女の発言に言葉を失った。「いろんな人に聞いたけど、東京のほうでどこかでPCR検査したら2000円ぐらいでやってくれて、その結果を持ってクリニックに行ったら証明書を3000円で書いてくれるというの、でも怪しいなと思って、もし空港で飛行機に乗れなかったら困ると思ってそっちはやめたの」と話してくれたが・・・これってアウトでしょう。まず、この値段でReal time PCRとは思えないこと、つぎに「別の」ところで行った検査結果で診断書を書くのはもっとアウトでしょぅということだ。話を聞いていて、どうやら彼女の国の都内の一部のコミュニティにこのようなことが横行しているらしいとわかった。そういえば、彼らの一部のコミュニティでは日本の美容師の資格がないのに彼らの中だけで「美容師」として生計をたてていて摘発されたケースもあったし、一部のコミュニティの中の医療機関では母国の看護師で日本の看護師資格のない女性に、明らかに看護師しかできない業務をさせていたところもあった。わが国の新型コロナ発生状況をインターネットで見ると、毎日空港で6人とか7人とか陽性者が見つかっている。搭乗72時間以内の検査時に感染していなくても、旅の始まりから相手国の空港に到着するまではせいぜい20時間程度だろう。この間に発症したと考えることは不可能ではないが、海外からの陰性証明書の中にも上記のようないい加減な、いわば偽造の書類があったとしたらどうだろう? 理論的には「きわめてありうる」と思う。国内外のこのような法を無視したやりたい放題を取り締まる方法はないものだろうか?
診断書は医師が書くもの、ゆえに彼女の国と深い関係にある都内のどこかの医療機関が、医師がこのような違法に積極的に加担しているということになる。もしかしたら医師ではない人が証明書を作成しているなどということもありうる。そしてこういうことがおこるたびに思うのは一部の彼の国の人のために、我が国に住んでいる彼の国の人みんなが白い目で見られるとしたら、懸命にこの国で生きている彼の国の同胞に対して失礼、最大の侮辱ではないだろうか。なんとか取り締まることはできないものかと思う。
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2021年11月19日

令和3年11月19日金曜

熱傷のフィリピン人女性、昨日は比較的すいている時間帯にやってきたので、思い切って痂皮をはがす作業を行った。ちょっと待ってと口にタオルをくわえて、うなりながらも耐えてくれた。全部の痂皮を切除することはできず、あと2回はかかるだろう。
 午後になって日本渡航医学会のメーリングリストで経団連が出した今後の社会のあり方についての要望と提言を読んだ。新型コロナの感染が10月に入り急激に減少したが、その後、ハローウィンなどもあったにもかかわらず、小さなクラスターがあってもそれが野火のように広がっていったというケースはない。今までの波と波の間にも感染者はそれなりにいたが、今は国中で一日100人を下回ることもある。なにが原因なのかは決め手がないのだろうが、少なくとも日本においてはもはや大きな波はこないだろうというのが僕の考えだ。次はどのようにして「もとの社会」に戻していくかだろう。新型コロナはいずれインフルエンザのように季節的な疾患になるかもしれない。ゆえに患者数ゼロを目指して社会を再構築するのは極めて困難だし、あまり意味があるとは思えない。欧米がいまだに感染者数が増えているのは国境を開けようとしているのは感染者が増えても重症者、死者が増えていないからだ。それなら普通の病気でしょという考えだ。僕もこの考えに賛同する。残念なことに我が国では大胆な世界をリードするような方針は出ない傾向にある。世界の潮流を見極めて方針を決めているように見える。僕が提案したいのはワクチンを二回終えた人を全人口の1割程度、ボランティアで募集してマスクを外して行動してもらうことだ。それで3週間経過しても感染者が著増しなければ、ワクチン接種を二回終えた人はマスクをはずしてもいいとし、その後3週間を経過して感染者が著増しなければ全国民がマスクをはずしてもよいと思う。そうなれば飲食店の席の壁のような仕切りも間をおいた席の配置もなくせばいい。今のままでは飲食店は赤字幅が小さくはなっても続くだけだ。
 提言は入国時の対応にも及んでいて、共鳴する部分が多かった。まず、日本に入国する際のPCR検査と自主隔離であるが、現在は日本が認めたワクチンを二回接種して2週間を経過し、いわゆるワクチンパスポートを持っている人は入国時のPCR検査が陰性であっても3日間自主隔離をしなくてはならないとされている。政府によると近々、一日の入国者の上限を5千人とするそうだ。しかし、ビジネスの再開に伴い、観光客の受け入れ再開に伴い、さらに入国希望者が増えた場合、結果に数時間以上かかるPCR検査では対応ができないだろう。日本人はともかく外国人の場合は隔離のホテルの経費も大きな負担になり、人の行き来を妨げる因子となるだろう。ゆえに入国時の検査はPCR検査ではなく、15分程度で検査結果が出る抗原検査とすべきだと思う。「搭乗前72時間以内のPCR検査が陰性という証明書を持っており、かつ新型コロナのワクチン接種を2回終えて2週間を経過し、ワクチンパスポートを持っている人については、入国時の抗原検査が陰性であれば入国後の隔離は不要」というのが経団連の要望で僕もまったく同じように考えている。実はこの方法はつい最近、米国入国時にすでに採用されている。タイ国は11月から新型コロナが深刻に流行してはいないと判定した64か国を対象に同様の仕組みで受け入れを開始してはいるが、ひとつ違う点は「入国時のPCR検査の結果が陰性であれば・・」とPCR検査で入国時の検査を行うため、入国者は1日はホテルに隔離されねばならないし、ホテルまでもホテルの厳重に消毒した迎えの車に乗らなくてはならない。金額的にも大きな負担になる。ただ、タイも急激に入国者の数が増えており、ごく近い時点でPCR検査では対応ができなくなり、抗原検査に移行すると推察している。すなわち、国際的標準はごく近い将来「@新型コロナのワクチン接種を二回受けたという証明書を保持し、接種から2週間を経過している人で、➁搭乗72時間以内に行ったReal time PCR検査が陰性であるという証明書を持つ人は、➂入国時の抗原検査が陰性であれば・・・・入国後に隔離がない」このようになるだろうし、すべきだ。そしてこれは期限限定付きの措置であるべきでいずれ、よき時代のように戻すべきだろう。いずれにせよ、このような提言、経団連からではなく、日本医師会から先に出すべきではなかったかと思うと少々残念だ。
問題はまだひとつある。ワクチンにもいくつか種類があり、どのワクチンをワクチンパスポートとして上記のように利用することについて許可するかということだ。わが国ではファイザー、モデルナ、アストラゼネカ製のワクチンを接種したワクチンパスポートしか、入国時の特例としては認めてはいない。僕のところにやってきた日本人の方で米国でジョンソンアンドジョンソンの「一回接種だけで有効」というワクチンを打ってその証明書を持ってきた人がいるが、ジョンソンアンドジョンソンはわが国では認められていないし、また同社のワクチンはそもそも一回接種で有効ということなので、「二回接種を行って・・」という縛りでワクチンパスポートとしての優遇措置は受けられない。タイでは中国製のワクチンを接種したワクチンパスポートも有効とされており、国によって違いが際立っている。このあたりは厚生行政の話となるのだろうが、ジョンソンアンドジョンソンを打った人には気の毒のような気がしてならない。
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2021年11月18日

令和3年11月18日木曜

きのう書いた脳梗塞(ラクナ梗塞)のフィリピン人の話の続き・・・僕のクリニックにやってきたときに彼が話したのは「右手に力が入らない」だった。僕の両手の指を各々、彼の両手で全力で握ってもらい、僕が指を引き抜こうと力を込める、すると右だけ僕の指がするりと抜ける。これはもう梗塞にちがいないと考えて近くの公立病院に行ってもらった。結果はCTでラクナ梗塞との診断。同病院の医師は念のために入院をするよう、勧めたそうだが、拒否して帰宅したとの報告をいただいた。昨日、彼の弟が高血圧の治療のためにやってきた。彼もそこそこの日本語を話せるのだが、念のためにフィリピン人スタッフを入れて彼女に通訳してもらいながら、兄が脳梗塞であることを告げたところ・・・仰天していた。兄からの話は薬を飲めば治るとのことで、そんな病気とは思わなかったようだ。この弟があわてて本人に連絡をしたところ、本人が電話に出てきた。そこで正確な病名を告げたところ、本人も仰天、これはえらいことになったと話しているという。要するに日本語もあやふや、英語もあやふや、公立病院での医師の話は通じていなかった、理解されてはいなかったということなのだろう。これはよくあることで、フィリピン人といえば英語が通じると思いがちだが、話せない、あるいは簡単な日常会話しかできないという人もかなりいる。おまけに英語のむずかしい医学用語などはわかるはずもない。では日本語で話したらどうかというと、スーパーの買い物ぐらいはできるだろうし、仕事上の単語はわかるだろうが、難解な日本語はわからない。ましてや「なぜ、こういう治療が必要なのか?」などは理解されようがない。フィリピン人のスタッフにタガログ語で話してもらってようやく正しい理解が得られたということが、過去にも山ほどある。今、毎日診ている熱傷の女性もそうだ。こんなところから行き違いが発生、説明したはず、説明は受けていないとか、トラブルの種となる。母国語で説明することの意義はこういうところにある。
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2021年11月16日

令和3年11月16日火曜

先月末ごろから継続的に拝見しているフィリピン人女性の熱傷、やはりかなりひどい。前腕の浅いU度の部分は自然治癒しているが、上腕の深いU度の部分は痂皮が形成されており、脇の下の深いU度の部分も同様。ともに一部はV度となっている。連日の包帯交換の時に痂皮も少しずつはがすようにはしているが、痛がってほんの少しに留まっている。近くの公立病院の形成外科にお願いして入院しての皮膚移植はどうか?と本人に話したが、お金のこともあり、絶対にいやだと言われてしまった。こういうときの医者はつらい。提示した治療を断られ、結果的に自分のところでなんとかせざるをえないという結論に追い込まれてしまう。昨日は本人にいずれ早い時期に時間をつくってもらい、30分ぐらいかけて痂皮をはがそうと提案した。はがすというより切除になる。なんとか応じてくれた。熱傷の部分の下に広範に局所麻酔としてエピレナミンを注射、一気にはがすべきと思う。問題は出血。熱傷の場合のデブリドメントは痂皮の部分は組織が死んでいるため、出血があるところ、すなわち生きていて再生可能な組織のぎりぎりまでを狙って行わねばならない。だから出血はする。出血しすぎると貧血になるかもしれない。またどこかの血管からの出血というのではなく、傷前面から湧くような出血になるだろうから止血もむずかしい。こういう賭けをしなければならないということだ。大きな病院でもしかしたら軽く麻酔をかけて行うことを、クリニックで行わねばならない。患者も大変だろうが、耐えてくれる患者のためにもがんばらねばならない。
 近くの公立病院の神経内科より患者情報が届いた。数日前から上肢の末梢の筋力低下が発現して先週の金曜の朝に来院したフィリピン人男性、これは明らかに神経症状と考え、そのまま近くの公立病院に紹介状を書いて行ってもらった・・・・その報告だった。診察の結果、錐体路徴候もごく軽度に認められるので頭部CTを撮影したところ、ラクナ梗塞と診断したとのことだった。入院を勧めたが、頑なに拒否したのでクロピドグレルを処方したとあった。たぶん、お金の負担を嫌っての入院拒否だろう。こういうケースが少なくない。なかなかコメントができない。
昨日も小児科に米軍基地内からアメリカ人の4歳のお子さん、初診で来院した。
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2021年11月15日

令和3年11月15日月曜

久しぶりに大きな出来事もなかった13日の土曜日、なんだかほっとする。このところ、予防接種を受けられますかという外国人の問い合わせが少なからずある。この時期に「予防接種」と言われると、新型コロナの予防接種なのか、インフルエンザの予防接種なのか、わからなくてややこしい。この日の複数の電話はすべて大和市以外のところに住む外国人からのもので、求めている予防接種は一回目の新型コロナのものだった。僕のクリニックでは今、一回目が終わった方の二回目間接種だけを行っており、それも今週で終わりとなる。いろいろと考えていて、今まで決断できなかったとか、どうしたら接種ができるのかわからなかったとか・・・そんな理由で接種せずに来たらしい。接種しようと決断した理由はどうやら日本から海外に行く際、あるいは日本に帰ってくる際にいわゆるワクチンパスポートを持っていると隔離期間がなくなる、あるいは極めて短くなるなどというメリットがあるためらしいとわかった。これから1回目となるとどこで受けるのだろう。大都会の大規模接種しかないのではないだろうか。そういえば、先週、県の当該科から当クリニックの3回目の接種について12月の中旬から下旬にかけてファイザーワクチンを2本送ると連絡があった。
メールの文書には「2本(12人用)」と書いてあった。当クリニックで接種を行った医療従事者は14人なので、残る二人はどうしたらよいのか?とメールで問い合わせをしたら、「よくある質問」に書いてあるから読むようにとの回答だった。読むと「医療従事者でも医療従事者の三回目からはずれた人は住民接種として受けることになる」と書いてある。すなわち、いつもの予防接種のように後日、1月以後にクリニックに配布されるバイアルを使ってほかの住民に行うのと同様に受けてほしいということだ。14人のうち、だれか二人を「後回し」にしなければならない。どうしようかと看護師に相談したところ、驚くべき答えが返ってきた。「今も1バイアルから7人分、取って接種している。2バイアルだから12人ではなくて14人ぴったり、そういうことではありませんか?」と言う。すばらしい。そうかもしれない。それならぴったり。すると県からのメールには「建前」が書いてあったということか? 13日は二回目接種者のみ32人・・・半数以上が外国人だった。
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