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2008年08月30日

はじめに

AID(非配偶者間人工授精)とは、夫以外の第三者の精子を用いた人工授精のことです。

日本では50年以上の歴史があり、現在も行われ続けています。
精子を提供している提供者については、匿名が原則であり、
これによって生まれた人にも、その情報はあたえられません。
しかしそれ以前に、子どもにその事実を告げる親がほとんどいないのが現状のようです。

しかし日本のなかでも、いろいろな事情により
自分がそのような方法で生まれたということを知る人が出てきています。
そしてこのAIDという技術の問題点を訴え始めています。
また海外では、第三者が関わる生殖技術で生まれた人に、その提供者を知ることのできる情報の提供を
法律などによって保障する国が増えてきています。
日本でも厚生労働省の生殖補助医療部会において、生殖技術のあり方についての検討が行われ
2003年4月には、最終報告書が提出され、ここでは第三者からの精子・卵子・胚の提供を認めると共に
子どもの福祉の観点から、これらの技術によって生まれた子どもの出自を知る権利を認めるという報告がされました。


私はこのAIDという技術で生まれましたが、
現在のこの技術には、その実施の状況、告知の問題、提供者を知る権利等
多くの問題がはらんでいると思っています。
そして、これらの問題が解決されていない現状では、
技術そのものに対して、賛成とは言えないと思っています。


AIDという技術の抱える問題について
それに関わる人々はもちろん、この問題をまったく知らなかった人々にも
少しでもこの問題を知っていただければと思います。