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AEFAアジア教育友好協会はインドシナ半島での学校建設とその建設した学校と日本の学校の国際交流を推進しています。このブログはアジアの子ども、日本の子どもたちのために活動しているAEFAスタッフの活動日誌です。

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パナマ便り〜先住民地域の学校支援〜援童の自由帳[2011年05月02日(Mon)]

私もこのパナマの地から、今回の震災でご家族を亡くされた方々、
長期にわたる避難所生活を余儀なくされている多くの方々の
ことを思いながら、日本へのわずかな援助を含め、
ボランティア活動を続けております。

パナマ便りをお送りいたします。


「パナマは多民族国家である。
人口330万人の中で、ヨーロッパ系白人と先住民との混血(メスティーソと呼ばれる)が70%、白人および黒人系がそれぞれ10%程度を占めるが、自治区に暮らし独自の言語と文化を守り続けている先住民は全人口のわずか10%に満たないが、その存在意義は大きい。
コロンブスが上陸した16世紀初めには、パナマ地域に100万人ほどの先住民が暮らしていたといわれているが、スペインおよびコロンビアとの戦いや内戦、そして伝染病などによって、長い間厳しい苦難を強いられてきた。
大きな歴史の流れの中で、パナマ政府は1953年以来、全国5箇所ある先住民の自治を認め、同じパナマ国民として対等に扱い、貧困地域に対してはさまざまな支援を行って来た。
教育的支援も、極めて重要な国策の一つである。

コマルカと呼ばれる先住民自治区にある学校は、山間僻地など地理的に不便なところが多く、日々の子どもたちの通学や先生方の通勤にも大きな困難がある。また電話などのコミュニケーション手段も未整備で、水や電気の不通など、教育環境整備の課題が山積している。さまざまな問題解決は容易ではないが、教育の普及は徐々に山間僻地にまで浸透しつつある。パナマ人全体の識字率(スペイン語)は、9割を超えており、これは先住民の子どもたちのほとんどが学校に通うようになった成果ともいえよう。

先日、比較的進歩的なコマルカ地区にある学校を、訪問する機会があった。パナマ中部のVeraguas州北部に位置する、児童数140名、教員8名の「Huaca de Ñurum」という中規模校である。1972年に創立された学校で、校舎が老朽化しているため、改修計画が進められている。

Huaca de Ñurum校もそうだが、コマルカ地区の学校では同じ地域出身の先生が多い。自治区で育ち、そこから出て都市部の大学や教員養成学校で学び、教員資格を取得した後、故郷に戻ってその地の子どもたちを教えるというサイクルは、民族意識の強いあらわれとも思う。
先生も子どもたちの様子も、都市部の学校とほとんど変わりはなかった。
授業参観をし、昼休みに先生方の話を聞く。

「教員も教室も足りない。」
「学校に水と電気が欲しい。」
「教科書が十分でない。」

ここでも、いろいろな困難の中で先生方は、日々子どもたちと向き合っている。
パナマ教育改革の一つの大きなターゲットは、このような先住民自治区の学校に光をあて、教育環境改善の努力をすることである。道ははるかに遠いが、やらなければいけない。
休み時間に、子どもたちと話し、遊んだ。
自分たちの民族に誇りを持ち、独自の言葉もあるが、国語のスペイン語も同様に話すことができる。

日本がどこにあるのか、知らない子どもが多かったが、多くの子どもたちの歓迎を受け、溢れるような笑顔に囲まれた。




文責)遠藤正芳

Posted by aefa at 23:45 | 援童の自由帳 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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