パナマ便り 新学校を控えて 〜 援童の自由帳[2011年02月27日(Sun)]
パナマ教育省での教育改革支援に携わって、1年が経ちました。
全国で3300ある小中学校のうち、まだ200校ほどしか訪問できていませんが、
教育改革を進めることのむずかしさを、痛感しています。
子どもたちは、日本と同じように、自宅に近い校区の学校に通うわけですが、市内と山岳僻地、またインディへナと呼ばれる先住民の地域では、教育環境がまるで違います。
市内は2部〜3部授業、僻地は長距離通学や水そして電気の不通、先住民地域では教員や教材不足など、どの学校においてもさまざまな課題が山積しているのですが、なかなか中央行政までは各校の問題が伝わって来ませんので、解決は常に先送りです。
問題点を把握するために学校現場に出向き、校長先生から話を聞き、授業を通じ子どもたちの様子を見て、はじめて学校の実態が見えてきます。
しかしながら、全く発信のない学校も多く、子どもたちや教員の問題、そして施設不良などの課題がそのままになっているケースが多々あります。学校間の情報交換はほとんど出来ていませんので、各学校から教育省の地域支部、そして中央行政という相互の情報パイプをきちんとすることが学校現場の改善には不可欠で、そのシステムも改善していく必要があります。
全国レベルにおける教育環境のボトムアップと併行して、モデル校を新設する教育大臣直轄プロジェクトが立ち上がり、私もアドバイサーとして都度、意見を求められています。
生徒数2000名規模の小中高一貫校を4校新設する計画で、現在設計段階ですが、これもなかなか難問山積です。
僻地の学校訪問ではこの国の教育環境のボトムアップをどうするかを考え、モデル校新設計画では、パナマの教育をリードするビジョンを策定する、という両面のむずかしい課題にぶつかりながら、逡巡し格闘する毎日です。
パナマの小中学校の新学年度が、まもなく始まります。
(文責)遠藤正芳
Posted by aefa at 14:41 | 援童の自由帳 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)