ベトナム中部高原の教育風景―その1 〜理事長の独り言〜[2008年11月27日(Thu)]
[改めて知る、残された少数民族の教育の立ち遅れ]
ベトナムの中部高原とは、中部ダナン市の南西部から南部ホーチミン市の北西部に広がる、カンボジア・ラオスと国境を接する5つの省を指す。その最北部の省がコンツム省である。9月1日から9日、現地に入り現在建設中の学校視察及び、2009年に建設を予定する候補地を視察した。
のどかな緑の多い村・・・開発はほとんどされていない
これまでのベトナム出張で最も貧しい地域に入ったと実感した。ベトナム戦争時代、アメリカに味方したとして、戦後差別が行われた少数民族が多数居住する。しかも戦後は北部からベトナム民族が入植して、コーヒーやゴムのプランテーションを大々的展開した為、少数民族は土地を失ったり、貨幣経済について行けず貧困の度合いを増したようだ。
今回訪問したコントゥム省のToMoRong 郡は人口2万人、ほぼ100%が少数民族、セダン族である。
村にはまともな学校がない。
わらと竹だけで作られた、壁のない学校
戦争前に建設された学校がある場合も、屋根は穴が開き雨漏りがする。窓は壊れて修理もされていない。机イスもがたがた。
ベトナムの近年の目覚しい経済発展の恩恵も、ここには全く到達していない。そこに、少数民族差別の哀しい現実があったような気がしてならない。勿論近年に至って政府も少数民族のための諸施策を打ち出してきている。しかし自分達の生活習慣を変えるような施策についていけず、住民は無教育のまま、従来の半農半狩猟の生活を主としているようだ。
3年前、このコントゥム省に来たときは、胡乱な目で見られ、公安に見張られている視線を強く感じたが、流石に今回は学校建設も中部高原で19校と言うので、歓迎の視線を強く感じた。それなりに私もAEFAも受入れられ始めたと、安心できた。
子どもの目の輝きは、この地でも変わらない
Posted by aefa at 11:41 | 理事長の独り言 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)