カリブ海の離島で学ぶ子どもたち〜パナマ便り[2010年09月02日(Thu)]
パナマ北東部のカリブ海沿岸からコロンビア国境にかけて、350以上の島々が散らばるサンブラス諸島には、5万人ほどのクナ族という先住民が暮らしている。
1925年にパナマ政府から自治権を得て、独自の言語(クナ語)と文化を守り、自給自足の生活を長く続けて来たが、時代の波がこの島々にも確実に押し寄せて来ている。
教育面では、国語であるスペイン語や、算数などの基礎教科が、クナの子どもたちにとっても学ぶべき重要なものと認識され、学校教育改革が進められている。
従来の学校校舎は、キビの茎を並べて壁にし、屋根はヤシの葉で覆った粗末な小屋であったが、1990年代の後半から政府はそれに併設して鉄筋コンクリートの校舎を建設し、教員の派遣と教科書の配布を徐々に行ってきた。
先日、サンブラスのほぼ中心に位置する、ナルネガ島の学校を視察する機会があった。
4教室ほどの新しい校舎は小学生が使用し、古い校舎は中学生が使用していたが、どちらにも室内照明はなく、水も雨水をためて使用していた。
パナマ市周辺で行われているパソコン教育や理科の実験などは、まだまだ遠い将来の課題であろう。
校長先生の話を聞くと、一番の問題は教師の確保だという。
パナマ本土から離島に出向こうという教師は少ないため、クナ族で教師資格を取った教員が戻って来るのを待っている状況とのことだが、自治領における教育実践の難しさを感じた。
さまざまな問題はあるにせよ、子どもたちは、元気一杯。
学校環境は抜群で、朝礼の国旗掲揚では、カリブ海の波音が伴奏をしてくれる。
授業が始まってからも、どこからか子どもたちが校庭に集まって来て、ボール遊びなどをしている。
「もう授業が始まっているよ!」
「今日は、家でお手伝いがあったからね。」
カリブ海では、とてもゆっくりと時間が流れている。
文責)遠藤
NEWS{メールパナマより}遠藤さんが、9月一時帰国されます!!
Posted by aefa at 16:39 | 援童の自由帳 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)