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アドボケーターガイドラインに反対しています。 [2017年12月25日(Mon)]
意見書〜精神科病院に入院中の人々のための権利擁護システムの構築を求め、日本精神科病院協会によるアドボケーターガイドラインに反対する〜

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このアルバムは、人権センターニュース2017年12月号用よりの抜粋です。人権センターニュースの購読・入会などはこちら
Posted by advocacy at 00:00
2017年11月18日 意見書 〜精神科病院に入院中の人々のための権利擁護システムの構築を求め、 日本精神科病院協会によるアドボケーターガイドラインに反対する〜 [2017年11月22日(Wed)]
2017年11月18日32周年講演会「『人間の尊厳』から『強制入院』を考える」は、180名のご参加で無事に終了しました。ご参加くださったみなさま、お知らせなどご協力下さったみなさま、誠にありがとうございました。

内田博文さん(九州大学名誉教授)の基調講演では、私たちが目指す強制入院制度の抜本的見直しとともに、権利擁護システムの構築に向けて理論的根拠を学ぶことができました。また、短期・中期・長期なロードマップの必要性を共有することができました。

リレートークでは、日本の精神医療の現状と課題、この課題の解決に向けた取組が必要であるという熱い思いを、様々な立場から、お話ししていただきました。

当日は、「意見書〜精神科病院に入院中の人々のための権利擁護システムの構築を求め、日本精神科病院協会によるアドボケーターガイドラインに反対する〜」を発表しました。
この意見書では、日精協によるアドボケーターガイドラインが権利擁護システムとはいえず、この制度が導入されると、「アドボケーター」という名称で権利擁護システムが導入されたかのような誤った印象を与え、本来求められるべき権利擁護システムの導入が遅れてしまうという弊害があることを指摘し、精神科病院から独立した第三者による権利擁護システムの導入を求めています。

意見書は厚生労働省等に提出する予定です。
この意見書を是非、多くの方々に見ていただきたいと思います。多くの方々のところに届くよう、どうぞ、協力をよろしくお願いいたします。

意見書はこちら
Posted by advocacy at 16:15
精神保健福祉法「改正」に反対する意見書 [2017年03月17日(Fri)]
2017年2月28日、政府は相模原障害者殺傷事件を受け
精神保健福祉法の改正法案を閣議決定しました。
この法案には多くの問題があります。

当センターでは、厚生労働大臣宛てに
2月22日「意見書〜相模原事件検討チームの報告書を弾劾し、報告書に基づく精神保健福祉法の改正に反対する〜」
3月17日「精神保健福祉法改正に反対する意見書」
を提出しました。

意見書はこちらです。
2017年3月17日

精神保健福祉法「改正」に反対する意見書:反対理由の要点

認定NPO大阪精神医療人権センター


1. 今回の改正法案は,措置入院制度を強化するものであり,強制入院を原則として禁止する障害者権利条約に違反し,脱施設化・地域医療化,任意・自発的医療化に向かう精神科医療の国際的潮流に反するものであり,到底容認できない【反対理由@】(意見書2頁以降)。

2. 精神科医療を治安の道具とみなし,精神科医療の強制化・監視化を強め,精神障害者の人権を侵害し,精神障害者に対する差別と偏見を助長する【反対理由A】(意見書3頁以降)。

3. 今回の改正法案は,障害者に対するヘイト・クライムであるという相模原事件の本質と全く向き合っておらず,相模原事件に対する対応として的外れである。相模原事件は,被告人の思想・自由意思によって引き起されたもので,精神障害による犯行ではない可能性が高く,そうだとすれば,相模原事件は改正法案の立法事実たりえない【反対理由B】(意見書5頁以降)。

4. 今回の法改正は,以下のとおり各論的にも多くの問題点を抱えている【反対理由C】(意見書7頁以降)。

 (i)今回の改正法案は,精神医療に治安維持の目的を持たせるもので,精神障害者本人の利益を図ることを目的とする精神保健福祉法の立法趣旨に真っ向から反する(意見書7頁)。
 (ii)今回の改正法案は,退院後支援計画が作成されなければ退院できないということになりかねず,入院の長期化を招く(意見書8頁)。
 (iii)今回の改正法案は,措置入院者が退院した後も,恒常的に警察を含む行政機関等のネットワークによる監視下に置こうとするもので,措置入院者の個人情報,プライバシーを著しく侵害し,かつ,障害者のプライバシー権を保障する障害者権利条約に違反するものである(意見書8頁)。
 (iv)措置入院者が再犯予備軍として常時監視されることの精神的苦痛,このような扱いを受けることに伴う社会からの差別・偏見の助長,排除の進行など,その弊害は計り知れないものがある(意見書8頁以降)。
 (v)今回の改正法案は,医療関係者に措置入院者の情報提供を求めるものであり,医療関係者の守秘義務と抵触し,医療関係者と措置入院者との信頼関係を根底から破壊する(意見書9頁)。
 (vi)今回の改正法案は,「自傷」と「他害」の根本的相違を無視し,「自傷のおそれ」によって措置入院となった者についても,監視の対象としているのは不当である(意見書9頁)。措置入院の解除は自傷他害のおそれがなくなったことを要件としているのに,既に自傷他害のおそれがなくなったとして退院した者に対して,漠然たる危惧感に基づき,なお「再犯のおそれ」ありとして監視の対象とすることは不当である(意見書9頁)。今回の改正法案は,退院後支援計画は「当該医療その他の援助を行う期間」を定めて作成するとされているが,既に措置解除の時点において自傷他害のおそれがなくなったとされている者に対して,どのような要件がある場合にどのような期間,監視を続けるとするのか不明である。また,医療観察法が通院期間を3年(2年を超えない範囲で延長)と定めていることとの均衡も取れていない。曖昧で科学的に判定不可能な「再犯のおそれ」を根拠に長期にわたり監視を続けられるとすれば,場合によって生涯にわたり永久に監視できるということになりかねない(意見書10頁)。
                          以上



Posted by advocacy at 14:35
相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの「中間とりまとめ」について、厚生労働大臣に申入書を提出しました [2016年10月04日(Tue)]
相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの「中間とりまとめ」について、厚生労働大臣に申入書を提出しました。

2016年10月4日

申 入 書

〜「中間とりまとめ」に対する意見と要望〜


厚生労働大臣 塩崎恭久 様

〒530−0047
大阪市北区西天満5丁目9番5号 
谷山ビル9階
認定NPO大阪精神医療人権センター
代表理事 位 田 浩 大 槻 和 夫
TEL 06-6313-0056 FAX 06-6313-0058


 さる9月14日、厚生労働省を中心にした「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」が事件の検証結果を「中間とりまとめ」として公表しました。
 当センターは、事件をきっかけに措置入院の制度や運用の在り方の見直しのため有識者会議を設置しようとする動きに対し、精神医療を治安の道具にするような議論が予想されたことから、その設置に強く反対することを表明し、貴大臣に申し入れを行いました(本年8月1日付申入書  )。ところが、上記検討チームによる「中間とりまとめ」は、当センターの懸念がまさに現実のものになるものでした。
 私たちは、精神医療制度を犯罪防止のために用いるような議論ではなく、精神障害者に対する差別と偏見をなくし、精神障害者が地域で穏やかに暮らし、安心して精神医療にかかることができるような制度や社会をつくるための議論を行うことを求め、以下のとおり申し入れます。

1 「中間とりまとめ」は、容疑者の緊急措置入院と措置入院の各判断、入院中の診療、措置解除の手続、措置解除後の対応などについて、時系列をおって、現時点で把握できている事実関係をもとに、それぞれの時期における担当医や病院、自治体などの対応の問題点をあげ、事件の再発防止のための今後の検討課題を指摘しています。
  はたして容疑者は精神障害者であったのかという根本的な疑問はおくとしても、措置入院制度に原因を求めようとする検討チームの議論では、犯罪防止を目的とするため、いきおい措置入院期間の長期化や措置解除後の管理や監視を強める方向につながっていかざるをえません。
  たとえば、「中間とりまとめ」では、容疑者の入院中に、措置解除後を見据えた退院後の治療方針や治療継続のために必要な対応の検討が不十分であったとしたうえ、医療観察法に基づく入院医療が参考になるとしています。しかし、医療観察法に基づく入院医療は、入院期間の長期化が問題となっており、受け入れ先がないために入院継続をよぎなくされる社会的入院化が進んでいます。医療観察法を参考にすることには賛同できません。
  また、容疑者の退院後の継続的医療など支援内容が検討されることなく措置解除がされたことが問題とされ、措置権限を有する都道府県知事等が退院後の支援内容や関係機関の役割を確認して必要な調整を行うことができるような制度を検討することが指摘されています。しかし、本件では入院時に措置要件を備えていたかどうかに疑問が残るうえ、仮に措置要件が備わっていたとしても、その後に措置要件が消失すれば入院を強制することはできません。上記のような制度をもうけると、措置要件がなくなっているにもかかわらず、退院後の支援内容や関係機関の役割を都道府県知事等が確認できないことを理由に退院できず、入院が長期化する事態が生じかねません。
  さらに、容疑者が措置解除後に通院治療を中断したことが問題とされ、地方自治体が関係機関による支援を調整して患者に必要な支援を確保していく仕組みや、患者が通院中断に至らないようにするするための仕組みを検討することが指摘されています。これらの仕組みについても、退院した精神障害者を保健所や病院などの監視の網の中においたり、あるいは強制的な通院を制度化することにもなりかねず、精神障害者の自由と人権を制限していくことにつながります。
  「中間とりまとめ」は、措置入院制度を犯罪予防のために見直そうとするもので、精神障害者の福祉の増進を目的とする現行精神保健福祉法からも逸脱するものです。そのほか措置要件の有無を判断した精神保健指定医の資格に疑義があったことがほとんど取り上げられておらず、入院者の人権保障の視点を欠いているのではないでしょうか。

2 日本の精神医療制度のもっとも重要な問題は、世界に類をみない30万床を超える病床数をいまだに温存し、多くの精神障害者が長期入院や社会的入院を強いられ、その自由と権利を奪われていることです。人口あたりの強制入院者数は欧州平均の約10倍に及んでいます。措置入院や医療保護入院といった強制入院を中心とする日本政府の精神医療政策が、精神障害者は何をするか分からないから社会から排除しようとする差別・偏見を生み出し、精神障害者がともに地域で暮らす共生社会の実現を阻害してきたのです。
  容疑者は、措置入院前に、「障害者は不幸を作ることしかできない」「障害者を殺すことは不幸を最大まで抑えることができる」などとして、障害者の大量抹殺を宣言した手紙を衆議院議長に提出していました。容疑者がこのような観念を持つにいたった経過や犯行動機などについては、容疑者が精神障害を有していたかどうかを含め、今後の司法手続の中で明らかにされていくことです。ただし、少なくとも事件の背景に、「劣等な障害者を社会から排除する」という優生思想が存在していたことはまぎれもない事実です。
  容疑者の持っていた優生思想は、現行の精神医療制度に内在する精神障害者排除の論理と軌を一にするものではないでしょうか。
  精神障害者が病院を退院し、他の人々とともに地域で穏やかに暮らすことができ、安心して精神医療を受診できる、そうした受け皿づくりを早急に進めること、このような作業を通じて精神障害者が何をするか分からないといった差別・偏見をなくしていく努力をしていくことが、優生思想に基づく今回のような事件の発生を防止することにつながっていくと考えます。
  厚生労働省においては、精神科病床を減らして長期入院者と社会的入院者をなくし、精神障害者が地域であたりまえに生きていける社会の実現に速やかに取り組むことが求められています。

3 「中間とりまとめ」は、現行の精神医療制度のもとで精神障害者が地域社会で共生できていない現実に対する認識が欠けています。逆に精神障害者に対する監視と管理を強化する方向での議論が進められています。
  当センターは、このような「中間とりまとめ」を前提として今後策定されようとしている「再発防止策」について、精神障害者の自由と権利を奪うような内容になるのではないかと危惧せざるをえません。
  私たちは、精神障害者との共生社会を阻んでいる精神保健福祉法上の強制入院制度の廃止を含む見直しを求めるとともに、精神障害者が地域で平穏に暮らし、安心してかかれる精神医療を実現するための受け皿づくりを検討課題にすることを強く要望します。
以上
Posted by advocacy at 21:09
申入書〜相模原市障害者殺傷事件に対する政策の議論のあり方について〜 [2016年08月01日(Mon)]
2016年7月26日未明に相模原市の障害者施設で発生した事件に関しする政策の議論のあり方について、大阪精神医療人権センターでは、厚生労働大臣に対し、以下の申入書を提出します。  
2016年8月1日


申 入 書
〜相模原市障害者殺傷事件に対する政策の議論のあり方について〜


厚生労働大臣 塩崎恭久 様

〒530−0047
大阪市北区西天満5丁目9番5号 
谷山ビル9階
認定NPO大阪精神医療人権センター
代表理事 位 田 浩
代表理事 大 槻 和 夫
TEL 06-6313-0056 FAX 06-6313-0058

当センターは、『扉よ、ひらけ』をスローガンに、精神科病院の閉鎖性や密室性によって生じる精神障害者に対する人権侵害を防止し、安心してかかれる精神医療を実現させるための活動を30年にわたって続けている、当事者、家族、精神科医療福祉従事者、弁護士、市民等で構成される特定非営利活動法人です。

今回の事件をきっかけに設置されようとしている有識者会議について、以下の通り申入れます。



1 不十分な情報から議論をスタートさせてはいけない

 今回の事件は、まだ捜査が始まったばかりで、被疑者が精神障害者であったかどうか、措置入院の要件があったかどうかを含め実態の解明がほとんど進んでいません。
 それにもかかわらず、塩崎厚生労働大臣は「措置入院後のフォローアップのあり方を充実していかなければならないという指摘もありうる。」として措置入院後の対応のあり方を検討する考えを示し、厚生労働省は措置入院の制度や運用の在り方について見直しのための有識者会議を設置する方針を固めたと報道されました。また、安倍首相が措置入院のあり方の見直しも含め再発防止策を検討して速やかに実行することを指示したとも報じられています。
 かつて池田小学校事件を受けて心神喪失者等医療観察法ができたときも、当時の小泉首相が「精神的に問題がある人が逮捕されても、また社会に戻ってひどい事件を起こす」と言って刑法の見直しを検討するよう指示したことがきっかけになって、法制定が急に進められたことを思い出します。事件を起こした加害者は、裁判で完全責任能力が認められ、司法の中で責任が問われました。結局、加害者は心神喪失者等医療観察法の対象者にはならず、仮にこの法律が池田小学校事件の発生以前にあったとしても、事件を防ぐことはできませんでした。それどころか、心神喪失者等医療観察法は、いまや入院者の入院の長期化という人権侵害を招いています。
 事件の結果の重大性に目を奪われて、被疑者に措置入院歴があったというだけで、あたかも措置入院制度を見直せば今回の事件が防げたかのような議論をすることは間違っています。不安をかきたてることで精神科病院を退院できる人が退院できないという事態を招くことになりかねません。


2 今なされるべき議論は何か

 今は、まず被疑者に対する措置鑑定の結果を再検討し、診断や治療の内容(治療可能性、治療目標)などを検証しなければなりません。そもそも被疑者に措置入院の要件である精神障害があったのかどうか疑問があるからです。
 報道によれば、被疑者の病名については、大麻精神病とか妄想性障害とされているようです。大麻は、入院後の検査で検出されたということですから、措置鑑定のときに診断されたのかどうかも疑問であり、いずれにしても分からないことが多くあります。
 また、被疑者は措置入院になる前に施設職員に対し「重度の障害者は生きていてもしかたない。安楽死させたほうがいい」などと言い、障害者を殺すかもしれないと判断した施設が警察に通報したとされています。このような被疑者の考え方が危険だということで措置入院にしたとすれば、精神科病院を危険思想の持ち主に対する保安処分施設代わりに利用したものといえます。これは、精神医療に社会防衛の役割を求めるものであり、許されるものではありません。
 被疑者による犯罪予告がありながら、警察による犯罪予防で対応するのではなく、精神医療にいわば丸投げするようなことがどのような経緯(国、県、県警、市、施設の「連携」)で行われたのかが検証される必要があります。
 措置入院制度のあり方を見直すという議論は、犯罪防止という警察行政の問題を精神医療で解決しようとすることにつながりかねず、この点からしても、厚生労働省の打ち出した上記方針には強く反対します。


3 措置入院解除の厳格化や解除後の監視強化につながる議論にしてはならない

 被疑者に対する措置入院の解除や措置解除後のフォローが不十分であったことが問題であったかのような報道がされています。措置入院制度の見直しという厚生労働省の上記方針にも同じような問題意識があります。
 しかし、入院時に措置要件があったかどうか疑問があることは先に述べたとおりです。それよりも、被疑者に対する措置入院を解除しないで精神科病院に閉じこめておけばよかったとか、措置入院解除後に監視をしておけばよかったかのような議論は、ただでさえ長期入院や社会的入院による人権侵害を受けている精神障害者の退院を困難にするばかりか、社会復帰後も治安対象として監視するという人権侵害を引き起こします。
 池田小学校事件の後、医療側の自主規制があって強制入院が増え、社会に対する患者や家族の怯えから入院期間が長期化しました。厚生労働省の上記方針で検討が進められるのであれば、措置入院の長期化や退院後の管理強化が制度化されかねません。
 精神医療を治安の道具にするような議論が予想される有識者会議の設置には、強く反対します。
以上
Posted by advocacy at 12:13
声  明 [2016年05月31日(Tue)]
声  明


1 長年「収容主義」と批判されてきた日本の精神医療は、今日でも精神科病院の入院者数が約29.7万人(人口1万人当たり約23人)に達しており、世界的にみても突出して多い。社会的入院の解消もほとんど進んでいない。それに加え、近年入院者に対する隔離や身体的拘束が増えつづけ、とくに身体的拘束はこの10年で2倍となっている。人身の自由を剥奪された精神障害者の状況は現在、非常に深刻な事態にある。
2 このような現状は、精神保健福祉法の定める強制入院の実体的及び手続的要件が緩やかすぎるうえ、強制入院や行動制限に対する権利救済制度がきわめて不十分であることに起因している。これらの点を早急に改善しなければならない。
  まず、「医療及び保護のために入院の必要がある」という緩やかな要件のもとで精神保健指定医1名による診断と家族の同意だけで強制入院を可能とする医療保護入院制度については、廃止を含む抜本的な改正が必要である。また、都道府県により新規入院患者数が大きく異なる措置入院制度についても、措置要件を厳しくするとともに運用基準を明確にすることによって制限していくことが必要である。
  次に、強制入院となった精神障害者には、精神科病院や行政機関から独立した権利擁護者を付けることが必要である。現行の精神保健福祉法には精神医療審査会による審査制度はあるものの、その実態は病院から提出された書面をチェックするだけである。この審査によって強制入院が見直されたケースはほとんどなく、人身の自由を保障するためのチェック機能を果たしていない。強制入院の要件の存否について、独立した機関が実質的な審査を行う制度を速やかに構築するべきである。入院者には、審査手続において弁護人(権利擁護者)を公費で選任し、直接聴聞を受ける権利が保障されなければならない。また、入院者が退院を請求したり行動制限に対する改善を求めたりする際にも、権利擁護者を選任できることが必要である。
  このような役割を担う権利擁護者は、入院者の人身の自由を確保し、入院者による諸権利の行使を支援するために、入院先の精神科病院や行政機関に対し、モノを言える地位にある者でなければならない。
3 ところで、入院中の精神障害者の意思決定及び意思表明を支援する者として「アドボケーター」という制度を導入しようとする意見がある。「本人の立場で気持ちや状況を理解し、必要に応じて代弁することで、本人が自分の気持ちに正直に生き、主体的に精神科医療を受けられるように側面的に支援する者」と定義され、入院者との面談内容を病院に報告するものとされている。
  しかし、アドボケーター(権利擁護者)という名称とは裏腹に、この制度は人身の自由を奪う強制入院を最小化する視点を欠くばかりか、精神科病院と連携して強制入院下の医療を受け容れさせるための役割を支援者に果たさせようとするものである。また、退院請求など入院者の権利行使を積極的に支援することを目的としたものでもない。とくに入院者の情報を入院者と対立する病院側に提供することは、入院者との信頼関係を破壊する行為といわざるをえない。このような制度は私たちの求める権利擁護者とはまったく異質のものであり、その導入には強く反対する。
4 2014年1月に日本が批准した障害者権利条約は、障害者に対し、他の者との平等を基礎として、いかなる場合においても自由の剥奪が障害の存在によって正当化されないことを確保すること、障害者がいずれの手続を通じて自由を奪われた場合であっても、国際人権法による保障を受ける権利を有することやこの条約の目的及び原則に従って取り扱われること(合理的配慮の提供によるものを含む)を確保することを国に求めている(同条約第14条)。
  精神保健福祉法の定める精神障害を理由とする強制入院制度を根本から見直すとともに、入院者の権利行使を支援する制度を早急につくることが求められている。

2016年5月28日
NPO大阪精神医療人権センター総会・記念講演会参加者一同

Posted by advocacy at 11:10
厚生労働省大臣に「聖マリアンナ医科大学病院で発覚した精神保健指定医の資格取得の不正についての意見書」を提出しました [2015年04月28日(Tue)]
聖マリアンナ医科大学病院で発覚した
精神保健指定医の資格取得の不正についての意見書

2015年4月28日

厚生労働省大臣 塩 崎 恭 久 様

〒530−0047
大阪市北区西天満5丁目9番5号 
谷山ビル9階
NPO大阪精神医療人権センター
代表理事 位 田 浩
代表理事 大 槻 和 夫
TEL 06-6313-0056 FAX 06-6313-0058


 当センターは、『扉よ、ひらけ』をスローガンに、精神科病院の閉鎖性や密室性によって生じる精神障害者に対する人権侵害を防止し、安心してかかれる精神医療を実現させるための活動を29年にわたって続けている、当事者、家族、精神科医療福祉従事者、弁護士、市民等で構成される特定非営利活動法人です。

 さる4月15日、厚生労働省は、聖マリアンナ医科大学病院において精神保健指定医の資格を不正に取得したとして20名の資格を取り消すことを公表しました。精神保健指定医は、措置入院、医療保護入院、応急入院などの強制入院や隔離・身体拘束などの行動制限の必要性を判断する権限があり、措置入院の必要性の判定などにおいては「みなし公務員」として職務にあたることになります。そのため、指定医になるためには、関係法規等に関する研修を履修し、かつ、法令で定められた一定の実務経験を有することなどが要件とされています。このような指定医の資格が不正に取得されていたとすれば、実質的に権限のない医師の判断により強制入院や行動制限がなされていたといえ、患者の人権を侵害するものです。入院患者の権利擁護の観点からみて決して看過することはできません。
 しかも、医療技術だけでなく倫理面も含めて医師を育成し社会に送り出す責務のある大学病院での事件であることからすると、今回のケースは氷山の一角に過ぎず、指定医を育成する他の病院でも同様のことが行われているのではないかと当センターは危惧しています。

 精神保健福祉法は、強制入院や行動制限など入院患者の自由や権利に対する制限を広範に認めています。他方で、入院患者の権利や尊厳を守る視点はあまりに不十分であり、精神医療審査会などの権利擁護制度は機能しているとは言いがたい現状にあります。
 今回の問題は、一病院における指定医資格の不正取得にとどまらず、指定医に強制入院や隔離・身体拘束という権利侵害を伴う強力な権限を与えている精神医療制度そのものの問題とはいえないでしょうか。日本では国際的水準からして人口あたりの精神科病床が4倍と多すぎるうえ、強制入院と隔離・身体拘束数が飛び抜けて多く、年々増加し続けています。権利制限が濫用されているといってもよい現状も、指定医がいったん判断すれば、強制入院や隔離・身体拘束の必要性や妥当性を実質的にチェックできていないことから生じています。
 このような状況を見直し改善するためには、強制入院や隔離・身体拘束の最小化とそれを推しすすめるための第三者機関による監視体制が必要不可欠です。

 新聞報道によると、厚生労働省は今後、不正取得した医師と指導医の計20人について業務停止などの行政処分を検討するとのことです。
 しかし、今回の事件を単なる資格の不正取得の再発防止にとどめてはなりません。精神保健福祉法や精神医療制度自体を入院患者の人権と尊厳を軸として根本的に見直し改革することが必要であると当センターは考えています。そのためには、患者の立場に立った第三者による監視制度が必要であり、当センターがすすめている精神科病院への訪問活動等の患者の人権保障のしくみを導入することを強く求めます。
 厚生労働省には、入院患者の権利擁護を促進するために積極的に取り組んで頂きたいと思います。

以上


Posted by advocacy at 13:20
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