(1/27) オンラインイベント「忘れないでアフガニスタン〜第二弾〜」が開催されました [2021年01月27日(Wed)]
皆さまこんにちは。 学生インターンの佐久間萌花です。 2020年12月19日に「忘れないでアフガニスタン〜第二弾〜」がオンラインイベントとして開催されました。 ADRA Japanは、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(以下JPF)に加盟し、アフガニスタンで復興支援活動を行う16団体の一員として、イベントの実行委員を担当しました。 今回のブログでは、パネリストや基調講演をされた方々のお話をご紹介して、皆さまと一緒にアフガニスタンの「今」と「これからの復興支援」について考えたいと思います。 (アフガニスタンでの医療に尽力した故・中村哲氏に感謝が述べられた) イベントは共同通信社カブール支局通信員安井浩美氏、在日アフガニスタン大使館のバシール大使による挨拶から始まりました。 ここでは、アフガニスタンでは未だにテロ行為が止まないこと、今年発生したテロ組織による産院への襲撃など、非人道的で残虐な事件についての話がありました。 暗い気持ちになってしまう話題ですが、そのような状況でも自国を復興すべく奮闘してきたアフガニスタンの人々を忘れないでほしいというメッセージや、トルコで訓練を受けるアフガニスタンの女性警察官の存在などポジティブな変化もお話しされました。 続いてのパネルディスカッションでは特に女性や子供たちの権利の弱さについて強調されました。 アフガニスタンは女性の社会的地位が非常に低い国といわれており、国際連合が発表しているジェンダー指数(就学率などにおいて男女間の格差がどれほどあるかを示す指数)では世界で下から2番目となっています。 長い戦争の影響により一般的に女性たちは学校に行く権利がない、あるいは行けたとしても高等教育までは進めない、学べる科目が限られてしまうなど大きな制約があります。 この結果、読み書きができる女性の割合は37%にとどまっています。 また、アフガニスタンの女性達は文化的障壁など様々な原因から保健・医療施設を利用しづらい状況に陥っています。 妊娠高血圧症候群や産婦人科医の不足により多くの女性の命が奪われており、2000年から2010年までの間には毎年1万人以上の妊産婦が亡くなっています。 イベントではこれを受けてNGO職員として働く二人のアフガニスタン女性から、以下のようなメッセージが紹介されました。 「アフガニスタン女性は希望を完全に失ったわけではなく、今も様々な課題と戦っています。 いつかこれらの課題が解決され、保険・医療施設やより高度な教育へのアクセス、女性に対する暴力のない生活環境などが手に入る日が来ることを期待しています。」 次いで、Your Voice Organization代表のサビルラ氏(Sabirullah Memlawal)からのスピーチでは世界中に混乱を及ぼしている新型コロナウイルス感染症がアフガニスタンの人々にも大きな影響を与えていることについて照会がありました。 2020年の8月まで私立・公立共に政府によって学校は停止され、子供たちは教育の機会を、先生達は収入を失ってしまいました。 さらに輸入に強く依存しているアフガニスタンでは国境が封鎖されたことにより物の値段が高騰し、生活に余裕がなかった人々は必要なものさえも得られなくなってしまいました。 依然として支援を必要とする厳しい状況が続いていますが、アフガニスタンの人々が状況を変えるために努力していることやボランティア団体と共に人々のニーズを満たすべく活動していると語るサビルラ氏の声は力強いものがありました。 (サビルラ氏による現地の生活の説明の様子) イベント全体を通して、講演者皆さまからのお話だけでも未だに続くアフガニスタンの厳しい状況を痛いほど感じました。 しかし同時に発言者は皆、復興に向かって努力する活動の様子を説明されており、目の前の状況を変えていきたいという強いパワーが伝わってきました。 日本からは情報が得られにくいアフガニスタンですが、ADRA Japanはできる限り現地の情報を収集し、発信していくように努めます。 様々な課題に苦しんでいる人々、戦っている人々、そして希望を忘れずにいる人々のことを忘れずに支援を続けていきます。 (執筆:ADRA Japanインターン 佐久間 萌花) ADRA Japanのホームページはこちらです ADRA Japanフェイスブックページ ADRA Japan Twitterアカウント |