(11/5) 令和2年7月豪雨で被災した熊本県人吉市での活動報告 Vol.1 [2020年11月05日(Thu)]
ADRA Japanは、令和2年7月豪雨の影響で4,000件以上の家屋被害があった熊本県人吉市の復旧のお手伝いを実施しています。 7月豪雨では人吉市中心部での浸水は最大7.25mの高さに達するほどの水量が押し寄せたために床上浸水の比率が大きく、1階の天井近くにまで達したお宅が多くありました。 甚大な被害が発生しているにも関わらず、従来であれば全国から駆けつけてくるであろうボランティアも新型コロナウイルス感染拡大を防止するために活動ができませんでした。 また、私たちのような支援団体も多くは被災地から離れた場所に拠点があり、現地での活動を始めるにあたり慎重にならざるを得ませんでした。 県内の団体などは精一杯活動をされていますが、人手や資金が足りず復旧は思うように進んではいません。 被災地では、居宅が多量の泥に埋もれ、日々カビが浸食していく姿を目の前にして、どうしてよいか判らずに家屋の修復を諦めてしまう住民の方が増えつつあります。 (人吉市内の被災した家屋) 現在ADRA Japanは、地元団体である「アーキレスキュー人吉球磨」の後方支援というかたちで復興活動を実施しています。 「アーキレスキュー人吉球磨」は、今回の水害を受けて現地で立ち上がった団体で、被災した住宅に関する様々な相談にのり、具体的な解決策を提示していくために作られました。 住民への相談窓口を設置し、浸水した家屋の泥だしや乾燥方法等について住民に向けた講習会などを実施し、また人吉市社会福祉協議会等とも連携しながら活動をしています。 現在まで約80件の相談を受け、各家の被害状況に合わせた対応と説明をしています。 最終的にどのような選択をされるかはもちろんその住民の方ご自身ですが、何をどうすれば良いかが全く分からない中で、参考としていくつかの方法をお話しするだけでも、今後の対応を検討するための材料となります。 (床下の作業をするボランティア) 市内のお宅へ困り事がないか伺いに行った際に聞かれた声を紹介します。 「知り合いの大工さんに壁と床剥がしてもらったんたけど、カビが心配なので、測定してもらえますか? (測定後)あー、目に見えないけど、カビがあるところにはあるのね。でも、わかって安心したわ。」(60代女性) 「もう自分は独り暮らしで、この家は解体する予定で、引っ越すところを探しているけど、全然見つからない。最低限住めるように自分で簡単な修理をしたけど、床下の泥はそのままだから、かび臭くてね。まあ、仕方ないよなぁ。」(60代男性) 「独り暮らしで、夜勤の仕事なので、全然片付けが進まなくて。(ボランティアさんに片付けをお願いできると聞いて)知らなかった、助かります、是非申し込みたいです」(50代女性) (専用の検査キットを使用してカビの発生状況を調査している様子) (専用の検査キットを使用してカビの発生状況を調査している様子) 次回のご報告では現地での活動の様子をさらに詳しくお伝えする予定です。 皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 ※令和2年7月豪雨被災者支援事業(人吉)は、皆さまからのご寄付のほか、ジャパン・プラットフォームの助成も受けて実施しています。 (執筆:国内事業課担当 三原千佳) ADRA Japanのホームページはこちらです ADRA Japanフェイスブックページ ADRA Japan Twitterアカウント |