(6/12) 【スタッフのつぶやき】支援現場において最も大切なこと [2020年06月12日(Fri)]
皆様、いかがお過ごしですか。 事務局長の浦島靖成です。 ADRA Japanは現在、ネパールで小児保健事業を行っています。 ある時、支援をしている保健施設に2歳にして体重3,500gの女の子がやって来ました。 日本女児の成長曲線を見ると、生後2か月で下限が3,500gを超えますので、それを考えると、驚異的な小ささであると言えます。 よくぞ2年間命を落とさずにきたと思います。 このようなことになった背景について話をよく聞いてみると、ネパールの人たちが信頼を寄せる対象として、伝統的ヒーラーの存在があることが分かりました。 彼らは、病気にかかった人などがいると、昔から伝わる民間療法で対処することに加えて、お祈りやおまじないなどの宗教的儀式も行います。 そんなものに任せておいたら、いつまで経っても子どもたちの健康が確保できない、一刻も早く止めさせて、きちんとした医療を受けさせるべきだ、と言いたくなります。 ですがそこは宗教や信仰の話です。 そう簡単には行かない事情があります。 先進国にも自分の信仰を理由に治療を拒否して亡くなっていく方々もおられます。 健康回復ということを第一に考えるのであれば、そんなことはすぐにやめさせなければなりません。 しかし、かく言う私も信仰を持つ者なので、そのメンタリティは理解しています。 常識的に考えてそれがどんなにナンセンスなことであったとしても、信仰は時に命をかけて守らなければならないものなのです。 そうした思いを持っている人に対して、健康回復ということだけを理由にして信仰を捨てろとは言えないし、そのようなことを言ったとしても決して理解をしてはもらえません。 支援に携わっていると、時々こうした場面に直面します。 そして、支援の手を差し伸べるとは、人を助けるとはどういうことか?という問いに直面するのです。 最も大切なことは、その人の必要に応えるということです。 時にその人自身が自分の本当の必要に気づいていないこともあります。 ですので、それを一緒に探していくことも支援には含まれるのです。 だから寄り添う姿勢が何よりも大切です。 それぞれの支援の現場において、一人ひとりに寄り添いつつ、共に一番の解決方法を見出していきたいと思います。 (執筆:事務局長 浦島 靖成) ADRA Japanのホームページはこちらです ADRA Japanフェイスブックページ ADRA Japan Twitterアカウント |