(7/10)【緊急支援】中国四川地震被災者支援事業 vol.2 [2013年07月10日(Wed)]
事業部の小出です。
前回6月12日のブログでは、四川省の省都である成都付近で発生した地震で被災した住民の方々に対し、ADRA Japanが現地支部であるADRA Chinaを通じて救援活動を行なっていることをお伝えしました。この活動は、(特活)ジャパン・プラットフォームから資金援助を受けています。 今回、救援活動の様子を確認するため、6月22日から26日にかけて現地を訪問しました。 ![]() 到着した成都の街には地震の影響はなく、通常の生活が営まれていました。今回の地震の特徴は、地震の影響が地域全体に及ぶのではなく、山沿いの農村集落に大きな被害が集中したということにありました。これは、成都付近の地形と、この地域の地殻プレートの動きによるものと推測されています。 ![]() 四川盆地周辺の地形(注1) 四川省の中心部はまわりを山に囲まれた盆地で、成都はその端、チベット高原との境近くに位置しています。 ![]() 四川省周辺の地殻プレート構造(注2) この地域は、大陸側のユーラシアプレートと海側からのインド・オーストラリアプレートが衝突していて圧力がかかりやすい地域で、2008年5月に起きた四川大地震もそのようなメカニズムによって発生したと言われています。 下の図で、黄色の丸印は2008年の地震の震源地を、赤い星は当時、余震が発生した場所を示しています。そして青色の矢印の先が、今回の地震の震源地とみられているところです。前回と同様、四川盆地とチベット高原との境界地域で今回の地震も発生しました。 ![]() 2008年の震源地、余震発生地、および今回の地震の震源地(注3) ADRA Chinaの成都事務所のスタッフに、地震発生当時の様子について話を聞きました。最初に、成都事務所責任者のタン・ユーの話をご紹介します。 「4月20日の朝に大きな地震が発生しました。2008年の大地震の時ほどではないにしても、これは大変なことになると感じました。テレビ報道で、震源地は成都から南西へ150km下った雅安(ヤーアン)市付近だとわかったので、すぐに、その近くに住んでいるワンさんに連絡を取りました。ワンさんは長く軍隊で仕事をしてきましたが、アドベンティスト教会の教会員で、2008年の大地震の時にはボランティアとして大きな働きをしてくれた人です。ワンさんに、とにか現地の様子を確認しに行ってもらうようにお願いをしました。」 ![]() 成都事務所責任者のタン・ユー タンからの連絡を受けたワンさんは、次のように話してくれました。 ![]() ワンさん 「タンさんからの電話をうけて、すぐに車で震源地である雅安市に向かいましたが、雅安市手前の40kmのところからは車が通れない状態でした。そこから先は山間地になるのですが、あちらこちらで土砂崩れが起こり、道路が寸断されていて、交通が麻痺していたんです。すでに夕方でしたが、それから夜通し歩いて、明け方近くに震源地付近の芦山(ロンシャン)に到着しました。 |