(8/19) ベトナム便り vol.1 【目指します ― ベトナムと日本の社会の調和】 [2022年08月19日(Fri)]
2021年11月より、 トヨタ財団の国際助成プログラム 「出稼ぎ労働者と外国投資家への 文化的教育による社会の調和の実現」 にADRAが参画することになりました。 2021年現在、日本で働くベトナム人は 約23万人おり、日本に住む外国人全体の 14.6%を占めています。 なぜ、これほど多くのベトナム人が 日本で働いているのでしょうか? 理由として、日本では、 第1次産業・第2次産業における労働力の減少と 高齢者増加による介護不足等が深刻であることと、 ベトナムでは日本での働き口が、 収入面や技術習得面、文化面からの憧れから 人気が高いことが挙げられます。 特に、日本で働くベトナム人の約半数が 「技能実習生」という名目で一番多くなっています。 ベトナム人は手先が器用で、まじめな性格は 日本人によく似ていると言われるため、 労働人口が減少する日本における活躍が 期待されています。 ところが中には、 日本の慣習や労働規則などに対する理解不足から、 事件やトラブルに巻き込まれてしまうベトナム人も います。 そのような問題を未然に防ぐため、 日本へ出稼ぎに行くベトナム人労働者が、 来日前に日本の文化・習慣、労使関係、 労働規則のほか、 ベトナム人労働者と日本の雇用主との間で 理解の相違が起こりやすいポイントを 学ぶことができるハンドブックの作成を 進めています。 6月8日、ワークショップが現地で開催され、 日本で就労経験がある人と これから日本での就労を希望する人々が集まり 意見や情報の交換を行いました。 3月に実施されたアンケート調査と このワークショップで得られた貴重な意見と情報は、 作成中のハンドブックに盛り込まれ、 最大限に活用されることになります。 <6月に開催したワークショップ> ハンドブックは完成後、 日本で就労を希望しているベトナム人と、 日本とベトナムの関連機関に配付する予定です。 さらには、投資家や雇用主へも普及させることを 目標としています。 最終的に、このハンドブックが 日本での就労を計画しているベトナム人の方々の 研修マニュアルとして活用され、 長期的にベトナムとの労働協力における信頼構築に 寄与するだけでなく、 SDGsに掲げる雇用、 ジェンダーにおける平等性などの課題の改善にも 役立つことを期待しています。 ※この活動はトヨタ財団様からの助成のほか、 皆さまのご寄付によって実施しております。 ご支援に心よりお礼申し上げます。 (執筆:ベトナム事業担当 杉千幸) |