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(5/17) パラグアイ便りVol.15 アロエを育てて自分達の健康を守る。クラブ活動で高齢者の皆さんに健康と生きがいを [2017年05月17日(Wed)]
ADRA Japanは2015年3月から2016年7月にかけて、パラグアイ首都のバニャード・スール地区で、地域の方々を対象にした「高齢者クラブ」を開催しました。

高齢者クラブは健康啓発活動の一環で、ADRAスタッフを中心として保健推進医と協働して行なった事業です。

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クラブ活動の様子


このクラブでは、地域の高齢者のリクエストを基づいて、スタッフが講義や健康のための活動を行ないました。このクラブを通じて、高齢者たちに自己管理の重要性を学んでもらうことが出来ました。

バニャード・スール地区はもともと高齢者の多い地域です。彼らは若い頃に十分な教育を受けていません。そのため、健康に関する正しい知識が備わっていませんでした。
高齢者クラブに参加していた一人のおばあさんは、足に傷がありました。傷口はむき出しになっており、化膿してハエがたかってしまうほどでした。

「どうして病院に行かないのですか」とADRAスタッフが尋ねると、おばあさんは「これくらいの傷は、病院に行くくらいでもないよ」と答えました。「病院までたどり着くための交通手段もない」と言います。


地元の医師によると、正しい処置をせず傷を化膿させてしまう患者さんは非常に多く、傷口から虫がわいてしまう患者さんも珍しくありません。また、クモに刺された傷を放置した結果、傷跡の穴が広がってポケット状になってしまう人もいるそうです。このようになってしまうのは、地域の方が処置の必要性を知らないためです。


ADRAは、地域の方々が身近で手に入れることができ、手軽に健康の自己管理ができる方法としてアロエ療法を考えました。アロエには殺菌作用と傷の治りを早くする効果があります。また成長に多くの水を必要としないため、手間をかけず簡単に育てることができます。


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アロエを手に、説明を受けるクラブ参加者の皆さん


アロエの苗は、地元の方の協力で用意し、高齢者クラブの参加者に配りました。アロエ療法について説明するパンフレットも作成し、住民のリーダーに渡しました。リーダーには、処置の方法を説明し、責任を持って管理をしてもらうようにお願いしました。また、住民にも処置方法を忘れた時には、リーダーに聞きに来るように話しました。

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パンフレットを見るリーダーたち


ADRAが講義をしてからしばらくして、高齢者クラブのおばあさんに話を聞くと「傷を放っておいたままにせず、きちんと自己管理できるようになった」と話してくれました。

その言葉通り、化膿していた傷はだいぶ良くなっている様子でした。それだけでなく、自分の家の庭にアロエを植えてくれたというのです。ADRAの活動が地域住民への意識づけに役立った結果でした。

バニャード・スールの高齢者の方の中には、たくさんの「知りたいこと」「学びたいこと」があります。粘土細工をしたり、体操や歌を唄うなど、ADRAは彼らが興味を持ったさまざまなテーマで健康増進のための活動を行ないました。健康管理に関係するものだけでなく、人権をテーマに講義を行なったこともありました。

これまで学ぶ機会が少なかった皆さんにとって、新しいことを「知る」ことは、視野を広げ、考えるきっかけになります。そして考えることで、行動に移すことができます。ADRAの活動が、高齢者の皆さんにとって、生きがいや、考えるきっかけになってくれたら嬉しく思います。


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地域の子どもたち


*本事業は、皆様からのご寄付のほか、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しました。


(執筆: インターン 木下歩美、パラグアイ事業担当 野崎明美
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Posted by ADRA Japan at 14:59 | 開発支援 | この記事のURL
(3/31) パラグアイ便りVol.14〜「妊産婦クラブ活動」母親たちと共に砂糖が与える害について考えました〜 [2017年03月31日(Fri)]
ADRA Japanは南米パラグアイの首都アスンシオンにあるバニャード・スール地区において、乳幼児を持つ母親たちを対象に、健康についての講義を行ないました。講義のテーマは「砂糖が与える害について」という内容で、「妊産婦クラブ活動」の中で開催しました。母親たちは健康や栄養に関して知識や関心がなく、講義を受ける前は赤ちゃんに炭酸飲料を哺乳瓶で飲ませていました。彼女たちは講義の後、「赤ちゃんの骨や歯に影響を及ぼすなんて考えもしませんでした」と話をしてくれました。

ADRA Japanが開催した「妊産婦クラブ活動」の目的は、女性たちに出産や子育てにあたって必要な基礎知識を知ってもらうことです。健康を意識した食事や望ましい生活習慣を伝えることにより、母子ともに健康に暮らせる習慣を定着させることが狙いでした。


【パラグアイ】妊産婦クラスの様子.jpg
「妊産婦クラブ活動」の様子


【パラグアイ】授乳の方法を伝える.jpg
母乳について講義をする様子


パラグアイでは食事と共に炭酸飲料を好んで飲む習慣があり、親は当然のようにそれを自分の子どもにも飲ませています。砂糖が多く含まれている炭酸飲料は肥満や虫歯、そして骨の発育不全などの健康問題を引き起こす原因になります。特に成長にとって重要な小児期に砂糖を過剰摂取すると、骨や歯の発育に影響を及ぼします。しかし、多くの母親たちは「炭酸飲料が乳幼児の飲み物として適切ではない」という健康的な食事に関する知識を持っていません。

また、健康的に対する知識がないために、牛乳や粉ミルクを与える習慣もあまりありません。パラグアイには検診の際、子どもの身長、体重測定、出産週数に基づいて低体重と診断された子どもには粉ミルクを無料で支給するシステムがあります。しかし、母親たちは牛乳の栄養が子どもにとって必要であることを理解していないために、現金になるからという理由で支給された粉ミルクを転売してしまうこともあります。実際に、必要な栄養を与えられず育った結果、発育不全に陥る子どももいます。

砂糖の与える害について考える講義では、目で見て確認をすることができるように、実際に炭酸飲料500mlに含まれる砂糖をボトルに入れて母親たちに見せました。自分たちが摂取している砂糖の量が一日に人間が必要とする量をはるかに超えていることを伝えると、彼女たちはとても驚いた様子でした。そして、成長過程の子どもに与えるリスクを説明すると納得してくれた様子でした。

講義を聞いた後、あるお母さんは「砂糖が肥満や糖尿病の原因になることは知っていたけれど、骨や歯に影響を及ぼすなんて考えもしていませんでした。これからは気を付けていきたいです」と話をしてくれました。

今後、子どもたちの健康のために母親たちの意識が変わってくれることを期待しています。


【パラグアイ】庭で遊ぶ兄弟.jpg
家の庭で元気に遊ぶ兄弟たち


*本事業は、皆様からのご寄付のほか、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しました。

(執筆: インターン 木下歩美)

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Posted by ADRA Japan at 10:00 | 開発支援 | この記事のURL
(2/24) パラグアイ便りVol.13〜「子どもたちの未来のためだから」高床式診療所の建設と地域住民の嬉しい変化〜 [2017年02月24日(Fri)]
ADRA Japanは2015年3月から2016年7月にかけて、南米パラグアイの首都アスンシオンにあるバニャード・スール地区において、地域の保健・衛生啓発の拠点である診療所を高床式に新築する活動を行ないました。ADRA Japanの活動はそれまで地域の衛生環境に関心のなかった地域住民の方々にも影響を及ぼし、「子どもたちの未来のためだから」と自発的な行動変化を見ることができました。

活動地であるバニャード・スール地区は河原のすぐ近くに位置しており、洪水の被害を受けやすい地域です。傾斜した地形の低地側にあるため、大雨や洪水のたび高台にある都市からごみが流れ着いたり、近隣にあるゴミ山からも汚水が流れてきたりしています。また、この地域のトイレは作りが簡素なため、洪水があると簡単に汚物が流れ出てしまいます。このような要因が重なり、この地区では洪水が起きると衛生環境が悪くなります。そして、清掃などといった浸水の後処理に時間を要します。地域唯一の保健機関である診療所も浸水してしまうため、長期わたり、具合の悪くなった住民のケアができなくなるなどの問題を抱えていました。


洪水被害.jpg
(高台から見た洪水地)


以前の診療所 床上浸水状態.jpg
(洪水が起きた際の、以前の診療所の様子)


ADRA Japanはこのような事態を改善するため、現地のADRAパラグアイと協働し、診療所が洪水に左右されずに保健サービスを提供できるよう、床を2メートル上げた高床式の診療所を現地に建設しました。


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(ADRA Japan が建設した高床式の診療所)


診療所が完成した去年の11月、実際に大きな洪水が起きました。高床式診療所はまったく浸水せず、業務も停止することなく地域巡回を続けることができ、具合の悪くなった住民のケアをすることができました。
ADRAパラグアイのスタッフからは「洪水が起きても平常通りに必要な医療を提供できる環境を造ることができた」と、ADRA Japanへ喜びの声が寄せられました。

また、ADRA Japanがこの地区で活動をしたことにより、診療所周りに住む地域住民の方々に変化が表れました。これまで衛生に対して関心の薄かった住民たちが、ぬかるみがちだった診療所の周辺にアスファルトを敷いたり、雨水が地面であふれないように排水管を整えたりと、誰に先導されるわけでもなく、自分たちの周りを綺麗にしようと動き出しました。彼らにその理由を尋ねると、「子どもたちの未来のためだ」と語ってくれました。地域住民の方々が自分たちの力で環境を良くしていこうとする姿をとても頼もしく思います。


道路整備.jpg
(地域住民たちがコンクリートを敷いている)


ADRA Japanのパラグアイにおける活動は皆様からの温かいご支援により最後まで行なうことができました。今回ご報告した高床式診療所の建設の他、高齢者クラブでの活動などにも取り組みました。次回のパラグアイ事業のご報告の際は、保健改善の取り組みについてご紹介をしたいと思います。

(執筆: インターン 木下歩美)

*本事業は、皆様からのご寄付のほか、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しました。

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Posted by ADRA Japan at 12:00 | 開発支援 | この記事のURL
(7/15) パラグアイ便りVol.12 〜健康的な生活を支える地域保健〜 [2015年07月15日(Wed)]
3月からパラグアイに駐在している野崎明美です。

パラグアイでは、首都アスンシオン市のバニャード・スール地区の住民の健康状態改善に取り組んでいます。

ここバニャード・スール地区で住民の健康状態や意識を改善していく上でのキーパーソンは地域診療所に配置されている「地域保健推進員」です。しかし彼らには保健の予防啓発活動などのノウハウがありません。

私たちADRAスタッフは、この事業を通して保健推進員に対し、
・保健予防啓発活動をどのように組み立てるのか
・その活動に住民を巻き込むためにはどのように呼びかけていくのか
・どのような方法で教えるのか、
といったことを具体的に指導していきます。

その後、それぞれの保健推進員が活動計画を立案し、住民への保健予防活動を行います。私たちはその活動にも付き添い、適宜アドバイスをし、必要に応じて活動を改善していきます。

貧困による健康障害は多々見られます。健康的な食事に対する無関心により、腹を満たすことだけを考えて油分と糖分の多い食事を選んでしまう母親たち。生まれた時から不衛生な環境にいるため、それが当たり前だと思ってしまい清潔さを求めない生活。目の前に落ちているペットボトルにジュースが残っていると当たり前に飲んでしまう行動。空腹のため、ゴミの山から食べられそうなものを見つけて食べてしまう習慣。そんな、私達には考えられない行動や生活が当たり前の生活になっている人たちもいるのです。

そのような住民たちに健康についての興味を持ってもらい、「予防をすることで病気になりにくくなる」、「健康な身体により生活が変化する」ということを感じてもらうための活動を、地域診療所の健康推進員と共に行なっていきます。

行動変容というのはとても難しいことですが、きっかけとなる活動を行い、住民が自ら行動を起こせるようなお手伝いをしていきます。


事業地バニャード・スール地区の実状

以前のパラグアイ便りでも、この地区について少しお伝えしましたが、もう少し、ここに住む人の日常をお伝えしたいと思います。

パラグアイの首都であるアスンシオン市には、多くの人々が仕事を求めて流入しています。しかし住む土地がなかったため、街の近くを流れるパラグアイ川流域のバニャード・スール地区(「バニャード」とはスペイン語で「湿原・びっしょりとぬれた」という意味、スールは「南」)に住まざるを得ない人々もいます。この地区は低地になっており、雨が降ると高地にある中心街からの雨とごみが流れ着きます。水はけも悪いため、一度溜まった水はなかなか乾かないまま汚染されていき、汚臭を放つようになります。

町の中心部では路上生活をしなければなりませんが、バニャード・スール地区では政府から最低限の住居が与えられます。また、アスンシオン市全体から集まってくるゴミの集積所があり、そのゴミ山からアルミ缶やペットボトル等を集めてお金に換えることができるので、ごくわずかながら現金収入を得ることもできます。そのため、人々はここから離れることができないのです。


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住民たちは、右中央のゴミの山から売れるものや食べられる物を漁ってくる。
ゴミの山の傍にはベニヤ板やビニールシートで建てた家屋が立ち並んでいる


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ゴミの流れる川の中を歩いて自宅へ帰る住民


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大雨のたびに流れ着くゴミであふれる川。その周りは子どもたちの遊び場となっている


雨季になると毎年のように川が氾濫し、この地域は洪水に見舞われます。水は大人の膝の高さまでに及び、多くの家では生活ができなくなります。その状態が約3〜4ヶ月、長い場合には6〜7ヶ月に及ぶこともあります。その期間、住民は政府が簡易的な家屋を提供している高台や避難所へ避難します。


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一晩の雨で冠水し、患者さんが来られなくなった診療所前の道路


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行き場をなくしたゴミが流れ着いた民家の庭


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塞がれた水路のゴミの撤去作業中


水が常に溜まっている場所でも、人々が往来しています。よく見ると、水たまりの中には虫が沢山います。話を聞くと皮膚の中に入ってくる虫だそうです。

下水路がごみで詰まって流れが滞るため、雨が降るとさらに状況は劣悪になります。私が見たときには、数日経ってから行政によって重機が導入され、水路からゴミが除去されましたが、今後もこうしたサービスが継続されるか否かは政府の意向次第です。


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資源ごみを売りに行く子ども


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汚染された沼で魚釣りをする子ども


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地域に住む子どもたち


ADRAは保健推進員を対象とした研修のほかに、洪水が起きても浸水しない高床式の診療所を建てる予定です。事業地にあるサン・ブラス診療所はこれまで何度も浸水してその度に掃除に追われてしまい、そこで働く医師や保健推進員は本来の仕事ができずにいました。彼らの仕事が中断されないよう、新たな診療所を建てて地域に貢献します。

これからパラグアイは雨季に入ります。今年は例年より1か月早く雨が降り始めて川の水位の上昇が始まっており、住民にとって一番過酷な時期が迫ってきています。

今後も皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。


(執筆:パラグアイ事業担当 野崎明美)

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Posted by ADRA Japan at 17:22 | 開発支援 | この記事のURL
(12/1)  12月1日は、世界エイズデー [2014年12月01日(Mon)]
世界エイズデーは、世界規模でのエイズ蔓延の防止、AIDS(エイズ)患者やHIV感染者に対する差別・偏見の解消を目的として、1988年に世界保健機関(WHO)によって定められた国際記念日(国際デー)です。
この日は、世界中でさまざまなイベントが行なわれ、今もなお世界中でエイズに苦しんでいる人へ向けてメッセージを送り、啓発活動を通じて差別・偏見の解消を図るためにキャンペーンが行なわれています。日本においてもシンポジウムや学会などが、12月1日前後に開催されています。

ADRA Japanも南スーダンでの活動の中で検査やカウンセリングが受けられるセンターを運営していたほか、啓発活動に努めてきました。


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2014年12月に南スーダン・ナシールで開催した世界エイズデーのイベントの様子


世界エイズデーのシンボルはレッドリボンです。レッドリボンは、もともとはヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものでした。このレッドリボンがエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わり頃でした。このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨークのアーティスト達にもエイズが広がり、エイズに倒れて死亡するアーティスト達が増えていったのです。そうした仲間達に対する追悼の気持ちと、エイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、レッドリボンをシンボルにした運動が始まりました。


この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越え、世界的な運動として発展し、レッドリボンはUNAIDS(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージの表れでもあります。


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ところで皆さんは、エイズ予防のABCをご存じですか?
A: Abstinence
B: Be faithful
C: Use of Condoms
つまりAは結婚前(成人前)にセックスをしない、
Bはパートナーは1人にしぼる、
Cはコンドームを使用する、ということ。


世界エイズデーを機会に、今一度HIVやエイズについて考えてみませんか?


(執筆・ライティングボランティア 立石淳子)


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Posted by ADRA Japan at 13:48 | 開発支援 | この記事のURL
(11/19) 11月19日は世界トイレデー。事業地のトイレをご紹介 [2014年11月19日(Wed)]
日本は、世界で最もトイレに恵まれている国のうちのひとつです。家の中はもちろん、駅やコンビニなど外にいてもトイレを利用することができます。当たり前のように聞こえますが、海外のトイレ事情と比較すると、これはやはり特別なことなのです。

世界の全人口のうち、約35%の人々はいまだにトイレを使えない状況にあります。つまり、屋外で用を足している人々がまだまだ大勢いるのです。そのような屋外排泄が原因で、排泄物に含まれる病原菌が人の手やハエなどを介して人体に入り込み、下痢などの病気を引き起こしています。そしてなんと、一日あたり約2,000人もの子どもたちが下痢性疾患で命を落としているのです。

国連によって定められたミレニアム開発目標では、2015年までに世界人口の75%がトイレを使えるようになることを目指しています。さらに2001年11月19日には世界トイレ機関(World Toilet Organization)が設立され、これまであまり表沙汰になってこなかった世界のトイレ問題に取り組んでいます。この日は、後に国連により世界トイレデー(World Toilet day)と定められました。

1990年に約49%だったトイレを使える人口の割合は、2012年末には約64%まで向上しています。しかし、2015年までに世界人口の75%がトイレを使えるようにするという目標の達成は、現状からすると困難であるように思います。


私たちは国際社会の一員として、世界のトイレ問題にどのように取り組んで行くことができるでしょうか?また、トイレを切実に必要としているのはどんな人々でしょうか?

緊急性という視点から考えると、戦争時や災害時が思い浮かびます。家を失った多くの人々が一時的に集まる難民キャンプでは、常にトイレが足りない状況が続きますし、排泄物の処理も大きな問題となります。

エチオピアの難民キャンプの例を見てみましょう。

2013年末に南スーダンで内戦が勃発した後、多くの人々が難民となってエチオピアとの国境近くの町に流入しました。現地の難民キャンプにはトイレがありませんでした。そのため、人々はしかたなく屋外で排泄を行なっていました。この難民キャンプで大きな問題となっていた衛生状態の改善のため、ADRA Japanはトイレと手洗い場を作りました。


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(短期間使うことを想定した簡易型のトイレ。水害への対策として土台を高くしてあり、手前にあるバケツは手洗い用)


このような難民キャンプでは、衛生状態を改善するためにもトイレの設置は緊急を要するものとなります。

それでは、その他にトイレが必要となるのはどういった状況でしょうか。

トイレは教育とも大きな関わりがあります。衛生教育の一環として、学校のトイレは大きな役割を果たすほか、就学率にも影響します。

アジアや中東の国々では、学校のトイレ設備と女子生徒の就学率に大きな関わりがあることが明らかになっています。特に思春期以降の女子生徒にとって、プライバシーが守られ、安心して使えるトイレが学校にあるかどうかは深刻な問題です。インドでは24%の女子生徒が、トイレがないということを理由に学校を辞めているという調査結果もあります。

女子生徒にとってトイレ設備の有無は、多くの国において切実な問題なのです。

ADRA Japanが行なっているアフガニスタンの教育支援事業でも、学校のトイレの設置が重要でした。学校施設を整えたことで女子生徒が学校に通えるようになったため、彼女達が使えるトイレを準備する必要があったのです。


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(ADRA Japanが支援して建てたトイレの外観)


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(トイレの内部。床と壁はコンクリート製)


世界では様々な理由でトイレを必要としている人々がたくさんいます。今後も世界の人口が増えるにつれて、清潔で十分な数のトイレを設置することは公衆衛生上の重要な課題であり続けるでしょう。11月19日の「世界トイレデー」をきっかけに、日々、当たり前に使っているトイレの重要性や素晴らしさを捉え直してみてはいかがでしょうか。


(執筆:ライティングボランティア 傳 隆司)

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Posted by ADRA Japan at 16:52 | 開発支援 | この記事のURL
(11/6) 11月10日は「いい井戸の日」 [2014年11月06日(Thu)]
11月10日は一般社団法人全国さく井協会が定める「いい井戸の日」です。なぜ11月10日が「いい井戸の日」なのかというと、いい(1)井(1)戸(10)の語呂合わせなのだそうです。
もともと2001年から富山県鑿井協会が1月10日を「井戸の日」としていたのですが、2006年より全国さく井協会による「いい井戸の日」に移行しました。毎年、11月10日には地下水・井戸の大切さを理解するための活動が行なわれています。

地下水に限らず、水は人間の活動や社会にとって必須のものです。しかし、アフリカ東部にある「アフリカの角」と呼ばれる地域では気候変動の影響から降雨量が減少し、干ばつが頻発しています。2011年には、過去60年間で最悪の干ばつが起き、深刻な食糧危機が発生しました。

ブログでも何度か紹介してきましたが、ADRA Japanが活動するケニア共和国東部州キツイ県ムインギ中央郡はこのアフリカの角に位置し、住民は水不足に悩まされています。ムインギ市の中心地では、いわゆる水道を利用することもできますが、断水も多く2週間水が来ないこともよくあります。

このような中、ほとんどの住民は水源として季節河川やロックキャッチメント(Rock catchment)と呼ばれる、ため池・雨水タンク等を利用しています。
季節河川は雨が降った時にだけ流れる川で、雨が降り終わると数日で干上がってしまいます。住民は干上がったあとも地面を掘り、地下に溜まった水を汲んで利用します。またロックキャッチメントとは、同地にいくつかある丘のような大きな岩にできた「くぼみ」、もしくは岩の形状に合わせて人工的に作ったコンクリート壁を利用したため池のことです。他にも、屋根に降った雨水をタンクに溜めて利用したりもしています。いずれも降雨に頼っており、水源としては不十分かつ不安定です。たとえば12月に降った雨を溜めた池は、2月には干上がってしまいます。


ケニア写真3.jpg
季節河川を掘り起こす人々


このような水源では安定的な水の供給に不安がある上、家畜も同じ水源を利用するため汚物や雑菌が混ざりやすく、衛生面でも問題があります。現地では水を媒介にした感染症である下痢症、腸チフス、赤痢などが発生しています。
さらに、水源の多くは人々の居住エリアから遠く、確保した水を運ぶのも大変な労働です。子供たちが水運びの労働力になることが多いのですが、何キロも離れた水源から水を運ぶことで疲れ、学校に行かなくなってしまうといったケースも見られます。


ケニア写真5.jpg
水源に集まる家畜


こうした中、ADRA Japanは2012年9月より「干ばつ対応力強化事業」に取り組んでいます。井戸掘りもその活動のひとつです。下の写真のような掘削機を用い、これまで平均170mの深さの井戸を5基設置しました。また、井戸の設置に伴い給水施設の設置も行なっています。


写真1.JPG
掘削機



井戸の管理運営を行う水管理委員会のメンバーである住民からは、「これまで約25 km離れた川まで水を汲みに行っていたが、井戸のおかげでその仕事がなくなるのは本当に助かる」といった声が聞こえました。こうした井戸は、並行して行なっている事業のひとつである食糧供給活動の麻袋農法や、共同農園のような小規模農業において重要な水源になっています。井戸掘削を含めた活動を通じて、これまで確保が厳しかった水が安定供給されるようになり、住民の生活向上につながっています。

蛇口をひねれば飲用可能な水が出て、少し歩けば池や川を見ることができる日本ですが、11月10日のいい井戸の日に、過去のブログにも紹介されているケニアの現地活動報告をご覧いただき、水の重要性やその有難さを考えていただけたらと思います。


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共同菜園の様子(写真奥が完成した井戸)


(執筆:ライティングボランティア 竹内 友規)

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Posted by ADRA Japan at 11:25 | 開発支援 | この記事のURL
(10/16) 10月16日は世界食料デ― [2014年10月16日(Thu)]
世界には今もなお、飢餓や栄養不良に苦しむ人々がいます。
自分たちの食生活から世界の食料問題を考える日。それが10月16日の「世界食料デー」です。

「世界食料デー」とは、国連が制定した世界の食料問題を考える日で、1981年から世界共通の日として制定されました。世界の一人ひとりが協力しあい、重要な基本的人権のひとつである「すべての人に食料を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としています。

実際には、世界中の人々が十分に食べることができるだけの食料は生産されていると報告されています。では、なぜ、世界では飢餓に苦しむ人々がいるのでしょうか。

その一因として、これまで輸入に頼らず食料自給をしていた地域で、局地的な異常気象が発生することが挙げられます。このような場合、世界的に見ればすべての人々が十分に食べることができるだけの食料は生産されていても、それを輸入する術がない人々は十分な食料を手に入れることができず、飢餓や栄養不良に陥ってしまうのです。

ADRA Japanが事業を行なってきたケニアも例外ではありません。
2011年、ケニアでは過去60年間で最悪の干ばつによる食糧危機が発生しました。2012年より、ADRA Japanはこの干ばつの影響を受けた地域で、現地の人が今後発生するであろう干ばつに対応する力をつけることを目標とした事業を実施しました。この事業についてはこちらをご覧ください。
https://blog.canpan.info/adrajapan/category_37/1

この事業では給水、衛生改善、食料確保を目的とした小規模農業支援活動を行ないました。今回は「世界食料デー」にちなんで、食料確保のための活動をご紹介します。

ADRAが事業を行なった地域では雨水を利用した農業が一般的で、降雨量が農作物の収量に大きく影響します。2011年の干ばつ時には雨不足により穀物が枯れ、収量が減ってしまったことから、事業地では食事の回数を1日1回にしなければならないほどの食料不足に陥りました。また2013年3月の時点では、5歳未満の児童のうち約10%が栄養失調に陥っていました。

こうした状況を改善するため、ADRAが行なった食料確保のための方法の1つが、サック農法です。


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サック農法で野菜を育てている様子


サック農法とは、麻袋を使って野菜を育てる方法です。麻袋の底に土と肥料を混ぜて入れ、その上に切ったペットボトルを利用して石を筒状に詰め、その周りに土を入れます。水は中央部の石の部分に注ぎます(上の写真は水を注いだところです)。土に比べて水の浸透がよいため、少量の水でも麻袋全体にまんべんなく水が行き渡り、効率的に野菜を栽培できるのです。

土の混ぜ具合や土の状態などにもよりますが、麻袋農法で必要な水は、麻袋一つあたり1日約5リットル。通常の農業に比べてはるかに少ない水で野菜を育てることができます。

上の写真だと少しわかりにくいですが、麻袋の横には穴が開いており、そこに野菜の苗を植えます。これが成長すると・・・


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こんなにたくさんの野菜が育ちます。もはや麻袋が見えないほどです。

この写真の中央に写っているエリザベスさんは、「今まではほとんど野菜を食べる機会がありませんでした。今は家族みんなで野菜を食べることができて幸せです」と話してくれました。

ADRAは女性グループの代表者たちにこのサック農法を指導して種子を配付しました。彼女たちが学んだこの手法を地域住民に普及させることで、食料を自給できるようになることを目指しました。ケニアのような地域では、干ばつに強い穀物や農作物の栽培、乾燥地帯に適した農業技術の普及を行なうことで、持続的で自然災害に影響されにくい食料の確保が可能となります。


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種子を受け取った女性


「世界食料デー」にちなんで、ケニアにおける食料確保活動の一部をご紹介しました。ADRA Japan は今後もケニアでの事業を行なう予定です。事業にまつわる様々なことをお伝えしていきたいと思いますので、またこちらのブログをチェックしてみてくださいね。

秋は食べ物が美味しい季節。「世界食料デー」であるこの日、私たちの身近な食料から世界の課題を考えてみませんか。

まずは、知ってください。「世界食料デー」という日のこと、そしてこの日が制定されている背景を。

伝えてください。「世界食料デー」を通してあなたが知ったこと、そして考えたことを。

同じように私たちも現状を知り、何が必要とされているかを考えて、活動を続けます。1日も早く、また1人でも多くの人が安全かつ十分な食料を持続的に手に入れることができ、世界の栄養不良や飢餓、極度の貧困が解決するように。


(執筆:インターン 松川 聡)

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Posted by ADRA Japan at 19:56 | 開発支援 | この記事のURL
(9/19) 9月21日は「国際平和デー」です。 [2014年09月19日(Fri)]
平和への祈りを込め、全世界に紛争や戦闘の停止を呼びかける日。
それが9月21日の「国際平和デー(International Day of Peace)」です。

この日を定めた国連は、すべての国家とすべての人々に対して、この日は敵対行為を停止するか、あるいは平和に関する問題についての認識の向上などを図るように勧めています。

世界を見渡せば、シリアやイラクでの内戦やパキスタンの紛争など、今も各地で激しい争いが続いています。そのため、何の罪もない住民が普通に暮らす自由を奪われ、住み慣れた土地を離れ、劣悪な環境で不安定な日々を送っているのです。食糧不足も深刻です。明日の平穏な暮らしを望めない人々が、世界には一体どれほどいるのでしょうか?

東アフリカにある、世界で一番若い国である南スーダンの人々も例外ではありません。

2005年、20年以上もの長い南北間の内戦を経て南北包括和平合意が結ばれ、2011年7月にスーダンから独立した南スーダン。ADRAは2006年から現地に入り、支援活動を開始しました。生々しい戦闘の傷跡がいたるところに残る中で、2006年には周辺国などに避難していた難民の帰還支援や生活再建支援を開始し、さらに2008年からは学校や診療所の建設、学校給食の提供、識字教育、職業訓練など、さまざまな支援活動を行なってきました。

そして誕生した「南スーダン共和国」で人々は新しい生活を始め、着々と自立に向かって歩みを続けていました。


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菜園トレーニングで農業技術を伝える(2012年)


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現地スタッフによる栄養指導(2013年夏)


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世界食糧デーのイベントでの1コマ(2013年10月)


しかし、新しい国づくりが着々と進んでいると思われていた2013年12月、首都ジュバ市内において反政府勢力と政府軍による銃撃戦が勃発しました。騒乱はまたたく間に広がり、ADRA Japanの現地スタッフも隣国のウガンダやエチオピアに緊急退避しました。その後、多くの住民がエチオピアやケニア、スーダン、ウガンダなどに難民として押し寄せました。


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川から飲み水を得ている避難中の人々


2014年3月、ADRA Japanは再びスタッフを現地に派遣し、南スーダンとエチオピアの国境地域であるパガックと、エチオピア側の難民キャンプでの緊急支援活動を開始しました。現在はトイレ・手洗い場・ゴミ捨て場の設置や排水路の整備、清掃活動など、衛生環境を改善するための活動に取り組んでいます。


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衣服の清潔のため、洗濯にも使えるタライを配付した


今も各地で武力衝突が続く南スーダン。国内避難民は90万人を超え、約30万人もの人々が国外に避難しています。衛生環境は少しずつ改善してはいるものの、まだまだ支援が十分には行き届いていません。そして、多くの子どもたちが栄養失調や病気によって命を失っています。


武力や暴力は、人々に何をもたらすのでしょうか?

9月21日、ニューヨークにある国連本部ビルにおいて、「日本の平和の鐘」が鳴らされます。

誰もが幸せを分かち合えますように。
どんな状況にあろうとも、希望を絶たれることがありませんように。

平和の尊さを伝える鐘が鳴り響くこの日、みなさんも平和の意味を考え、祈りを捧げてみませんか?


(執筆:ライティングボランティア 小野寺ルリ子)


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Posted by ADRA Japan at 18:57 | 開発支援 | この記事のURL
(8/8)8月10日は「道の日」です [2014年08月08日(Fri)]
8月10日は「道の日」です。

1920年8月10日に日本で最初の道路整備長期計画 が実施されたこと、また8月が「道路ふれあい月間」であることから、道路の意義や重要性について関心を持ってもらうきっかけにするため、国土交通省が定めました。

私たちの生活に欠かすことのできない社会的基盤である「道」。あまりに身近すぎるせいか、その大切さを意識することはほとんどないかもしれません。

ADRA スタッフが活動地にたどり着くまでにもさまざまな道がありますが、平坦な道ばかり、なんてことはありません。今日は「道の日」にちなんで、ADRA の活動地へ向かう「道」のうち、いくつかを抜粋して紹介します。今回取り上げるのは、ネパール、ジンバブエ、南スーダンの道です。


まずは、母子保健事業に取り組んでいるネパール中西部のカリコット郡への道。

首都カトマンズからカリコット郡へ行くには、まず1時間飛行機に乗り、地方都市のネパールガンジへ行きます。そこから車で3時間かけて途中のスルケット郡まで行き、翌日の移動に備えて一泊します。スルケット郡からカリコット郡までは 距離にすると120km程度なのですが、道が悪いため車で10時間半もかかります。そのため、朝早くに出発しないと到着するころには真っ暗になってしまいます。


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また、上の写真のように崖や山沿いに切り拓かれている道が多く、これまでに52台ものバスやトラックが崖から落ちているそうです。


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幅が車一台分しかない、細い道…。車が一台でも故障すると、後続車も対向車も一斉に立ち往生してしまいます。運が悪いと、その日は道端で野宿ということもあります。

カリコット郡の一番大きな町からお産センターを建設した村へ行くには、途中までしか車道が無いため、ある程度近くまで車で行ってからは歩くほかありません。一番近い村でも歩いて4時間、遠い村だと2日間かかります。その道のりは、上り下りを繰りかえす険しい山道です。


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事業地に向かうスタッフ


さて、次はジンバブエ。水衛生と教育支援事業に取り組んでいるゴクウェ・ノース地区への道をご紹介します。

ゴクウェ・ノース地区は首都ハラレから 約370kmのところにあります。ハラレを出発し、トウモロコシ畑や草原を横目に4時間ほど進むと、ゴクウェ・ノース地区に入ります。


先ほどのネパール・カリコット郡への道と比べると、首都からたった4時間で着けるのだから近いのでは、とお思いになるかもしれません。しかし…


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途中までの道はアスファルトで舗装されているものの、大雨などの影響により、上の写真のように崩れ落ちているところもあります。

30分ほど進むと舗装された道はなくなり、茂みの中をひたすら走ります。わだちがあるので、辛うじてここが道だと分かるぐらいの泥道です。


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川が近づくと、川辺の砂にタイヤが沈んで車がスタックしてしまうこともあります。


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こうして、春に完成したばかりの学校がある村にたどり着きます。ご紹介した道を利用してトラックで資材を運び入れるのは一苦労だったが、その分人々の喜ぶ姿が印象的だったとスタッフが話していました。


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最後に紹介するの は、南スーダン北部、アッパーナイル州パガックです。今は内戦状態になってしまいましたが、以前、ここの子どもたちに「自分たちにとって大切なもの」の写真を撮ってもらったことがあります。


深井戸、穀物を粉状にする木臼、学校など、思い思いの写真を撮る中で、ある男の子がこんな写真を撮りました。


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スタッフが最初にこの写真を見たとき、男の子が何を写したのか分からなかったので、尋ねてみると「道路を撮った」と教えてくれたというのです。

「パガックは雨が降ると道がぬかるんでしまうから、車で移動できないんだ。道路を舗装すれば、車やトラックがパガックに来やすくなって、商品とか資材なんかも入りやすくなると思うんだ」。

それが、彼がこの写真を撮った理由でした。


私たちの生活になくてはならない道。
ここでご紹介したように、世界にはさまざまな道があります。8月10日は「道の日」。いつもと違った視点をもって、お近くの道を歩いてみるのはいかがでしょうか。


(執筆:ライティングボランティア 寺西 理織)


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Posted by ADRA Japan at 17:25 | 開発支援 | この記事のURL
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