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(7/26) ネパール便り vol.61 タライ平原の魅力紹介 [2022年07月26日(Tue)]


Skype_Picture_2022_01_19T01_47_30_091Z.jpeg


<ネパール屈指のトレッキング街道>




日本の皆さまは「ネパール」というと、
世界一高い山であるエベレストを中心とした
8000m級の山が多いイメージが
強いのではないでしょうか。


しかしネパールという国は、
ごく短い南北の距離の中で、
急激に地形が変わります。


例えば北部は4,000〜8,848mの
エベレストを含むヒマラヤ山脈が
中国との国境に連なっています。


一方、南部のインド国境には、
海抜70mのタライ平原が東西に広がっています。


今回は、ADRAがこれまで
新生児・小児保健事業を実施し、
そしてこれから新しい栄養・水衛生事業も
計画している、タライ平原の魅力をお伝えします。



タライ平原.PNG


https://jp.nepalembassy.gov.np/
wp-content/uploads/2017/11/
geography-1.gifより> 




かつてのタライ平原は
大半がジャングル地帯でしたが、
その多くが、国の施策で耕地に転換されました。


しかし、開発を逃れ広大な手つかずの
ジャングルも残っており、
今でも多くの動植物や鳥類、虫類が生息しています。



IMG_6744.JPG


<平野一面に広がるタライ平原の田圃(バンケ郡)>




そのため、タライ平原には多くの鳥獣保護区があり、
絶滅危惧種であるロイヤルベンガルタイガーや
一角サイ、ベンガルショウノガン、
オオヅル等が生息し、


それを目当てにサファリツアーや
バードウォッチングに訪れる観光客もいます。


(なお、一角サイは日本では「インドサイ」
と呼ばれますが、ネパール人は「インドサイ」
と呼ばれることを嫌がります。)



サイ@チトワン郡.jpeg


<チトワン郡の一角サイの親子>




エレファント@バルディヤ郡.jpeg


<バルディヤ郡の
エレファント・ブリーディングセンター>




ブラックバック@バルディヤ郡.jpeg


<ネパールやインドに生息する、
ウシ科のブラックバックの群れ>



また、ブッダの生誕地であり、
世界中の仏教徒たちが巡礼に訪れる
聖地ルンビニもタライ平原にあります。


ルンビニは1997年に
ユネスコ世界遺産にも登録され、
世界各国の仏教寺院が建ち並んでいます。


特に、ブッダ(サンスクリット語での本名は
ガウタマ・シッダールター)を
マヤ・デヴィが産んだ場所とされる
マヤ・デヴィ寺院は


世界中の仏教徒にとって、
一度は訪れたいとされる場所です。


周辺は土足厳禁であり、
荷物検査を受けないと入場することができません。



マヤ・デヴィ寺院@ルンビニ.JPG


<ルンビニのマヤ・デヴィ寺院周辺>




巡礼者@ルンビニ.JPG


<ルンビニへの巡礼者>




このように自然も文化も魅力豊かな
ネパールのタライ平原ですが、
開発が進まなかったことで自然は守れたものの、
そこに住む人々にとっては
基礎的なインフラが整備されていないことにより
病院や学校へのアクセスが難しく、
経済的にも取り残された地域となり
貧困に苦しむ家庭も多くあります。


また、この地域の住民は毎年雨季に
多発する大小の水害により、被害にあっています。


さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による
世界中からの観光客の減少で、
観光による収入も大きく減ってしまいました。


そのような状況下でも懸命に生活する人々とともに
ADRAは現在新しい栄養・水衛生事業を
計画しています。


タライ平原に住む人々の
栄養・水衛生環境の改善を目指して
これからもADRAは人々に寄り添った支援活動を
実施していきます。


引き続き、皆さまの温かいご支援・ご協力を
お願いいたします。



(執筆:ネパール事業担当)


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Posted by ADRA Japan at 10:42 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(4/7) ネパール便り vol.60 小さな子どもたちの命を守るため、衛生的な環境を整えています [2022年04月07日(Thu)]


皆さん、こんにちは。
ネパール事業担当の大西です。




世界では
避けることができるはずの要因によって
命が失われることがあります。


例えばWHOによると、
世界では毎年約525,000人の
5歳未満の子どもが下痢症によって
死亡しています。


しかし、安全な飲み水や、
適切な衛生設備と衛生管理により、
この死因は多く予防することができます。


ADRA Japanが保健事業を実施している
ネパールにおいても、
5歳未満の子どもたちにとって
下痢症が主要な死因となっており、


衛生環境が整えられていなかったり、
衛生知識が不足していることが、
原因としてあげられています。



Kalika_HP_Feb_2021_(24).JPG


下痢症状のため
母親と外来診察に訪れた幼児
-バルディヤ郡カリカ・ヘルスポスト-



Sonpur_HP_分娩棟後方_(2).jpg


分娩室からの汚水が
パイプからそのまま地面に
排水されている状態
-バンケ郡ソンプール・ヘルスポスト-





ADRA Japanは、
ネパールにおいて
子どもを持つ母親たちに
衛生知識を広めるために、
正しい衛生管理に関する研修などを
実施してきました。


また、病院やヘルスセンターにおいて
分娩棟における汚水浄化施設の建設を行い、
衛生的であるべき医療施設の衛生環境を
整備しました。



IMG_20201103_120435.jpg


母親たちに手洗い方法を指導する
女性地域ヘルスボランティア
-バンケ郡カムディ地区-



IMG20201228131022.jpg


分娩棟に設置した汚水浄化槽
-バンケ郡カトゥクイヤ・ヘルスポスト-



適切な衛生知識を持ってもらうこと、
不衛生な環境を衛生的な環境に整えることで


避けることのできるはずの要因によって
命が失われることを防ぎ、
多くの小さな命を守ることができます。


ADRA Japanは、
今後もネパールにおける衛生環境を
改善するため、
保健分野での支援を続けていきます。


引き続き、皆さまの温かいご支援を
よろしくお願いいたします。



(執筆:ネパール事業担当 大西由香)


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Posted by ADRA Japan at 22:15 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(2/18) ネパール便り vol.59 村落部の妊産婦や子どもたちにも質の高い保健医療サービスを! [2022年02月18日(Fri)]


皆さま、初めまして。
ADRAで新生児・小児保健事業のスタッフと
して働いています、タルカ・タパです。


ADRAは2019年3月からネパールのバンケ郡
にて新生児・小児保健環境の改善事業を実施
しておりますが、皆さまからのご寄付により、
今回新たな支援を届けることができました。



2.png


タルカさんはプロジェクト・コーディネーターを務めている




ADRA Japanは皆さまからのご寄付と
日本NGO連携無償資金協力の助成も受け、
バンケ郡の分娩施設の修繕を行ってきました。


(詳しくはvol.44vol.55でご報告しています。)




分娩施設は修繕されてきれいになりましたが、
医療器材が古くなって錆びているものがあった
ほか、


不具合のある分娩台や照明灯を引き続き使用し
ていることで、
スタッフへの負担や、安心・安全な保健サービ
スの提供への影響がありました。


例えば、ストッパーの効かなくなった分娩台を
使っていた分娩室では、1人のスタッフが妊産
婦と新生児のケアを行う一方で、


もう1人のスタッフが分娩台を後ろから支え続
けなければいけないという状況が起こっていま
した。


また、医療器材が不足している保健医療施
設では、発熱患者等も来る外来棟と分娩棟で
同じ血圧計を使用せざるを得ないこともあり
ました。



6.jpg


錆びた産後回復室用ベッド




4.jpg


ストッパーの効かない分娩台




各分娩施設には、妊産婦さんが安心して出産で
き、産まれた子どもに最適なケアができるよう
に必要な医療資機材がいつでも整備されている
ことが大切です。


そのため、ADRAは新しい分娩台や産後回復室
用ベッド、医療用照明灯、血圧計、分娩処置器
具、胎児超音波ドップラー、高圧蒸気滅菌器と
いった医療器材を、各施設のニーズに合わせて
支援しました。



7.jpg


新しい分娩台と医療用照明灯




5.jpg


新しい分娩室専用血圧計




3.jpg


新しい分娩処置器具セット




これらの新しい医療器材により、
村落部のコミュニティにある各施設でも何百人もの
妊産婦や子どもたちへ質の高い保健医療サービスが
できるようになり、


私たちの目標のひとつでもあるバンケ郡の
妊産婦・5歳未満児死亡数を減らす一助になると
考えています。


日本の皆さまからのご支援により、
分娩施設に適切な医療器材を届けられたことを
とても嬉しく思います。


1.png


地域の人々が安心して保健医療サービスを受けられ
る環境が整備されるよう、
引き続き、皆さまの温かいご支援を
よろしくお願いいたします。



(執筆:ネパール事業担当 タルカ・タパ
和訳:ネパール事業担当 大西由香)


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Posted by ADRA Japan at 17:08 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(1/31) 【ネパール便り】正しい情報で命を守れ!クラスターを防ぐためにネパールの村で大切なこと [2022年01月31日(Mon)]


ADRA Japanは2021年7月以降、
ネパールで最初の感染爆発が起きた
バンケ郡・バルディヤ郡において
新型コロナウイルス対応能力強化のための
支援活動を実施してきました。




バンケ郡では2021年4月から6月にかけて、
新型コロナウイルス感染のクラスターが
複数地域で発生し、
感染が急速に広まりました。


この背景には、地域の住民の間に
新型コロナウイルスに関連する
正しい知識が不足していることがありました。


例えば、他の人からうわさで聞いた
感染対策や、ネット上の間違った
新型コロナウイルスへの対処法を信じ、
実施していたことがクラスター発生の
原因のひとつになっていました。


そのため、
このような間違った情報からの感染拡大
(インフォデミックによるパンデミック)
が繰り返されることのないように、
ADRA Japanは地域住民の健康を支える
大切な役割を担っている


「女性地域ヘルスボランティア
(詳細は「ネパール便り vol.45」参照)」
と協働することにしました。


彼女たちは、住民一人ひとりと丁寧に
会話をする草の根の啓発活動に取り組むなど、
これまでも住民の健康を守ってきました。


そのため、新型コロナウイルス感染症に
関しても住民の身近な相談役である
彼女たちから正しい対応策を伝えてもらう
ことで、住民が適切な感染予防を行い、


感染症への誤認や必要以上の恐れに由来する
受診控えを防ぎ、間違った情報による
感染拡大に歯止めをかけることができます。



1.ネパール_コロナ.png


家庭訪問を行う女性地域ヘルスボランティアの様子(コロナ禍以前)




協働にあたっては、まず初めに、
コロナ禍で彼女たちの活動は
どのように実施されているのか、


バンケ郡内のさまざまな地域で活動している
女性地域ヘルスボランティアに
聞き取り調査を行いました。


その結果、彼女たちは新型コロナウイルス
関連啓発活動を行うための知識やツールを
持っていないという現状が明らかになりま
した。


彼女たちの声の一部をご紹介します。



2.ネパール_コロナ.JPG


女性地域ヘルスボランティア(右)に
聞き取り調査を行う事業スタッフ(中央)と駐在員(左)



「感染対策としてソーシャルディスタンスを
保つことや手洗いは何となく知っているけれ
ど、これまで新型コロナウイルスに関する
オリエンテーションや研修は受けたことは
ない。」
(ジャナキ村・女性地域ヘルスボランティア)


「毎月の母親グループ会合(町内会のような
集まり)で新型コロナウイルスをテーマに
取り上げたいとは思ってきたけれど、
教材のようなものが欲しい。」
(ネパールガンジ市・
女性地域ヘルスボランティア)


「コロナが流行っていても夜中でも、
私たちボランティアは産気づいた妊産婦に
付き添ったり、急に発熱した地域の子どもを
病院に連れて行ったりしなければならないの
で懐中電灯が欲しい。」
(バイジャナ村・
女性地域ヘルスボランティア)




ADRA Japanはこのような
女性地域ヘルスボランティアの意見をもとに、
新型コロナウイルス感染症に関わる啓発教材や、
感染対策のために手指消毒剤等の衛生用品を
含んだ啓発キットを作成しました。


啓発キット内の啓発教材では、
一般的な“新型コロナウイルスの予防方法”
だけでなく、


“新型コロナウイルス感染症と母乳栄養の
関係性”や


“新型コロナウイルス感染症と産婦・新生児
の健康管理”についてなど、
彼女たちが良く関わる妊産婦と新生児への
啓発教材も含めました。


そして、バンケ郡内すべての
女性地域ヘルスボランティア、
790名にこの啓発キットを届け、
活用方法を伝えました。



3.ネパール_コロナ.jpg


作成した啓発キット一式




4.ネパール_コロナ.jpg


女性地域ヘルスボランティアと啓発教材を確認する駐在員




5.ネパール_コロナ.jpeg


新型コロナウイルスの啓発内容について話す事業スタッフ




啓発キット配付して2か月ほど経った頃、
ドゥドゥワ村の女性地域ヘルスボランティア
を6年間務めているバサンティ・ヤダブさん
にお話を伺う機会がありました。


「今日ちょうど母親グループ会合だったんで
すよ。
手洗いや家庭での衛生管理の話をしてきました。


会合は毎月定期的に開催してますし、
新型コロナウイルスに関わる啓発教材を
使って既に地域の母親たちに話しました。」


「コロナ疑いの症状がある人々には
検査を受けに行くように声かけをしています。
幸いにも、全員陰性でした。」



6.ネパール_コロナ.jpeg


バサンティ・ヤダブさんの自宅前にて



また、13年前にラプティソナリ村の
女性地域ヘルスボランティアに任命された
クリシュナ・サルキさんは、
教材の中の“SMS
(Social distancingソーシャルディスタンス、
Mask マスク、Sanitizing手洗いや手指消毒、
の頭文字)”


が特に住民に分かりやすく、
説明しやすかったと語ってくれました。


他にも、マスクをしないで産前・産後健診に
来訪する妊婦たちや母親グループメンバーに、
啓発キットのマスクを配って感染予防の重要性
を話しているそうです。



7.ネパール_コロナ.jpg


クリシュナ・サルキさんと6か月の息子さん、駐在員



 今現在(2022年1月上旬)、
ネパールでのオミクロン株検出や、
国内での第3波の感染拡大の兆候が
見られ始めています。


世界でもいち早くデルタ株が流行し、
全国各地の医療崩壊が起こった事態が
再び繰り返されないよう、


女性地域ヘルスボランティアたちは今日も懸命に
活動を続けています。



8.ネパール_コロナ.jpg



※本事業は皆さまからのご支援とジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しております。



(執筆:ネパール事業担当 大西由香)

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Posted by ADRA Japan at 12:00 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(1/26)【ネパール】コロナに感染した患者さんが自宅隔離中に自身の症状を確認できるよう、市町村保健所にホームケアキットを配付しました! [2022年01月26日(Wed)]


ADRA Japanは2021年7月以降、
ネパールの中でも特に感染拡大防止の
要所となるインド国境沿いの
バンケ郡・バルディヤ郡において


新型コロナウイルス対応能力強化のための
医療機材・物資配付支援を実施してきました。




ネパールでは、新型コロナウイルスに
感染した患者さんの重症度によって
以下の対応が取られています。


・重症
中等症患者は新型コロナウイルス病棟の
ある病院に入院


・中等症
軽症患者は市町村保健所の運営する隔離施設
に入所


・無症状患者は自宅隔離




自宅隔離の患者さんの対応には、
各地域に担当の保健医療従事者が配置され、
患者から要請があった場合、


保健医療施設のパルスオキシメーター
(血液中の酸素飽和度をはかる機器)や
体温計、聴診器を持って自宅訪問を行います。


ところが、バンケ郡・バルディア郡を含む
地方の農村部では家庭に体温計を備えている
家も少ないため、


自宅隔離患者が症状の悪化に気づくのが遅れ、
迅速に対応できない恐れがありました。


また、地域担当の保健医療従事者も
対応できる患者さんの数には限りがあり、


さらに、本来ならば隔離施設に入るべき
症状であっても、感染拡大ピーク時など
満床の場合には入所できず、
自宅隔離を余儀なくされる有症状者も
多く出てしまう状況にありました。


そのため、自宅隔離の患者さんが
自分自身の症状を的確に確認できるように
するサポートが必要とされていました。




そこでADRAは、保健医療従事者などの
専門家でなくても自宅で容易に使用できる
パルスオキシメーターや体温計、


さらなる家庭内での感染を防ぐための
手指消毒剤とマスクを入れた
ホームケアキットをバンケ郡とバルディヤ郡
の市町村保健所に配付し、


自宅隔離の患者さんに貸し出せるよう
支援しました。



1_ネパール_コロナ_ADRA.png


市町村保健所に配付したホームケアキット




実際に自宅隔離の患者さんがこのキットを
活用できているかどうかを確認するため、


ADRAスタッフは、新型コロナウイルスに
感染して自宅隔離11日目の、
バルディヤ郡マドゥワン町に住む
バグワティ・パウデルさんを訪問しました。



2_ネパール_コロナ_ADRA.jpeg


屋外で距離を取りながら
インタビューを行うADRAスタッフ





ADRAスタッフ
「いつ、どのようにして新型コロナウイルス
に感染したことが分かりましたか。」



バグワティさん
「私は2回のワクチン接種を済ませて
いましたが、熱が出て、味覚や嗅覚が
段々となくなってきて
新型コロナウイルスに感染したかな
と思いました。


ティハール(ネパールの連休期間)
前だったので陽性判定が出ることが
怖かったですが、検査を受けに行き、
感染が判明しました。」


ADRAスタッフ
「ご家族とはどう過ごされていましたか。」


バグワティさん
「私たちは7人家族ですが、
陽性の結果が判明するまで家庭内で
隔離して過ごしていませんでした。


70歳の義母や2人の孫にうつらなくて
本当に良かったです。」



ADRAスタッフ
「ホームケアキットを使ってみて
どうでしたか。」



バグワティさん
「陽性となってからは家族と離れて
過ごすようにしていましたが、


パルスオキシメーターと体温計を使って
自分で状態を確認することができています。


家の周りを散歩したりトイレに行ったり
した後など、少し息苦しく感じたら
パルスオキシメーターで酸素飽和度を
確認するようにしていました。


今は日に日に良くなってきていることを
感じます。」




3_ネパール_コロナ_ADRA.jpeg


自宅隔離中のバグワティ・パウデルさん




自宅隔離を始めて10日目の、
バンケ郡コハルプール町に住む
アニル・チャウダリさんにも話を聞きました。



4_ネパール_コロナ_ADRA.jpg


ホームケアキットを持つ
アニル・チャウダリさん





ADRAスタッフ
「新型コロナウイルスに感染したことが
分かった時はどうでしたか。」


アニルさん
「最初の症状は咳から始まり、
味覚・嗅覚障害も出始めて、
5日目で検査を受けに行きました。


呼吸が苦しく感じたことはなく、
レントゲン撮影上も異常がなかったので
自宅隔離するように言われましたが、


どのように過ごしたらいいか
最初は分かりませんでした。


新型コロナウイルスの診断から2-3日後に、
コハルプール町の新型コロナウイルス担当者が
ホームケアキットを届けて
色々と説明してくれました。」



ADRAスタッフ
「ホームケアキットは
どのように使いましたか。」



アニルさん
「家族と離れて過ごすようにしてから、
ホームケアキットをいつもそばに置いています。


パルスオキシメーターで酸素飽和度を
一日に2-3回チェックして、
熱も頻繁に測っています。


酸素飽和度はいつも97-98%を
キープできています。


私自身にはホームケアキットが
とても役に立ったので、
地域の感染した人がまた同じように使えるように、
隔離期間が終わったらきちんと返却します。」



5_ネパール_コロナ_ADRA.jpg


パルスオキシメーターを使う
アニル・チャウダリさん




コハルプール町保健所の
新型コロナウイルス担当者
ゲハ・プラサド・カナルさんは、


ADRAが郡保健事務所とセット内容を
決めたホームケアキットが


「画期的に自宅隔離患者の管理を
しやすくしてくれた」



と話してくれました。


また、彼は


「ホームケアキットのおかげで患者たちが
必要以上にパニックにならず、
安心して自宅隔離できるようになっている」


とも語ってくれました。



※本事業は皆さまからのご支援とジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しております。


(執筆:ネパール事業担当 大西由香)


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Posted by ADRA Japan at 17:00 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(12/28)【ネパール】新型コロナウイルス感染症対策の最前線にいる方々を支えることができました! [2021年12月28日(Tue)]


ADRA Japanは2021年7月以降、
皆さまからのご支援と
ジャパン・プラットフォームの
助成を受けて、


ネパールの
バンケ郡・バルディヤ郡における
新型コロナウイルス対応能力強化
のための医療機材・物資配付支援
を実施しました。
 
1.map_nepal_corona.png


バンケ郡は、インド国境に
位置していて交易の盛んな地域
であることもあり、
ネパール国内の感染拡大第1波
(2020年)、


さらに第2波(2021年)ともに
首都圏に先駆けて感染爆発が
起こりました。


バンケ郡内の感染拡大に次いで、
隣のバルディヤ郡にも感染が
拡がるという状況が繰り返され
ました。


その中で、この地域の
新型コロナウイルス感染症の
重症患者の受け入れと治療を
担っているバンケ郡のベリ病院と
バルディヤ郡の郡病院では、


治療に必要な医療資機材や
医療従事者を感染リスクから
守る医療資材が不足している
という現実がありました。


ベリ病院の新型コロナウイルス
病棟の看護師長である
シャイラ・シャルマさんは


「第2波のときの感染拡大の
スピードにはとても恐怖を覚えた」


と言います。




2021年12月現在では100床の
新型コロナウイルス患者用病床が
確保されていますが、


第2波の感染ピーク時には
350名の患者が入院している
こともあり、


廊下や床、屋外テントで
治療ケアを行うことも
あったそうです。


その頃には人材も、
医療従事者を感染リスクから
守るための個人防護具等の
医療資材も足りておらず、


職員の多くも
新型コロナウイルスに
感染したそうです。


2.ネパール_corona.jpg

<看護師長のシャイラ・シャルマさん(左)とADRA Japan駐在員(右)>



看護師歴11年目の
マドゥ・グルンさんは、
同じくベリ病院の
新型コロナウイルス
専用集中治療室で


1年半以上に渡って
勤務し続けてきました。


マドゥさんも
第2波の急速な感染拡大時の
恐怖を語りました。


「毎日15-20人が新たに入院して
くる上に、その内の4-5人は
集中治療室での医療ケアが
必要な重症患者でした。


なのに、治療薬や個人防護具、
酸素供給、酸素マスクも何もかも
足りない状況でした。」

 
3.ネパール_corona.jpg

<看護師のマドゥ・グルンさん>



そのためADRA Japanは、
ベリ病院でも特に不足していた
個人防護具とベッドサイドモニター、
血糖測定器を提供しました。


オーストラリア国際開発庁の
支援を受けて、
ネパール支部(ADRA Nepal)も
個人防護具や酸素濃縮器等を
支援しました。

 
4.ネパール_corona.jpg

<個人防護具を準備する新型コロナウイルス病棟看護師>



5.ネパール_corona.jpg

<ベッドサイドモニターの設置作業を行うADRA Japan駐在員>




6.ネパール_corona.jpg

<ADRA Nepalによる医療資機材支援>



マドゥさんは、
新型コロナウイルス病棟での
勤務の中でも印象的だった
ひとつの症例について
話してくれました。


「2021年7月上旬に入院してきた
36歳のカイラシュ・ガルティ・
マガルさんは、
入院当初は酸素濃度が75〜85%と
低値を推移していました。


2週間にわたり徐々に病状が悪化し、
CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸器)
という、鼻から空気を送り込んで
呼吸を助ける呼吸器の使用が
開始されました。


CPAPによる治療と並行して、
カイラシュさんには見当識障害の
症状が見られ始め、
またCPAPマスクのよる
鼻の皮膚かぶれが起きるようになり、
それらの症状へのケアも必要でした。


CPAPによる効果が徐々に見られ始め、
25日後についにカイラシュさんは
呼吸器から離脱することができ、
一般病棟へ移りました。


彼が一般病棟に移ってからも、
私や他の集中治療室の同僚は
度々彼の元を訪れました。


その後、新型コロナウイルス感染症の
重症時を乗り越えて、
ついに2か月後にカイラシュさんは
ベリ病院を退院できました。


彼のようなケースがあると、
看護師としてのやりがいと
誇りを感じることができます。」

 
7.ネパール_corona.jpg

<新型コロナウイルスに感染したカイラシュ・ガルティ・マガルさん>



ネパール全土では
新型コロナウイルス感染症の
新規感染者数は1日200人程となり、


1日当たり9,000人以上の新規感染者が
出ていた頃より大幅に落ち着いていますが
(2021年12月現在)、


ベリ病院は周辺地域の唯一の
公立三次救急病院として
引き続き新型コロナウイルス患者への
治療ケアを行っており、


ADRA Japanの支援した
医療資機材が活用されています。

 
8.ネパール_corona.jpg

<マドゥ・グルンさん(左)と同僚>

皆さまの温かいご支援により、
ネパールの新型コロナウイルス感染症対策の
最前線にいる方々を支えることが
できましたことを心より感謝申し上げます。


(執筆:ネパール事業担当 大西由香)



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Posted by ADRA Japan at 18:13 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(12/23) ネパール便り vol.58 【ネパールの子育て事情】 [2021年12月23日(Thu)]


皆さま、ナマステ、こんにちは。
ネパールに駐在しております、大西です。


ネパール便りvol.53では
ネパールのお父さんたちを
紹介しましたが、


本日はネパールのバンケ郡に住む
お母さんたちの子育て事情を
紹介したいと思います。




ネパールの保健システムの中では、
コミュニティの既婚女性や
リプロダクティブ・エイジ
(妊娠・出産年齢)


とされる15〜49歳女性から成る
母親グループ
(Health Mother’s Group)が、


地域の出産・子育てを支える
重要な役割を果たしています。


毎月定期的に開かれるとされる
母親グループ会合では、


該当地域の女性地域ヘルス
ボランティアを中心に、
その時々に合ったコミュニティに
おける保健課題について
話し合いが行われます。




母親グループの知識を
高めることは、


最適なタイミングに適切な
新生児・小児疾病のケアを
するための意識作りに
重要な活動となります。


そのため、ADRAのバンケ郡に
おける新生児・小児保健環境の
改善事業では、


女性地域ヘルスボランティアへの
新生児・小児保健関連研修を実施
してきた他、


母親グループの活性化を
支援してきました。



Facilitator_facilitating_Household_treatment_of_Diarrhoea.jpg


<ジャナキ村インドラプル地区での母親グループ会合の様子>



実際に、母親グループの活動に
参加されている妊産婦さんの声を
ご紹介します。




ジャナキ村インドラプル地区
第3地域に住む、
ラジ・ラニ・バルエイさんは30歳です。


母親グループの会合で
お会いした日の12日前に、
第3子を郡都にあるベリ病院で
出産したばかりでした。



HMG_Raj_Rani_Bharwei,_Janaki_(2).jpg


<駐在員の大西(左)、写真一番右にいるのが赤ちゃんを抱くラジさん>




出産には塗装業のご主人も
付き添ってくれたほか、


この地域の女性地域ヘルス
ボランティアも夜間にも関わらず
付き添ってくれたそうです。


(出産時、自宅に残された
2歳の息子くんはお母さんを探して
一晩中泣いていたそうですが、
女性地域ヘルスボランティアの
ご主人が様子を見ていてくれました。)



HMG_Raj_Rani_Bharwei,_Janaki__(1).png


<女性地域ヘルスボランティア(左)とラジさん(右)>



ラジさんには5歳と2歳の
子どももいますが、
毎回施設分娩しているそうです。


これまでの地域
の母親グループ会合では、
出産後すぐに母乳をあげることの重要性や、


BCGワクチンを接種することも聞いていて、
今回も生後7日目にワクチン接種
に連れて行ったそうです。



HMG_Raj_Rani_Bharwei,_Janaki__(3).png


<生後12日のラジさんの新生児>




ネパールガンジ市第7区に住む、
マデシ民族出身の
シリリ・パシさんは26歳で、
第1子を妊娠して5か月になります。


妊娠してから、第7区のマダナシカ
(Madanashika)
母親グループに参加するようになり、
2回ほど月例会合に参加したそうです。



HMG_Shrili_Pashi,_NPJ_SMC_(2).jpg


<駐在員の大西(左)、女性地域ヘルスボランティア(中央)とシリリさん(右)>




会合では産前健診の重要性や
妊娠中の駆虫薬の内服、
Td(破傷風ジフテリア)ワクチンを接
種するよう話があったとのこと。


これまでに産前健診も1回受け、
貧血予防のため鉄剤の内服も
1日1回続けているそうです。




シリリさんのように読み書きが
できない参加者向けに、


会合では絵の多いパンフレット等を
使って女性地域ヘルスボランティア
が説明するので、


シリリさんも出産や子育てについて
必要な知識について理解することが
できていると言います。



HMG_Shrili_Pashi,_NPJ_SMC_(4).JPG


<絵を示しながらシリリさん家族に病気の子どもの危険な症状について説明するプロジェクト・コーディネーター>




シリリさんは、一番近い
保健医療施設であるベリ病院で
出産予定だそうです。


ご主人は普段は村に働きに出て
いますが、時々戻ってきて
助けてくれるそうです。


普段は一緒に暮らす義母が
身の回りの助けをしてくれています。



HMG_Shrili_Pashi,_NPJ_SMC_(1).jpg


<シシリさん(左)と一緒に暮らす義母(右)>




コハルプール町
サムシェルガンジ地区に住む
39歳のミナ・グルンさんには、
9か月になる孫のスハナちゃんがいます。


スハナちゃんのお父さんは
インドに出稼ぎに出ているので、
ミナさんが子育てを手伝っています。



HMG_Mina_Gurung,_Kohalpur.jpg


<ミナさんとスハナちゃん>



スハナちゃんの母親は16歳なので、
ミナさんが地域のプレムプール
母親グループに参加しているそうです。


プレムプール母親グループには
18人のメンバーがいて、
毎月15日に会合があります。


これまでの会合では、
新型コロナウイルスワクチンや
感染対策、黄疸などが
テーマに取り上げられました。


スハナちゃんは9か月までの
定期予防接種は全て打っています。


月齢の割に体重がやや少なめなので、
ヘルスポストで成長の
モニタリングを受けているそうです。


母乳のほか、栄養補助食品も
あげています。


3カ月前に
サムシェルガンジ・ヘルスポストで
行われた妊産婦と
2歳以下の子どもの栄養に
関するイベントや、


3日前にプレムプール地域であった
栄養に関するイベントといったものにも、


ミナさんも母親と一緒に
積極的に参加するように
しているそうです。


HMG_Mina_Gurung,_Kohalpur_(2).jpg


このように、
コミュニティの母親グループや
女性地域ヘルスボランティアは、


ネパールのお母さんたちの
子育ての心強い味方となっています。


ネパールのお母さんたちが安心して
子育てできる環境が整備されるよう、
引き続き、皆さまの温かいご支援を
よろしくお願いいたします。



※ADRA Japanは皆様からのご寄付のほか、
日本NGO連携無償資金協力の助成を受け、
2019年3月からネパールのバンケ郡にて
新生児・小児保健環境の改善事業
を実施しております。



(執筆:ネパール事業担当 大西由香)


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Posted by ADRA Japan at 12:00 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(10/14)ネパール便り vol.57 【お盆とお正月が一緒にやってきた!?】 [2021年10月14日(Thu)]


皆さん、こんにちは。
ネパール事業担当の、大西です。




ネパールに「ダサイン」の時期が
やってきました。


ダサインはネパールの
ビクラム暦Asoj月21日から

(西暦上9月〜10月頃にあたる)

祝われる、
ネパールで最も長い15日間の
ヒンドゥー教のお祭りです。




ダサインでは女神ドゥルガーが
闘いに勝利したことを祝い、
豊穣と人々の生命力を
高めることを祈願します。




ネパールの人々は
家族や親戚との関わりを
大切にしており、
ダサインは皆で集まる
貴重な機会となります。




コロナ禍でなかなか例年通りとは
いきませんが、

海外に出稼ぎに出ていた労働者や
海外留学していた
ネパール人学生が、
一斉に帰省する時期でもあります。




今年のダサインは、
10月7日から始まっています。




ブランコ_Dashain-banboo_swing_on_Ghatasthapana (1).png


[ダサイン1日目には竹で作られた
ブランコが各地で見られる]




15日間のダサインの内、
1日目には女神ドゥルガーを
象徴する聖なる壺に
水と種(米や麦)を植え、

12-15pほどに伸びるまで
「ジャマラ」を育てます。




ジャバラ_Dashain-Ghatsthapana_day_(1st_day).jpg


[ダサイン1日目の「ジャマラ」]





ジャバラ2_Dashain-Growing_Jamara.jpg


[ダサイン期間中に
育てられたジャマラ]





家族・親戚の集まる宴会は
特にダサイン7日目から始まります。


そして、その日には
王宮でパレードも行われます。




パレード Dashain-fulpati (1).jpg


[王宮でのパレードの一部]





ダサイン9日目には
多くの人々が
祈りを捧げるために寺を訪れ、

職人や工匠の仕事道具、
さらには車やオートバイに、
1年間事故無く過ごせますようにと
願をかけてもらいます。




車_Dhasain-vehicle_puja_on_Maha_nawami_day (1).jpg


[車とバイクへの願掛け]





女神ドゥルガーが
魔物に勝利したとされる10日目には、
新しい衣服を身にまとい、
親戚や家族で集まります。


家族内での年長者から
ジャマラが渡され、
額にティカ

(赤く染めたお米を
バナナやヨーグルトと混ぜたもの)

が施されます。


ティカや衣服の赤色は、
家族の血のつながりを表す
色でもあります。


ダサイン最終日は満月に当たり、
女神ラクシュミに祈りを捧げ、
ご馳走を食べたり、
夜遅くまでカードゲームに
興じたりします。




ティカ_Dashain-Putting_Tika_from_elders.jpg


[年長者がティカを施す様子]





トランプ_Dashain-01.jpg


[コロナ禍前に、
大勢の親戚とトランプを遊ぶ様子]




未だ新型コロナウイルス感染症の
影響により、
大きな集会は認められておらず、

例年のように多くの親戚とは
集りにくい状況ですが、
ネパールの人々が1年間の疲れを癒す
大切なひと時を過ごすだろうと
思われます。




お祭りの起源の通り、
コロナとの長い戦いにも
必ず終わりがきて、
人々の豊かさと健康が
守られることを願ってやみません。




(執筆:ネパール事業担当 大西由香)

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Posted by ADRA Japan at 12:00 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(9/9) ネパール便り vol.56 【ネパール人女性の特別な日】 [2021年09月09日(Thu)]


皆さん、初めまして!
ADRA Nepal(ネパール支部)で
新生児・小児保健事業の
スタッフとして働いている
シカといいます。


今日はネパールにおいて
女性の日と言われる、
「ティージ」について
ご紹介します。



20210224_115250.jpg


<ヘルスポストに受診に訪れた親子とシカ(右)>





ネパールでは
ビクラム歴が採用されており、
ティージの日にちは
西暦上では8〜9月頃にあたり、
毎年変動します。


今年のティージは
2021年の9月9日、今日です。


ヒマラヤ山脈の山神の娘であり、
シヴァ神の妻でもある
パールヴァティー女神に
祈りをささげる祭りが、
ティージです。




ティージは女性や女の子にとって
ヒンドゥー教の
最も大きなお祭りであり、


女性たちが夫や家族の健康や
長寿を願って、
未婚女性は将来素敵な伴侶を
見つけられますようにと願って、
お祝いします。


多くの女性たちは、
赤色の伝統衣装「サリー」を
身にまといます。




正確にはティージは3日間あり、
1日目の日没後には女性たちが
豪華な食事やスイーツを
持ち寄って集まります。


伝統的なダンスや
祈りの歌を歌いながら、
宴は夜中まで続きます。



Newali_sweets-sinki_roti.jpeg


<ネパールのスイーツ>




Teej-Jelibi.jpeg


<ネパールのスイーツ>



2日目はティージ本番です
(9月9日の今日です!)。


女性たちが24時間断食し、
シヴァ神を祭る寺院に
食べ物や花を供えます。


女性たちが夫や家族の健康や
長寿を願って、
未婚女性は将来素敵な伴侶を
見つけられますようにと願って、
寺院で踊ります。


世界遺産に登録されている
ネパール最大のヒンドゥー教寺院
であるパシュパティナートには、
50万人もの人々がティージの際に
訪れるとも言われています。



Teej-Performing_Pooja_(workship)_at_temple.jpg


<シヴァ神の寺院を訪れた女性たち>



3日目は女性たちは
川で沐浴して全ての罪を洗い流し、
シヴァ神の息子である
ガネーシャ神に祈りを捧げ、
前日の願い事が叶うよう
重ねて祈ります。


3日目の夜も伝統的なダンスを踊り、
歌います。



Teej-Last_day_bathing_at_river.jpg


<川で沐浴する女性たち>




ヒンドゥー教徒の私も
子どもの頃から、
この行事に参加してきました。


今では結婚しているので、
私も夫や家族の健康を祈り、
2日目に断食もします。


また、ティージは母娘や姉妹、
従姉妹が一緒になって踊り、
歌い、集まる大切な機会にも
なっています。


ネパールでは
新型コロナウイルス感染症の
拡大に直面しており、
これまでのように大人数で
集まることは難しい状況ですが、


普段よりもお洒落をして
今年のティージを楽しみたいと
思います。




(執筆:ネパール事業担当 シカ・タパ
和訳:ネパール事業担当 大西由香)



IMG_4013.JPG


<ネパール人スタッフのシカ(右)と駐在員の大西(左)>



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Posted by ADRA Japan at 12:05 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
(7/21) ネパール便り vol.55 【分娩棟が完成しました】 [2021年07月21日(Wed)]


皆さん、こんにちは。
ネパールに駐在している大西です。


2021年4月中旬以降、
新型コロナウイルス感染拡大の
第2波に直面しているネパールですが、


本日は感染拡大の第1波を乗り越えて
完成した、カトゥクイヤ・ヘルスポスト
(村の診療所)の分娩棟について
ご報告します。



バンケ郡の最東部でもある
ナライナプル村のカトゥクイヤ地区は、
インド国境から1-2km程度の距離に
あります。


バンケ郡の郡都である
ネパールガンジからですと、
車で2時間でこぼこ道を進んだところに
位置します。


この地域は、
特にムスリム(イスラム教徒)
が多い場所であり、
村にはモスクが至る所に
点在しています。


また、ここは貧困家庭の
多い地域でもあり、
女性や女の子の保健医療サービスへの
アクセスに課題があります。



Skype_Picture_2021_05_25T05_15_33_201Z.jpeg


[ムスリムの家庭であることを表す旗を掲げている、ナライナプル村の住宅]




20210126_115624.jpg


[ナライナプル村にあるモスク]




修繕前のカトゥクイヤ・ヘルスポスト
の分娩棟は分娩棟とは言いにくいほど
環境が整っていませんでした。


せまくて産前健診室もなく、
蛇口があるのに水は流れず、
トイレがなく、
床はコンクリートが
打ちっ放しの状態でした。



Katkuiya_HP_分娩室.jpg


[修繕前の狭い分娩室]




Katkuiya_HP_分娩室トイレのはず.jpg


[修繕前、トイレとなるはずの部屋には設備がなく物置きとなっていた。]




カトゥクイヤ・ヘルスポスト
施設長であるカラム・バハドゥール・
チャウダリさんに、話を聞きました。



3._Story_Of_Meena_No_Text_No_Music_Moment_(2).jpg


[カトゥクイヤ・ヘルスポスト施設長であるカラムさん]



カラムさんはカトゥクイヤ・
ヘルスポストの施設長を
5年間務めており、


ヘルスポストで提供される予防接種や
外来診療、家族計画サービス、
健康診断、出張診療、そして出産前後
ケアといった全ての保健医療サービス
の責任を担っています。



十分な設備がない中で
これだけのサービスを行うのには
苦労も多く、カラムさんはいつも、


「より良い環境で患者のケアを提供し
たい」



と話していました。



また、患者さんからは


「室内にトイレがないのが不便だ」

「水が流れなくて困る」



と不平・不満の声を言われることも
多くありましたが、
ADRA が建設支援をするまでは、
修繕したくても
その資金がありませんでした。



ADRAはカトゥクイヤ・ヘルスポスト
の分娩棟を使いやすいように修繕し、
妊産婦さんが安心して健診に訪れ、
出産できる環境を整えました。



IMG_4033.JPG


[床をタイル貼りした分娩室]




新設トイレ.jpg


[分娩室に併設した洋式トイレ。水も流れるようになった。]



新設された検診室.jpg


[新設された産前健診室]



カトゥクイヤ・ヘルスポストの
分娩棟が修繕され、カラムさんは


「産前産後健診と分娩と、
それぞれに必要な部屋が整備され、
洗面台やトイレからもきちんと水が
流れるようになりました。


これからは良いサービスを妊産婦さん
たちへ提供することができます」



と話してくれました。



実際、きれいになった施設で
診察をするカラムさんの
誇らしげな様子と、


安心して相談している
患者さんの様子は印象的で、
提供できるサービスの質を
向上できたことを
とてもうれしく思いました。



3._Story_Of_Meena_No_Text_No_Music_Moment(6)_Moment.jpg


[患者を診察するカラムさん]




ADRAは現在も、
バンケ郡にてヘルスポストの
修繕を実施しています。


妊産婦さんと家族が
安心して出産できる環境が
整備されるよう、
引き続き、皆さまの温かいご支援を
よろしくお願いいたします。



※ADRA Japanは皆様からのご寄付のほか、
日本NGO連携無償資金協力の助成を受け、
2019年3月からネパールのバンケ郡にて
新生児・小児保健環境の改善事業を
実施しております。



(執筆:ネパール事業担当 大西由香)


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Posted by ADRA Japan at 10:43 | ネパール便り | この記事のURL | コメント(0)
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