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(7/2) フォトボイス in 南スーダン・ナシール 前編 [2012年07月02日(Mon)]
前回「お試しフォトボイス」を行なってから2カ月たった南スーダン・ナシールでは、コミュニティーの人たちが歩きながら何やら話しています。


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学校に行ってみよう。
クリニックにも行ってみないか?
マーケットに行ったらいいかもしれない。

社会科見学にでも行くのでしょうか?心なしか、わくわくしているようにも見えます。

実は彼らはフォトボイスの参加者で、「ボイス」となる写真を探して撮影しているところです(フォトボイスに関してはこちら)。

今回のフォトボイスは「子どもにとって大切なこととは?」という、シンプルなテーマを題材にしました。ナシールの人が考える「子どもにとって大切なこと」とは何でしょう?気になる!知りたい!という皆さんに、今回は参加者が撮影した写真をいくつか紹介したいと思います。皆さんも、どのような意図でその写真が撮られたか、予想しながら読んでみてください。

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まずはこちらの写真から。


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大きな袋と男性がポーズをとっている写真ですが、なんでしょうか?


撮影者に聞いたところ、これはソルガムという穀物が入っている袋を撮影したとのことです。ソルガムは南スーダンで主食の一つで、大切な栄養源です。食べ物は、生きていくために欠かせないもの。特に子どもたちが食糧不足で栄養失調になってはいけない。そのためには食べ物が必要ということを伝えたかったようです。


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この写真はマンゴーですね。なぜマンゴーが子どもにとって大切なものなのでしょうか?


この写真を撮った人に聞いてみたところ、ナシールでは果実や野菜が手に入りにくい。だから、ナシールでも辛うじて育てることができるマンゴーやトマトなどが手に入れば、子どもにとって良い栄養源になる、とのこと。

ただ、この参加者によると、農業をしようと思っても種を買うお金がなく、さらに長い間生活していた難民キャンプでは食糧が無料で配給されていたため、自分で農作物を作るという機会がなかったことから、彼らの世代は農業の仕方がわからないという課題がある、ということでした。


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これは深井戸の水を汲んでいる写真です。なぜ子どもにとって大切なものが深井戸なのでしょうか?

撮影者にこの写真を撮った理由を聞いてみたところ、安全な水があれば、子どもたちが汚い水を飲んでしまって下痢になったり病気になったりしないから、とのことでした。

日本人の私たちからすれば、日常的に使っている水道水イコール安全な水ですが、ナシールの各家庭にまで水道管は届いていません。女性や子供が近くの深井戸までタンクを持って行って、水汲みの順番待ちをして、安全な水を確保するのです。ナシールでは、子どもたちにとって生きるために必要なこととして、安全な水の確保が大切であると考えられていることがよくわかります。


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この写真は一体なんなのか、皆さんは想像できますか?

実は、これはトイレなんです。大きな穴を掘って、その上に写真にあるような穴の開いた板のようなものをかぶせると、簡単にトイレができるという、すぐれものです。ナシールの一般家庭には通常トイレがないので、路上で用をたすことが多いのですが、そうすると、衛生環境が悪くなり、病気や伝染病の発生源にもなります。トイレがあることで、子どもたちが病気や伝染病から守られると考えると、確かに、トイレは子どもにとって大切なものであると言えます。


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最後になりますが、この写真はなんでしょう?

子どもにとって大切なことの象徴である、この「建物」と言えば、もうお分かりですよね?この写真は学校の教室を撮影したものです。学校で勉強をすること。これは先進国にかぎらず、途上国でも大切だと考えられていることなのです。

撮影者によると、ナシールでは学校に行かずに町で遊んでいたり、盗みを働く子どもがでるので、そういうことをせず、子どもは学校に通ってほしいとのことでした。

さて、いかがでしたか?皆さんが予想したものもいくつか入っていましたか?

次回はこの写真を元に、どのようなディスカッションが行なわれたかをお伝えしたいと思います。


(文責:事業部 石橋和博


※南スーダン事業は、(特活)ジャパンプラットフォームの助成も受けて実施しています。またフォトボイスは、アフリカで活動を行っているNPO・NGOの広報基盤の強化を目的としたパナソニック株式会社の助成「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ2012」により実施しています。


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Posted by ADRA Japan at 16:30 | 企業・団体連携 | この記事のURL