(3/31) 震災前日に父親になったボーグさん。唯一の救いは [2023年03月31日(Fri)]
2月6日未明に起きた、トルコ・シリア大地震。 内戦が10年以上続き、国民の70%が人道支援を 必要としていると言われるほど、 もともと人道危機に瀕していたシリアも 今回の地震で大きな被害を受けました。 多くの方が犠牲になり、 厳しい避難生活を余儀なくされている方が 大勢います。 アドラは、震災直後からシリアの中でも 特に被害の大きかったアレッポとラタキアを中心に、 食料の配付など、支援を必要としている方、 一人ひとりに寄り添う支援を開始しました。 今日は、ラタキアで震災前日に父親になった ボーグ・イスラムさんのお話を紹介します。 =============== 2023年2月5日、夕方ごろ妻が女の子を出産しました。 名前はパメラと名付けました。 私たちは深夜ごろ帰宅し、娘の誕生の感動を胸に、 何度も涙ぐみながら眠りにつきました。 翌朝4時15分、地震が始まりました。 私の家も揺れていました。 すぐに、まだ出産の疲労が残る 妻の元に駆けつけました。 私たちは急いで子どもを抱え、 3階の我が家から駆け下りました。 天気が非常に悪い日でした。 通りに立っていると、私たちの目の前で 家が崩れ始めました。 私は、流れ出る涙を止めることができませんでした。 妻と、生まれたばかりの娘が無事だったことは 何よりの救いでした。 震災後、家を失い、 実家に住んでいる私に連絡をくれた アドラに感謝しています。 実家は遠隔地にあるため 時間通り通勤することが難しく、 仕事を失いました。 産後間もない妻に 満足な食事を食べさせてやることも困難でした。 離れたところに避難したにもかかわらず、 この地域で地震の影響を受けた すべての人に迅速に支援を届けてくれた アドラに心から感謝します。 =============== 地震被害はとても大きく、全容を把握することは 実際、とても難しいことではありますが、 ボーグさんのように、支援を必要としている家族に 寄り添いながら、私たちは今後も緊急支援活動を 続けてまいります。 被災された方々が必要としている支援を 一早く届けることができるのは、 ご寄付をお寄せくださる皆さまや、 また私たちの活動について発信してくださる 皆さまの温かいご協力のおかげです。 心より感謝いたします。 (文責:広報担当 永井温子) |
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