(12/29) 極寒のウクライナ。発電機で一人でも多くの方を笑顔に [2022年12月29日(Thu)]
戦争が長期化するなか、 (ウクライナにむけて発電機搬送の準備をするADRAスタッフ)国内のエネルギー施設が次々と砲撃を受け、 今日、ウクライナでは大規模な電力不足に 悩まされています。 電力容量はおよそ半分となり、 回復の見込みが立ちません。 12月21日の時点で、キーウにおいては 電力供給システムの7割が稼働しておらず、 ADRAの現地スタッフの報告によれば、 電気、暖房、水が無い状況が すでに48時間以上続いています。 (ウクライナの子どもたちはサンタクロースに何を願うのか) ウクライナの冬は、気温が氷点下10度、 ところによっては20度まで下がります。 間もなく本格的な冬の到来を迎え、 こうした電力不足が深刻な問題となっています。 地域によっては停電により、 水道のポンプが停止して断水が起こり、 電力を必要とするガスの供給にも 影響が出ています。 停電の影響は各家庭だけではなく、 病院や学校にも及んでいます。 停電が続く小児病院では医師が真っ暗な部屋で 卓上ランプの小さな明かりを頼りに 生後4か月の赤ちゃんを診察している様子が ニュースで流れました。 また、発電機で最低限の機械だけを動かし、 懐中電灯で照らしながら 心臓の手術をする様子も 報じられています。 キーウの、ある学校では暖房設備が壊れ 教室の温度が氷点下まで下がるため、 2カ月間の休校を余儀なくされました。 電気が復旧し、学校に新しい暖房設備が届き、 久しぶりに友達と一緒に学校に通うことが できるようになった男児は 嬉しさをにじませながらも 「またいつ停電が起こるかわからないから、 いつまで学校に通えるかわからない」と 語っていました。 このような中、ADRAは厳しい冬を 越えるための支援を継続しており、 これまでの食料や日用品の支援に加え、 薪などの配付にも取り組んでいます。 また、周辺国からも発電機を調達し、 ウクライナ国内に運んでいます。 (ポーランドから11台の発電機をウクライナ国内の避難所へ) スロバキアでも1台9kwの出力がある発電機を12台、 調達することができました。 この発電機は1台5000ユーロ(約71万円)です。 病院などを優先に届ける予定で、発送の準備を 進めています。 これらの支援ができるのもひとえに 皆様のお力添えのおかげです。 心から御礼申し上げます。 ただ、電力のひっ迫状況とこれからますます 厳しくなる冬の寒さを考えると、この支援は まだまだ十分ではありません 何千もの避難所や、凍えたウクライナの 子どもたちが暮らす場所が、電気も暖房もない状態に 置かれています。 ウクライナ国内の状況は大変厳しいものですが、 ADRAは引き続きウクライナの現状と人々のニーズを把握し、 必要とされている支援を届けることができるよう 活動を続けてまいります。 (文責:広報担当 永井温子) ウクライナ支援特設ページはこちら https://www.adrajpn.org/Emergency/Ukrine2022.html |
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