(2/26) ミャンマー便り vol. 32 〜自然災害へ対応する力を身につける〜 [2020年02月26日(Wed)]
ADRA Japanでは、 2013年からミャンマーのカレン州において、 包括的学習環境改善のための支援活動を実施しています。 そこでは、新校舎の建設などの施設整備のみならず、 生徒、教員、保護者をはじめとした 住民を対象とする研修も実施し、 地域全体で子どもたちの教育機会を確保し、 教育環境を維持していく取り組みも行っています。 その中でも、今回初の試みとして防災研修を実施しました。 一見、教育との関係性が見えづらい防災研修ですが、 カレン州の子どもたちが自然災害の被害に脅かされることなく、 安全な環境で安心して勉強を続けていくためには重要な活動となります。 特に、カレン州はミャンマーの中でも洪水が頻発し 毎年大きな被害を受けている地域です。 洪水により学校も被害を受け、休校となり、 多くの子どもたちが授業の中断を余儀なくされることは珍しくありません。 しかしながら、 学校や地域では防災・減災に関する知識が十分でなく、 洪水被害が起きても効果的な対策を講じることできずにいる状況でした。 また、木造の学校や住宅がまだ主流であるカレン州の村では、 火事への対応策も住民からのニーズが非常に高いものでした。 ![]() [洪水被害を受けた学校] ![]() [カレン州の村で一般的な木造の学校] そうした状況を受けて、 今回は主に学校に通う子どもの保護者や地域住民を対象に、 現地の地方自治体と共同のもと防災研修を実施しました。 そこでは、自然災害についての基礎知識、 地球温暖化による天候不順、 それによる自然災害などの最近の傾向、 災害で被害を受けやすい人々、 地域でできる防災・減災などについて話しました。 ![]() [防災研修で消火器の使い方について住民に説明する災害管理局の職員] ![]() [消火器を使った実習] 住民からは、 「今までこうした研修を受けたことがなかったため、 この研修で防災に関する知識を得られたことは 非常に有意義だったし、学校や地域のためになる」 や、 「今回研修を受けることができなかった住民にも、 是非広めていきたい」 などの多数の前向きな意見があがりました。 住民にとって、地域の学校の安全を守り、 子どもたちが健やかに安心して 勉強に集中できる環境づくりについて 考えを深めるきっかけとなりました。 住民に対して実施した防災研修は、 内容を変えて子どもたち向けにもこれから実施する予定です。 地域社会で防災・減災意識を高めていくとともに、 子どもたち自身も自分の身を守り 自発的に生きる力を習得していってもらいたいと 私たちは考えています。 ADRA Japanはこれからも、 支援を必要としている方々に対して、 地域の状況やニーズに合わせた事業を実施していきます。 そしてそこでは、 子どもたちや地域社会の自発性が 十分に引き出せるサポートを心がけています。 引き続き、皆さまの温かいご理解とご協力のほど、 よろしくお願いいたします。 ※ミャンマー教育支援事業は、皆様からのご寄付のほか、日本NGO連携無償資金協力およびイオンワンパーセントクラブの助成を受けて実施しています。 (執筆:ミャンマー事業担当 會田 恵梨) ADRA Japanのホームページはこちらです ADRA Japanフェイスブックページ ADRA Japan Twitterアカウント |
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