(10/31) イエメン便りVol.5 「長引く内戦に苦しむ子ども たち」 [2018年10月31日(Wed)]
イエメンでは3年以上続く内戦によって、人々の生活は深刻な打撃を受けています。 ADRA Japanは2015年12月から、首都から遠く支援が届きにくいイエメン北部において、食糧配布、水の供給、生計回復支援などの活動を行っています。 今回は、内戦によって故郷を捨てることになり、今も避難生活を続けるスーリア・アブドラーちゃんのお話を紹介します。 ある朝、スーリアちゃんが兄妹たちの朝食を買いに出かけた際に、家の近くで空爆に遭いました。 「何か冷たいものが手に突き刺さるような痛みを感じて、私は死ぬんだと思ったわ。」 この時、スーリアちゃんは爆弾の破片で大けがをしてしまい、手が不自由になってしまいました。 [イエメンの内戦の国内避難民スーリア] その後、スーリアちゃんは故郷を捨てて家族と一緒に逃げることになりました。 その道のりは厳しく、空には戦闘機が飛んでいましたが、村を出て山道を歩き続けました。 ようやく一時的な避難所にたどり着き、今もそこに住み続けています。 [イエメンの内戦の避難生活] 内戦が始まる前は、トタンでできた家に住み平穏な暮らしをしていました。 「あの時は幸せだったの。外で遊んだり、飴を買いに行ったりできたから。」 しかし今は何もない場所にテントを立てて、着の身着のまま逃げてきた状態で、日常生活に必要な最低限の物すら不足する生活をしています。 「内戦が終わったら、何よりも先に家に帰りたい。私の手も治ったらいいのに。」 イエメンの人々、特に子どもたちは、長期化する避難生活で背負いきれない苦しみに耐え続けています。 保健・社会保障といった基本的なサービスを受けることもできなければ、守ってくれる人もいません。 スーリアちゃんは、激しい内戦の犠牲者の一人です。 ADRAは、内戦で家を追われ避難生活を続ける人々のニーズに応えるため、食糧配布や安全な水の供給などを継続しており、これまで23万人以上 に食糧を届けてきました。 [イエメン北部の給水支援] 引き続き、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。 ※この活動は皆様からのご支援と(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成を受けて実施しています。 (執筆:海外事業課 鈴木知子) ADRA Japanのホームページはこちらです ADRA Japanフェイスブックページ ADRA Japan Twitterアカウント |