(4/16) ミャンマー便りvol. 22 〜子どもの教育環境改善に取り組む現地スタッフの声〜 [2018年04月16日(Mon)]
ミャンマーのカレン州では、60年に渡って政府と少数民族勢力の紛争が続いてきました。停戦合意後、和平協議を行ない双方の信頼構築を図るものの、政府と少数民族武装組織が治める区域が混在しており、不安定な情勢が一部地域には残っています。紛争の間に学校は朽ち、子どもたちが安全に、そして安心して勉強できる環境がまだまだ整っていないのが現状です。
ADRA Japanでは2013年から、紛争の影響を受けてしまった学習環境を改善するため、カレン州で教育支援に取り組んでいます。 今回は、ADRA Japanが活動を開始した2013年から、事業スタッフとして最前線で活動してきたマオンさんに、活動について、また地域の教育環境の変化について語ってもらいました。 マオンさん 「私たちは、地域住民の方々や学校と一緒に、子ども達の学習環境を改善するための活動に取り組んでいます。住民の方々に子どもの教育の重要性を理解してもらい、活動への積極的な関わりを促します。 ADRAが学校の教室建設を行なったある村の学校の話です。この学校には、新しい教室を建てるのに十分な土地がありませんでした。そんな中、子どもの教育環境改善に大変興味を持った住民の方が、自ら学校周辺の土地を買い取って、その土地を学校に寄付しました。住民の方々の協力で無事に教室を建てることが出来たのです。」 マオンさんは、ADRA の活動後にも地域住民と学校が協働して子どもの学習環境改善に取り組んでいける仕組み作りについても話してくれました。 「私たちの活動が終了した後も、学校が住民、保護者、生徒と一緒に学校の課題に取り組んでいけるように、教室建設活動と併せて、学校運営委員会の能力強化にもあたっています。 その一例としては、先生と保護者、生徒、住民代表 計12人からなる学校運営委員会を構成して、学校の運営に関わる話し合いと意思決定を行なえる機関となるように、委員会の運営をサポートしています。 先日、活動後の様子を確認するために、昨年活動をおこなった学校を訪問してきました。その学校では、学校運営委員会が現在も定期的に会議を開き、学校の環境改善にとても積極的に取り組んでいました。例えば、水衛生環境を整えるために、水を溜めるタンクや、手洗い用の洗面器を自分たちで調達して設置していました。さらに、住民の方々が協力して学校の敷地内の歩道をコンクリートで舗装し、学校の門を設置して、子ども達が安全に過ごせる環境づくりに取り組んでいました。」 マオンさんは、これからも地域住民、学校、現地政府、そしてADRAのスタッフ達と協力しながら、子ども達のために活動を行なっていきたいと話してくれました。 ADRA Japanチーム一同は、地域の方々と一緒に、長年の紛争の影響を受けてしまった教育環境を整備する活動を、これからも続けていきます。 引き続き、皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。 *ミャンマー教育支援事業は、皆様からのご寄付のほか、イオンワンパーセントクラブ、外務省NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。 文責:ミャンマー事業担当 伊東彩 ADRA Japanのホームページはこちらです |
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